恩田陸

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☆☆☆☆(小説)

【青春夜間歩行】小説「夜のピクニック」恩田陸 評価:4点【青春小説】

長期間に渡って小説界の第一線で活躍する作家、恩田陸さんの作品。2016年に「蜂蜜と遠雷」で直木賞を獲るまでは本作が筆頭の代表作として挙げられることが多かったように思います。第2回本屋大賞を受賞してから爆発的に売れ始め、まさに発掘された名作となった作品。その内容は、高校生三年生たちが80kmの夜間歩行に挑むというだけの物語。しかし、その過程で繰り広げられるささやかな心理的すれ違いについての描写が超一級品という、特異な魅力を持った作品です。輝きと後ろめたさの両方を伴う、未熟な友情・恋愛の機微に誰もが郷愁を感じるのではないでしょうか。派手な展開ではなく、耽美で繊細な心理描写と叙情的な夜間歩行の風景描写で魅せる作品。あまり小説を読んだことがない人でも、無類の小説好きでも感動できる小説です。あらすじ甲田貴子(こうだ たかこ)が通う学校には「歩行祭」という特別な行事がある。3年生全員が体育用のジャージを身に纏い、夜を徹して80kmもの道のりを歩くという行事。当日、友人である遊佐美和子(ゆさ みわこ)と歩きながら、貴子は自分に課した一つの試練を思い返していた。その試練とは、この歩行祭のあいだに、ク...
☆☆☆(小説)

小説 「六番目の小夜子」 恩田陸 星3つ

1. 六番目の小夜子第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となり、恩田陸さんのデビュー作となった本作。学園小説の名手である恩田陸さんの原点というべき作品です。「明るくハッピーな話」「後味の悪い背徳的な話」「悲しく切ない話」。近年の小説はそういった小説そのものの「キャラ付け」が求められています。しかし、そのどれにも属さず、しかし、心に訴えかけるものがある。小説の「テンプレ化」が進む時代の直前に書かれた名作です。六番目の小夜子 (新潮文庫)posted with ヨメレバ恩田 陸 新潮社 2001-01-30AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo
☆☆(小説)

小説 「ネバーランド」 恩田陸 星2つ

1. ネバーランド「夜のピクニック」で第2回本屋大賞を受賞し、それ以外にも数々の名作がある恩田陸さんの作品。「夜のピクニック」同様、高校生の濃密な青春を描いた本作ですが、独特の暗さと明るさが共存した作風を楽しむことはできました。ただ、やや現実感を無視した、かつテンプレートな設定が食傷気味ではあります。ネバーランド (集英社文庫)posted with ヨメレバ恩田 陸 集英社 2003-05-20AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo
☆☆(小説)

小説 「光の帝国 常野物語」 恩田陸 星2つ

1. 光の帝国 常野物語多くの人気作を世に送り出してきた恩田陸さん。彼女の初期の作品で、伝承のような雰囲気を持つ落ち着いたファンタジーです。ややホラー気味の不思議な話を独特の語りで書くという恩田さんの十八番。それを体現した作品ではあり、一つ一つの発想は面白いと思うのですが、やや散漫な印象も受けた作品であります。光の帝国―常野物語 (集英社文庫)posted with ヨメレバ恩田 陸 集英社 2000-09-01AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo
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