本ブログで紹介した実写映画の中からベスト4を選んで掲載しています。
私の好みもあり、ヒューマンドラマをテーマとした作品が多くなっております。
第4位 「ローマの休日」ウィリアム・ワイラー
【決して色褪せない恋愛映画の世界的名作】
・あらすじ
ヨーロッパ某国の王女アンは公務でのヨーロッパ周遊中にローマを訪れていた。
しかし、あまりに束縛が激しく自由がない公務生活に辟易していたアンは、監視の目をくぐり抜けて夜中のローマへと逃亡する。
そんなアンに街中で出会ったのは新聞記者であるジョー・ブラッドレイ。
アンが王女であることを見抜いたジョーは、アンとの一日デートを取り付け、その様子を密かに撮影することで大スクープを狙うことにする。
デートが始まり、意気揚々とアンにローマを案内するジョー。
どう考えても、ジョーの陰謀は全て順調に進んでいた。
二人が恋に落ちる、そのときまでは......。
・短評
誰もが名前くらいは聞いたことがあるであろう恋愛映画の古典的名作です。
激務に耐えかねた王侯貴族が監視の目を盗んで脱出し、街に出て庶民と出会い自由を謳歌する。しかし、最後には自分の本来の立場へ還ってゆく。
そんなストーリーを最初に打ち立てた作品であり、トレビの泉や真実の口、スペイン広場といった、二人がデートの中で訪れた場所はいまでもイタリア旅行の定番観光名所となっております。
デートムービーとしても魅力的な本作ですが、個人的に注目したいのはアン王女の成長という側面。
「自由のない」公務生活を嫌って一種の家出をしてしまうアン王女ですが、ジョーとのデートや追手からの逃亡の中で、自分だけではなく、誰にとっても人生はままならないものであり、本当の「自由」なんてものを手にしている人はいないんだと気づきます。
だからこそ、本作ではアン王女が自らの意志で公務生活に舞い戻っていくという結末が描かれるのです。
物語冒頭で渋々公務を行っていたときのアン王女の不貞腐れた態度と、このままならない世の中を自分の力で少しでも変えていこうと決意した王女が最終盤で見せる毅然とした態度の違いには胸が熱くなります。
一流の恋愛映画であり、若者の成長を描いた青春映画でもある本作。
永遠の古典としてお薦めできる作品です。
・感想記事はこちら
第3位 「天使にラブソングを」エミール・アルドリーノ
【場末の歌手が厳格な修道院で起こした奇跡】
・あらすじ
場末のナイトクラブで歌手をしているデロリスはある日、偶然にもマフィアの殺人現場を目撃してしまう。
命からがらその場から逃走し、なんとか警察の保護下へ入ったものの、マフィアから追われる立場になったデロリスには常に命の危機がつきまとっている。
裁判の日まで、生き証人であるデロリスをどこかで匿わなければならない。
そんな任務を負った警護担当のサウザー警部補が選んだ場所こそ、聖キャサリン修道院。
最初は厳格な規律に堪えかねるデロリスだったが、聖歌隊の指導を任されると彼女の日常は一変、頼りがいのある指導者として聖歌隊を指揮していくようになる。
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