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国際関係
【政治雑記】北海道にとって中国は味方で東京が敵である
北海道では山林を中国資本が大規模に買収しているらしい。山林のみならず、例えば観光産業やエネルギー産業(太陽光発電)においても中国資本による土地や建物への投資が増えており、北海道における中国資本の存在感は日増しに強くなっている。当然、国粋主義的な人々にとって怒り心頭な事象に違いない。強硬な論調で「国土防衛策」を論じたくなる気持ちも分からなくはない。しかし、東京のような大都市で愛国者気取りの人々が気炎を上げている光景を、北海道民はどのように見ているのだろうか。北海道はこれまで、さんざん東京に収奪されてきた、なによりも人間を収奪されてきた。1965年から1970年にかけて、北海道は人口の5%を社会減で失っているし、1985年から1990年にかけても3%を失っている。1970年には約7万人が、1987年には4万人近くが流出したのである。(北海道人口ビジョン「」より)近年は社会減が緩やかになっているものの、それでも転出超過は続いている。2020年における北海道人口の社会減は2,331人。全人口が527万人だから、人口の0.04%が流出したことになる。2019年は3,715人の社会減、2018年は...
「戦争の世界史 下巻」ウィリアム・H・マクニール 評価:3点|戦争と軍需産業と政府部門の関係から読み解く世界史【歴史本】
たった一人で通史を描き出した「世界史」という本で有名なマクニール教授が、今度は「戦争」という観点から世界史を描き出した本作。「その2」から続いて下巻の内容を紹介していきます。「戦争の産業化」が始まる1840年代から、「国家総力戦体制」での戦争となる第一次及び第二次世界大戦まで、いよいよ舞台は近代戦争へと移っていきます。・前編「上巻 その2」はこちら。目次・上巻第1章 古代および中世初期の戦争と社会第2章 中国優位の時代 1000~1500年第3章 ヨーロッパにおける戦争というビジネス 1000~1600年第4章 ヨーロッパの戦争のアートの進歩 1600~1750年第5章 ヨーロッパにおける官僚化した暴力は試練のときを迎える 1700~1789年第6章 フランス政治革命とイギリス産業革命が軍事におよぼした影響 1789~1840年・下巻第7章 戦争の産業化の始まり 1840~1884年第8章 軍事・産業間の相互作用の強化 1884~1914年第9章 二十世紀の二つの世界大戦第10章 一九四五年以降の軍備競争と指令経済の時代第7章 戦争の産業化の始まり 1840~1884年第7章では、蒸気...
教養書 「戦争の世界史」その2 ウィリアム・H・マクニール 星3つ
1. 戦争の世界史 その2たった一人で通史を描き出した「世界史」という本で有名なマクニール教授が、今度は「戦争」という観点から世界史を描き出した本作。「その1」から続いてレビューしていきます。2. 目次・上巻第1章 古代および中世初期の戦争と社会第2章 中国優位の時代 1000~1500年第3章 ヨーロッパにおける戦争というビジネス 1000~1600年第4章 ヨーロッパの戦争のアートの進歩 1600~1750年第5章 ヨーロッパにおける官僚化した暴力は試練のときを迎える 1700~1789年第6章 フランス政治革命とイギリス産業革命が軍事におよぼした影響 1789~1840年・下巻第7章 戦争の産業化の始まり 1840~1884年第8章 軍事・産業間の相互作用の強化 1884~1914年第9章 二十世紀の二つの世界大戦第10章 一九四五年以降の軍備競争と指令経済の時代3. 概要第四章では、1600~1750年のあいだに進行したヨーロッパ軍隊の劇的な質的変容が語られます。イタリア諸都市が市民皆兵から傭兵にその軍備の中心を移行して以降、ヨーロッパでは傭兵が戦力の中心になっていきます。やが...
教養書 「戦争の世界史」その1 ウィリアム・H・マクニール 星3つ
1. 戦争の世界史 その1古来から、人類社会と切っても切り離せない関係にあった「戦争」という営み。本書のサブタイトルである「技術と軍隊と社会」という言葉の通り、「戦争」は人類の生活に絶え間なく影響を与え続け、いまなお私たちの生活と切っても切り離せない関係にあると言えるでしょう。レトルト食品からインターネットまで軍事技術から生まれた製品は数知れず、また、「軍隊式」と呼ばれるような行動様式や規律保持方法は会社や学校と行った私たちの暮らしの中心となる場所に多かれ少なかれ浸透しています。軍隊の階級こそ戦後日本の企業体や雇用方式の源流になったという考え方は、「日本社会のしくみ」でも紹介されておりました。経済という意味でも、防衛関連産業は世界各国において主力産業となっていますし、より時間を戻せば、社会経済の全てが戦争に動員されていた時期だってあるわけです。そもそも、現存する国家(諸集団・諸社会)というものは必ず、これまでの「戦争」を生き残り滅亡を免れてきたわけですから、その歴史や特徴を考えるとき「戦争」という切り口が有効なのは火を見るより明らかでしょう。そんなわけで、本書「戦争の世界史」はタイト...
「リサイクルと世界経済」小島道一 評価:2点|国際貿易の中におけるリサイクルの立ち位置【経済学】
リサイクルという言葉が人口に膾炙するようになってからずいぶん経ちましたが、資源の制約や環境問題がクローズアップされる中で、その概念は今日においてますます輝きを増しているように感じられます。そして、より一体化する世界経済の中で、リサイクルという行為もずいぶん前から国際貿易の中で行われるようになっております。日本の中古自動車や中古家電が発展途上国で利用されているのは有名な話ですし、紙やプラスチックの再生工場も多くは発展途上国に立地しています。先進国から廃棄物を輸入し、原料として使用可能な状態にしてから再び先進国に輸出するというサイクルはもはや当たり前のこととなっているのです。そのような、国際貿易の中でのリサイクル過程がどのように変化し、どのような問題を孕んでいて、どのように解決しているのかということが本書には記されています。著者はジェトロ・アジア経済研究所の小島道一氏。肩書は研究者ですが、本書の筆致には実務担当者として国際貿易の規制や促進に携わってきた側面が色濃く現れております。目次第1章 国境を越えてリユースされる中古品第2章 国境を越えてリサイクルされる再生資源第3章 中古品や再生資源...