【現代社会】多くの人は10代で就職するべきだし、これからそうなっていくだろう

就職

文部科学省の発表によると、令和2年の大学進学率(大学(学部)・短大(本科)進学率)は58.6%。

https://www.mext.go.jp/content/20200825-mxt_chousa01-1419591_8.pdf

これは過去最高の数値である。

グラフの傾きを見る限り、大学進学率はこれからも伸びていきそうなものである。

しかし、個人的にはそうならないと予想する。

短期的にはコロナ不況の影響によって大学進学率は低下するだろう。

家計が苦しくなると大学進学を諦める高校生が多くなるからだ。

1998年以降、大学進学率が前年比で低下したのは2012年と2013年の二回。

2011年も前年比+0.1%と伸び率が非常に低かった。

https://www.mext.go.jp/content/20201126-mxt_daigakuc02-000011142_9.pdf

リーマン・ショックの影響が家計に顕在化したためだと推測できる。

コロナ・ショックの影響も今後数年で顕在化してくるだろう。

だが、それ以上に深刻なのは労働者不足の問題だ。

日本の人手不足の背景にある「即戦力の人を採れない」事情
<単に人が集まらないだけでなく、資格やスキルを持つ即戦力が見つからないことも要因...

リーマン・ショック以降の景気回復期において、常用労働者の過不足DI(※)は常に大幅な人手不足を示しており、コロナ不況下においてさえ働き手が不足している状態は変わらない。

※労働者不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合差し引いた値

政府部門は定年の引き上げや悪名高い技能実習生制度による外国人労働者の活用によって糊口を凌ごうとしてきたが、それらも近く限界が来るだろう。

女性労働力の活用も相当程度やりきったいま、残る最後のフロンティアは10代後半の若者たちである。

経団連をはじめとする財界からの要求に対しては敏感に反応する自民党は早晩、ここに手を付ける。

具体的には、高卒者を雇用する企業に補助金を出したり、あるいは、10代の就労者に対する給与上乗せを政府による直接給付の形で行うかもしれない。

高等学校での専門科新設や普通科からの移行も促進される。

彼らのうち幾許かを福祉・医療職に動員することで介護や医療のサービスも向上するため、最大の票田である高齢者の支持も得られやすいだろう。

社会保険や年金も若い加入者が増えるので、負担が薄く広くなり問題を更に先送りできる。

自民党政府にとってこれほど都合の良いことはない。

こうした動きは歓迎されるべきだろうか、それとも悲しむべきことだろうか。

私は基本的に歓迎するべきだと考えている。

今日の大学教育が実社会で働くうえで殆ど役に立っていないことは多くの大学卒業者にとって自明であろう。

ごく一部の理系人材(最上位大学の理系学部の卒業者)以外は大学で学んだことを実社会で殆ど使っていない。

さすがに法曹や公認会計士は使っているのではないか、と思うかもしれないが、彼らの主たる学びの場は予備校であり、大学の授業は卒業資格を得るために出席しているようなものである。

そんな場所に対して学費を払いながら4年もの歳月を捧げるよりも、一刻も早く働いて日銭を稼ぎながら技能を身につけるほうが本人のためになるだろう。

4年間一つの職業に従事すればそれなりのキャリアになってステップアップや転職にも有利になる。

若いうちから定期収入を得られるので、子供を持つ機会も増えるだろう。

政府はNISAやiDeCoを通じて資産形成を促しているが、4年早く積立を始められるのは非常に有利である。

さらには、お金不足のまま大学へと強引に進学してしまうデメリットも解消できる。

奨学金地獄に陥らなくて済むし、反社会的な商売に肩入れすることもなくなるし、意思に反して仕方なく風俗店で働くこともなくなるだろう。

「経験できてラッキーだった」“意識高い系大学生”が風俗店に女性を斡旋する半グレ集団に参加したワケ | 文春オンライン
2019年1月、京都の有名大学生グループ「スパイラル」に所属するメンバーたちが次々に逮捕された。容疑は職業安定法違反。恋愛関係にあると信じ込ませた女性に高額な酒をツケで注文させ、借金を背負わせたうえで…

政府も支援しているし、もしかしたら大学なんて行かなくていいんじゃないか。

そうした風潮が勃興すれば、大学も自らを改革するに違いない。

就職するという選択肢と真剣に対決することになれば、大学は学費を下げ始めるだろうし、実学教育をより充実させるだろう。

既に社会経験のある人々に対してステップアップ機会を提供する機能を向上させるという方向もあり得る。

すると大学進学率が少しだけ反発し、いい塩梅で非進学率と拮抗するようになるだろう。

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