第二次世界大戦という時代の、戦場という舞台設定だからこそ「東洋人」「武士道」「西洋人」「騎士道」という意識が非常に強い漢たちを数多く登場させることができ、俘虜収容所という銃弾の飛ばない場所だからこそ魂のぶつかり合いをより生々しく描くことができる。
あらゆる要素が絡み合い、激烈なドラマへと昇華されている、濃密な情熱と寂寥に包まれること間違いなしの映画です。
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第1位 「いまを生きる」ピーター・ウィアー
【型破りな教師の授業から学ぶ本当の「生き方」】
・あらすじ
舞台は全寮制の名門進学校ウェルトン・アカデミー。
厳格な規則で知られるこの学校に、一人の英語教師が赴任してくる。
彼の名前はジョン・キーティング。
型に嵌った受験勉強対策授業ばかりが行われているウェルトンにおいて、キーティングは奇抜な授業を敢行して生徒たちの心を掴んでいく。
そんな中、キーティングを尊敬する一部の生徒たちが、生徒としてのキーティングが「死せる詩人の会」というサークルを主宰していたことを知る。
ウェルトンでの形式ばった生活に風穴を開けるため、生徒たちは「死せる詩人の会」を復活させようとするのだが......。
・短評
古めかしく厳格な進学校に卒業生でありながら風変りな信念を持った教師が赴任し、型破りな授業を通じて人間として本当の「生き方」を教えていくという王道設定の映画です。
窮屈な学校生活に抑圧されていた生徒たちが「恋」や「夢」に目覚め、自分の人生を自分の足で生き始める姿はベタですが非常に感動的。
キーティングの「型破りな教師」ぶりもこの手の映画にありがちな寒いものではなく、本当にこんな教師がいてくれたらと思うような姿で描かれており、ひたすらに高品質な王道脚本であることが特徴だと言えるでしょう。
サッカー日本代表として活躍した宮本恒靖さんの座右の銘「いまを生きる」はこの映画から取られているそうで、なるほど、大人物の「生き方」に影響を与えたのだと言われても十分に頷ける作品だと感じました。
演出面も非常に凝っており、特に素晴らしいのはラストシーン。
生徒たちが次々と、黙したまま机の上に立ってキーティングを送りだすという、派手さではなく静謐さで熱い感動を胸に去来させる演出は見事だとしか言いようがありません。
人生で一度は見て欲しい作品で、特に若い方々にとっては必見の映画だと思います。
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