第1位 「アルモニ」吉浦康裕 25分
【心揺さぶる短編学園アニメーションの名作】
・あらすじ
本城彰男(ほんじょう あきお)は高校二年生。
普段はクラスメイトである吉田や渡辺とアニメやラノベについて語り合って過ごしている。
そんな彰男とは別世界にいるのが、クラスメイトの真境名樹里(まきな じゅり)。
マユミやリョーコ、後藤とともにクラスの最上位に君臨する存在だ。
そんなある日、授業中に真境名の携帯電話の着信音が鳴ってしまい、真境名は携帯電話を教師に取り上げられてしまう。
一度聞いただけで曲の音をすぐに覚えられるという特技を持つ彰男はその着信音を暗記。
それを気まぐれに学校で演奏した。
ところが、偶然にその演奏を聞いた真境名は意外な反応を示し......。
・短評
25分という短い時間の中に、巧妙な起承転結とアニメーションによる不思議な世界観を詰め込まれた作品。
埋もれているのが信じられない、隠れた名作です。
本作において、まず私たちを惹きこむのは丁寧な教室風景の描写。
何気ない日常がアングルやカットに工夫を凝らされながら描き出されることで、教室にいたあの頃の空気感や匂いが間近に迫って蘇ってきます。
そして、毎晩のように色彩と音楽に溢れる不思議な世界の夢を見るという秘密を樹里が彰男と共有するところから、物語はコミカルな疾走感を伴って進んでいきます。
誤解が誤解を生み、勘違いがとき解されないまま樹里が彰男に惚れていく展開にはその可笑しさについ身悶えしてしまいますし、そんな喜劇的展開とは対照的な、美しい「夢」のアニメーション描写には胸を打たれます。
たった25分の名品ですので、いますぐ視聴することをお薦めいたします。
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