スポンサーリンク
☆☆☆☆(漫画)

漫画 「1518! イチゴーイチハチ!」 第1巻 相田裕 星4つ

1. 1518! イチゴーイチハチ! 第1巻前作「GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガーガール)」によりニッチな漫画界隈で有名になった相田裕さん。イタリアの対テロ秘密結社が舞台だった前作とうって変わって、現在連載中の本作は日本の高校を舞台にした青春ものです。突飛で唐突な物語ばかりが溢れた現代漫画界の中で、繊細かつ丁寧に高校生活を描く稀有な作品となっており、私が新刊を追っている数少ない漫画の一つです。通底するテーマの深さは文学的で普遍的と言えるにも関わらず、エンターテイメントとしても一級品。是非、メジャーになって欲しい作品です。イチゴーイチハチ!(1) (ビッグ コミックス〔スピリッツ〕) (ビッグコミックス)posted with ヨメレバ相田 裕 小学館 2015-03-30AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo
響け!ユーフォニアム

アニメ映画 「リズと青い鳥」 監督: 山田尚子 星2つ

1. リズと青い鳥高校の吹奏楽部をテーマにしたアニメ/小説作品、「響け!ユーフォニアム」の映画になります。アニメ版及び小説版の感想はこちら。本映画はストーリー本編ではなくスピンオフ的な扱いとなっており、脇役の二人、傘木希美(かさき のぞみ)と鎧塚みぞれ(よろいづか みぞれ)の関係にスポットを当てた作品になっております。タイトルから「響け!ユーフォニアム」を消しているあたり、独立した作品としても見て欲しいという思いが制作サイドにはあるのかもしれません。とはいえ、内容的には「響け!ユーフォニアム」のことをかなりの程度知っていなければならないものでしたし、それどころか、本編で見られたようなアニメーション的な良さが消え失せ、ただ観念的なだけのマニア受けを狙った邦画のようになってしまっており、残念でした。リズと青い鳥posted with カエレバ種﨑敦美 ポニーキャニオン 2018-12-05Amazon楽天市場 
竹山道雄

小説 「ビルマの竪琴」 竹山道雄 星3つ

1. ビルマの竪琴東大教授などを歴任したドイツ文学者、竹山道雄氏が生涯で唯一記した小説です。1956年と1985年の2回にわたって映画化されておりまして、1956年版はアカデミー賞の外国映画賞にもノミネートされるなど評価の高い作品です。小説の方も毎日出版文化賞を得るなど、文学として高く評価されています。確かに、小説としての技巧という意味では本職の小説家が書いたわけではないのだなぁと思わせられる面が多々ありますが、戦争のやりきれなさ、そして鎮魂にかける想いの描き方は出色であり、意外な視点と豊かな発想力には驚かされました。ビルマの竪琴 (新潮文庫)posted with ヨメレバ竹山 道雄 新潮社 1959-04-17AmazonKindle楽天ブックス
スポンサーリンク
君の名は

アニメ映画 「君の名は。」 監督:新海誠 再考 星2つ→星3つ

1. 君の名は。再考かつて否定的な記事を書いた作品ですが、なぜこの作品が売れたかについてぼんやりと考えておりますと、なんとなく思いついたことがありましたので、「再考」と題してもう一度とりあげようかと思います。フィクションにおける非リアリティと奇跡についての考察です。君の名は。posted with カエレバ神木隆之介 「君の名は。」製作委員会 2017-07-26Amazon楽天市場
☆☆☆(小説)

小説 「スタンド・バイ・ミー」 スティーヴン・キング 星3つ

1. スタンド・バイ・ミー映画としても人気を博したスティーヴン・キングの有名作品。小説としての原題は「THE BODY」、つまり「死体」なのですが、映画に倣い、日本で出版される小説では邦題として「スタンド・バイ・ミー」が使われています。内容としては「ひと夏の冒険」もので、ベタといえばベタなのですが、そこはさすがのキングで、まさにこの王道を彼のものとして上手く扱っています。少年から脱皮していく時期の不安、幼性からの決別がノスタルジーを喚起する形で描かれており、やや冗長な部分など見られましたが、十分に佳作といえるでしょう。スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫)posted with ヨメレバスティーヴン・キング 新潮社 1987-03-25AmazonKindle楽天ブックス
ヘンリー・ジェイムズ

