原作は週刊ヤングサンデーに連載されていた同名漫画ですが、私が本作の名前を知ったきっかけは、小説家の綿矢りささんが本作をかつて好きな映画に挙げていたという情報を得たことです。
1999年公開と20年以上も前の映画で、おそらく当時においても無名な映画だったでしょう。
近所のTSUTAYAには置いていなかったため、DMMの郵送レンタルサービスを使って視聴したほどです。
さて、そんな本作の感想ですが、あまりの超展開についていけなかったというのが正直なところ。
特異な性癖を持った高校生男女の一風変わった恋愛物語なのですが、全体的にかなりニッチなところを突いた映画になっていて、いわゆる映画好きの人たちには受けるのかもしれませんが、尋常の感性で楽しめる作品ではないでしょう。
あらすじ
高校生の日高拓也(ひだかたくや)と北原紗月(きたはらさつき)は剣道部に所属する同級生。
お互いに惹かれあっていたもののなかなか進展を見せない二人の仲だったが、紗月が拓也の友人からラブレターを貰ったことを契機に好意を打ち明けあい、二人は付き合うようになる。
当初は真っ当な恋人同士としての生活を楽しむ二人だったが、拓也の秘めたる嗜好は紗月とのありきたりな性行為で満たされることはない。
紗月が用を足す音を録音して自慰行為に耽る拓也。
そして、その録音テープが紗月に見つかってしまう。
もちろん、これで二人の恋人関係は破綻、と思いきや、紗月はどうしても拓也を見限れないでいて......。
感想
トイレの音を録音されていたり、自分の物を盗られたりしていて、なおその人が好きだという紗月の気持ちに少しでも共感できるかどうかが全てではないでしょうか。
拓也はそういった変態趣味のほかにもマゾ気質に溢れていて、自ら紗月の犬であると宣言したりするのです。
紗月は紗月で、そんな拓也に新しい恋人である先輩とのデートやセックスを見せつけたりして愉しむなど、徐々にサディストの側面を現していきます。
普通の女子高生でいたい自分と異常な本性を持つ自分とのあいだで葛藤する紗月なのですが、そんな紗月に感情移入できるかというと、普通の人間には難しいことになりそうです。
また、こういった大枠の部分以外にもかなりリアリティに欠ける描写が多くその点にも萎えました。
最終盤に高校生同士で唐突に温泉に行ったりするのが典型で、演出したい物語のために現実があまりにも歪められ過ぎており作品としての質を落としてしまっています。
結論
正直なところあまりにもマニア向けの作品ですあり、万民に訴えかけるものがなさすぎます。
あらすじを読んで気に入ったという人だけが観ればよいと思います。
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