谷崎潤一郎

☆☆☆(小説)

小説 「細雪(下)」 谷崎潤一郎 星3つ

1. 細雪(下) 上巻、中巻と記事を重ねてきた「細雪」。これが最終巻である下巻の感想記事になります。上巻、中巻の紹介はこちら。 上巻248ページ、中巻305ページと、これだけでもなかなかの長編ですが、下巻は346ページで全巻合計899ページになり、まさに大長編に相応しい貫禄。ヨーロッパで第一次世界大戦が始まり、激動の時代が始まりを告げる中、旧習に倣ってお見合いを続ける雪子と、職業婦人や身分違いの恋など、新しい生き方を模索する妙子。二人の結末と、それを見つめる幸子の心情と時代の相克が鮮やかに描かれます。 細雪 (下) (新潮文庫)posted with ヨメレバ谷崎 潤一郎 新潮社 1955-11-01 AmazonKindle楽天ブックス 2. あらすじ 板倉の死により、激しい恋に終止符を打たれた妙子。だからといって奥畑への慕情が復活するはずもなく、彼には憐憫の気持ちしかないといって、結婚せず職業婦人になる気である。そんな妙子をよそに、雪子のもとへ2年...
☆☆☆(小説)

小説 「細雪(中)」 谷崎潤一郎 星3つ

1.細雪(中) 今日でも読書子に愛され続ける谷崎潤一郎の大長編、「細雪」。斜陽の旧家、蒔岡家の三女である雪子の縁談を中心に話が進んだ上巻から変わって、中巻では四女である妙子を襲う波乱が中心に描かれます。上巻の感想はこちら。 上巻はいかにも昔といった雰囲気のお見合いが中心なので、「旧い小説を読む」という意識でいればそこまで違和感を覚えないのですが、ついに妙子という現代的な人物にスポットが当たることで、谷崎がこの小説に仕込んだ興味深いギミックが見えてきます。 細雪 (中) (新潮文庫) posted with ヨメレバ 谷崎 潤一郎 新潮社 1955-11-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 2. あらすじ 蒔岡家の三女である雪子のお見合いが相次いで破談となる中、雪子が縁付くまでは結婚できない立場である四女の妙子は人形作りに打ち込んでいた。百貨店にも出品されるほどの腕前である妙子の人形作りは趣味の範囲を超えた域に達しており、専用の仕事場を持って弟子をとるほど本人も力を入れている。 そんな妙子が洋裁にも興味を持ち...
☆☆☆(小説)

小説 「細雪(上)」 谷崎潤一郎 星3つ

1. 細雪(上) 戦前から戦後にかけて活躍した小説家、谷崎潤一郎。いまなお評価が高く、ファンの多い彼の代表作ともいえる作品が「細雪」です。新潮文庫版は上中下巻の構成で出版されておりまして、執筆に4年を費やしたという大作。映画化3回、テレビドラマ化6回という数字が文学の古典ながら世俗にも通じる魅力をもった作品であることを表していますね。 やや冗長な表現や本筋から外れたエピソードなどが多いながら、やはり読みごたえのある作品だったというのが感想です。もちろん、そういった冗長さや寄り道部分を評価する人もいるでしょうから、私の星3つという評価が低すぎると感じる人はいても高すぎると思う人は少ないのではないのでしょうか。凋落しつつある旧家の娘が結婚相手を探すというストーリーは婚活全盛の今日においてむしろ示唆的ですらありますし、人物の描かれ方の今日との対比という点でも深く読み込んでいける作品だと感じました。 細雪 (上) (新潮文庫) posted with ヨメレバ 谷崎 潤一郎 新潮社 1955-11-01 Amazon Kindle 楽天ブックス
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