【トゥーランドット】中国を舞台にした名作オペラの漫画化 評価:2点【里中満智子】

トゥーランドット

1. トゥーランドット

有名なオペラの内容を里中満智子さんが漫画で描く「マンガ名作オペラ」シリーズの第5巻。

全巻揃えようという気はないのですが、表題作である「トゥーランドット」の筋書きが知りたくて購入しました。

18世紀に書かれた戯曲をもとに19世紀に書かれたオペラということで、いかにも「古典の短編」という印象です。

物語全体の整合性や展開の論理性よりも劇的な展開が優先されており、物語としては粗削りで洗練されていないと思われる側面が多かったのですが、オペラとはそういうものだという心持ちで見るのが正解なのでしょう。

2. あらすじ

舞台は王朝時代の北京。

皇女トゥーランドットはたいへん美しい姫だったが、彼女に求婚する者は彼女が出題する3つの問題に答えられなければ死刑になるという過酷な婚姻条件を掲げていた。

今日もまた、求婚に失敗したペルシャの王子が紫禁城の前で公開処刑にされてしまう。

その様子を見ていたのが、ダッタン国の王子カラム。

彼はトゥーランドットに見惚れ、部下の制止を振り切ってトゥーランドットに婚約を申し込む。

3つの難問を出題するトゥーランドット。

しかし、カラムはいとも簡単に答えてしまう。

婚約を嫌がるトゥーランドットに、カラムも一つの問題を出す。

それは、まだ名乗っていないカラムの名前を一晩のうちに当ててみろというものだった。

北京中の人々を使って王子の名前を知っている人物を探すトゥーランドット。

そして夜が明ける頃、カラムの部下リュウがトゥーランドットの手下に捕まってしまい......。

3. 感想

カラムの名前を吐かせようと拷問するトゥーランドットたちに対して、リュウは自刃という方法で反抗し、決してカラムの名前を口にしないまま果てていきます。

主人を守るために命さえあっさりと投げ出す姿を見て「愛」の何たるかを知ったトゥーランドットが改心し、カラムとの愛を誓うという結末になるのですが、どうにも古典劇らしい、現代の感覚からすれば理解しがたい物語です。

主人と異国の姫が勝手に始めたクイズゲームに巻き込まれ、その結果として捕虜となり拷問され、最後は自刃する。

そんなリュウの立場から見るとかなり理不尽な話であり、ひたすらリュウが可哀想になります。

リュウが死んでたちまちカラムとトゥーランドットが愛し合って終わり、という結末を素直にハッピーエンドだとは受け取れません。

古典劇においては例え悪役ではない「正義側」の人間達でも下々の人間の命が軽く扱われ、貴族階級の人々の感情の動きばかりが重要なものとして扱われる物語が多いですが、まさにその典型といえるでしょう。

楽しんで読めたとはとても言えませんが、当初の目的通り有名な古典劇の内容を知るという意味では勉強になった書籍ではありました。

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