「ねじの回転」ヘンリー・ジェイムス 評価:2点|幼い兄妹を襲う幽霊、その正体に迫る家庭教師の奮闘【ホラーサスペンス】

アメリカ生まれながらヨーロッパでも長い時間を過ごし、米欧双方の視点や文化が入り混じった小説を書いたことで有名なヘンリー・ジェイムスの作品。日本では「デイジー・ミラー」と並んで容易に入手できるのがこの「ねじの回転」です。文学作品と言うだけあって、技巧を凝らした心理描写は優れていました。ただ、技巧ばかりで、なにか普遍的な人間真理を衝くような、そんな迫真性にかなり欠けていた作品でもありました。あらすじイギリスのとあるお屋敷に家庭教師として雇われた「私」。面倒を見るように頼まれたのは幼い兄妹。両親を失った兄妹は叔父のもとに身を寄せているのだが、お屋敷の主人でもある叔父は二人の教育に全く関心がない。使用人たちには学がないため、「私」が勉強を教えることになったのだ。そんな「私」は当初、この職に就けたことを喜んでいた。品行方正で見目麗しい兄妹と触れ合う時間は楽しく、立派なお屋敷での生活は身に余るほど。しかし、しばらくすると、「私」の生活に文字通り影が差す出来事が起こる。なんと、このお屋敷には幽霊が出るのだ。その幽霊はただその辺りに浮かんでいるだけではなく、子供たちに影響を与え、悪の道に引きずり込もう...
日日日

小説 「ゆめにっき」 日日日 星1つ

1. ゆめにっき2004年に公開された知る人ぞ知るフリーゲーム、「ゆめにっき」のノベライズ版です。原作はネット上で無料公開されており、いまでも遊ぶことができます。また、小説版である本作をはじめメディアミックスも盛んであり、漫画版やイメージ音楽、各種グッズも販売されているほか、最近では原作リメイクのゲームも発売されたようです。私も原作ファンであり、個人開発のフリーゲームながら根強い人気があるのは嬉しいのですが、この小説版に限っては残念だというのが正直な感想です。あの「ゆめにっき」が誇る、他の娯楽作品にない特徴をあまりにも簡単に捨て去ってしまっています。ゆめにっき (VG文庫)posted with ヨメレバ日日日 PHP研究所 2015-11-05AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo
経済・金融・経営・会計・統計

新書 「稲盛和夫の実学 経営と会計」 稲盛和夫 星2つ

1. 稲盛和夫の実学 経営と会計アメーバ経営で有名な京セラの創業者であり、日本航空の再生でも力を振るった名経営者、稲盛和夫さんが会計について記した本になります。いかにも昔ながらの実務者が語るという内容で、精緻さや体系の美しさはありません。普遍的な理論を求めている人には不向きでしょう。ただ、行動経済学が注目を浴びているように、政治学や経済学ではどのような人物を「普通の人間」と想定するか、現実における「摩擦」をどう扱うかはホットなトピックです。この「摩擦」という点について示唆のある内容もちらほらあったため、そこを評価して星2つとしました。稲盛和夫の実学―経営と会計posted with ヨメレバ稲盛 和夫 日本経済新聞社 2000-11-07AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo
☆(小説)

小説 「ぼくらの七日間戦争」 宗田理 星1つ

1. ぼくらの七日間戦争有名なジュブナイル小説シリーズの第一作です。1988年には宮沢りえさんの女優デビュー作ともなった映画が公開されています。近年でも児童向けのレーベルである角川つばさ文庫でシリーズ最新作が続々と刊行されているようです。そんな往年の人気作ですが、個人的な感想としては古いし拙いという印象。シリーズ各巻のタイトルを見ても、その時その時の流行を安易に取り入れ、廃れることを厭わない、古典であることや普遍的であることを目指さないような著作スタイルを持つ作家さんであるようで、私の好みには合いませんでした。ぼくらの七日間戦争 (角川文庫)posted with ヨメレバ宗田 理 角川書店 1985-04AmazonKindle
天人唐草

