中村文則

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「掏摸」中村文則 評価:1点|さすらいのスリ師を襲う巨悪の陰謀【ノワール純文学】

凋落著しい純文学界隈にあってヒット作を連発し、海外でも人気の高い売れっ子作家である中村文則さん。受賞歴も非常に華々しく、新潮新人賞を「銃」で受賞すると、野間文芸新人賞を「遮光」で受賞、芥川賞を「土の中の子供」で受賞、そして、大江健三郎賞を本作で受賞するなど、国内の文学賞を次々と陥落していきました。前述の通り諸外国での評価も高く、 ウォール・ストリート・ジャーナルが選ぶ2012年ベスト小説10作に本作が選ばれたほか、同紙が選ぶ2013年ベストミステリーの10作に「悪と仮面のルール」が選ばれ、デイビッド・グーディス賞というノワール小説の名手に贈られる賞も受賞しています。そんな文壇の寵児にとって代表作のひとつであり、上述の通り米高級紙の評価も受けている本作なのですが、読んでみた感想はちょっと陳腐すぎるかなといったところ。文学としてもエンタメとしても凡庸未満の作品だったと感じました。あらすじ主人公は掏摸を生業にしている西村という青年。東京を仕事場に富裕層ばかりを狙って獲物を次々と盗っていく西村だが、ある日、彼は木崎という男から仕事を頼まれる。闇の社会を牛耳る黒幕である木崎の。そんな木崎の依頼を...
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