辻邦夫

☆(小説)

小説 「夏の砦」 辻邦生 星1つ

1. 夏の扉 1960年代から70年代にかけて活躍した小説家、辻邦夫の作品。「初期の最高傑作」と評されることが多いようです。他には毎日芸術賞を獲った「背教者ユリアヌス」、谷崎潤一郎賞を獲った「西行花伝」が有名でしょうか。とはいえ、川端康成や三島由紀夫のようなビッグネームと比べると現代までその名前が残っているとは言い難いかもしれません。 さて、肝心の内容ですが、いかにも古い文学作品という様相です。文体や情景としての美しさはあるものの、物語としてはとりとめのない話が続きます。確かに場面場面の読みごたえはあり、文学作品として本作を好む人がいるのは分かりますが、私の個人的な嗜好や物語を楽しむという本ブログの趣旨からすると星1つになるかなといったところです。 2. あらすじ デンマークで織物工芸を学んでいた支倉冬子(はせくら ふゆこ)という女性がある日、ヨットで孤島へと旅立ったまま消息を絶ってしまう。彼女の遺品を収集し、整理する「私」。その記録からは、冬子の生い立ちや、彼女の人生の契機となる「グスターフ候のタピスリ」という作品との出会い、そしてデンマークで育んだ...
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