【幻想怪奇譚】漫画「天人唐草」山岸凉子 評価:1点【漫画短編集】

「日出処の天子」等の作品がある山岸凉子さんの自選作品集。表題作にもなっている「天人唐草」は彼女の代表作に数えられることが多いようです。ただ、少女漫画界の古豪的な地位にある著者の作品ということでしたが、私には合いませんでした。読解力が足りないからか、起伏のない凡庸なストーリーラインに投げっぱなしのオチが付いているだけのように感じてしまいます。あらすじ幼いころから厳格で旧い価値観の父に育てられてきた岡村響子。その教育のせいもあって自分を過度に抑制するようになってしまい、学生時代、そして社会人になっても男性とうまくコミュニケーションをとることができない。そしてついに、職場で憧れていた男性が自分とは真逆の気質をもつ女性と結婚してしまう。そんな響子のもとに、父親が倒れたとの一報が飛び込んでくる。慌てて父のもとへ向かう響子。しかし、呼ばれた先で響子が目にしたのは、あの表面上は厳格だった父の意外な素顔だった......。(表題作「天人唐草」)その他4つの短編を収録。感想全体的に「ベタ」過ぎるか「あり得なさ」過ぎる話しかないんですよね。表題作の「天人唐草」は厳格過ぎる父に育てられた女性の話ですが、父の...
☆☆☆☆(映画/アニメ)

アニメ映画 「聲の形」 監督: 山田尚子 星4つ

1. 聲の形週刊少年マガジンで掲載されていた大今良時さんの同名漫画を原作とした映画。聴覚障がい者に対するいじめがテーマの一つになっていることから多くの反響を呼んだ原作で、全日本ろうあ連盟の協力も得たうえで連載されており、最終的には300万部以上を売り上げています。映画も興行収入23億円以上と好評で、この年の日本アカデミー賞と文化庁メディア芸術祭の該当部門でそれぞれ入賞を果たしています。映画としては良い面が悪い面を大幅に上回っているという感想です。加えて、人物や物の動き、そして何より「音」が加わることで、聴覚障がいを描く作品として映画が原作を上回ったと感じました。映画『聲の形』Blu-ray 通常版posted with カエレバ入野自由 ポニーキャニオン 2017-05-17Amazon楽天市場
☆☆☆(映画/アニメ)

アニメ 「おジャ魔女どれみ」 原作:東堂いづみ 星3つ

1. おジャ魔女どれみ1999年から2003年まで放映されていた子供向けのアニメシリーズです。現在は「プリキュア」シリーズに引き継がれている、テレビ朝日の日曜朝のアニメ番組ですね。グッズの売り上げも凄まじく、大きなセンセーションを巻き起こしたことは、この番組を視聴していた世代やその親世代には懐かしい思い出なのではないでしょうか。後継の「プリキュア」シリーズが15周年を迎えるにあたり、また、今年放映中の「HUGっと!プリキュア」では社会派な作風に寄せてきたこともあり、あらためてこの「おジャ魔女どれみ」という作品を再視聴するいい機会なのではないかと思います。おジャ魔女どれみ(1) posted with カエレバ千葉千恵巳 東映ビデオ 2000-10-21Amazon楽天市場
☆☆(小説)

小説 「ミライ系NEW HORIZONでもう一度英語をやってみる: 大人向け次世代型教科書」 デイビッド・セイン 星2つ

1. ミライ系NEW HORIZONでもう一度英語をやってみるあまりこのブログらしくない作品を取り上げます。数年前に一部界隈で耳目を集めた「大人のNEW HORIZON」です。中学英語の教科書として有名な「NEW HORIZON」のキャラクターが大人になった、という設定で物語が展開され、大人の英語学び直しのために販売されたとのことです。英語のテキストとしても、あるいは、純粋な読み物としても☆1であることは間違いないと思いました。しかし、この手の作品全般に対する希望を感じましたので、☆2とします。ミライ系NEW HORIZONでもう一度英語をやってみる: 大人向け次世代型教科書posted with ヨメレバデイビッド セイン 東京書籍 2011-08-24AmazonKindle
スポンサーリンク