英国の著名な作家、ブロンテ三姉妹の二番目、エミリー・ブロンテの小説です。
サマセット・モームの「世界の十大小説」にも選ばれる歴史的名作だそうです。
とはいえ、大いに楽しめたかと言われればそうではありません。
二つの家系の愛憎劇は序盤こそスリリングに思えるものの、ただ愛憎劇が繰り返されるだけの単調さは飽きが来るのも早いです。
あらすじ
都会から旅に出た青年ロックウッドは、「スラッシュクロス」という田舎の屋敷に泊まることにする。
近隣にもう一つある屋敷、「嵐が丘」を訪れたロックウッドだったが、そこでの歓迎は非常に手荒いものであり、ロックウッドは困惑する。
「スラッシュクロス」に帰ったロックウッドは「嵐が丘」の住人がそうなってしまった理由を屋敷の女中であるエレンから聞かされる。
「嵐が丘」に拾われた子供であるヒースクリフと、「スラッシュクロス」のお嬢様であるキャサリンとの歪んだ恋。
それは愛し合い、そして憎しみ合った二つの家の、長きにわたる陰惨な物語......。
感想
非常に高尚で格式高く書かれた昼メロです。
富豪の家に拾われたヒースクリフが家庭をズタズタに引き裂き、そして自身をも破滅に導いていくという筋書きは確かに面白いですが、胸を打たれるかと言えばそうでもありません。
もちろん、最初のころは円満な二つの家庭がヒースクリフによって脅かされるのを見ながらハラハラしたものですが、一度、破壊が始まりますと、あとはどんでん返しもなく、退屈になってしまいます。
文章力のおかげで途中で挫折することはありませんでしたが、世界的名作というわりには、ややつまらなかった印象。
愛憎劇特化の物語でも楽しめるという方は読んでみてはいかがでしょうか。
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