労働

エンタメ

人生で初めて落語鑑賞に行き、芸術家として生きる人生に憧れを感じた話

「天満天神繁盛亭」という落語の定席に、人生で初めて落語鑑賞に行きました。 大阪にある唯一の落語定席(定例公演を行う施設)らしく、2006年に本施設が開園するまで60年以上ものあいだ大阪には落語の定席がなかったそうです。 毎日、朝・昼・夜に分かれて落語の公演があり、私が鑑賞したのはある日の昼席でした。 「平林」「尻餅」「河豚鍋」という三つの古典落語に加え、歌謡ショーと紙芝居、最後に現代を舞台にした新作落語が披露されました。 私にあまり落語の素養がないからか、十分に楽しめたかと問われれば微妙なところです。 (前説的な役割の方が「笑ってあげてください」のようなお願いを最初にするのは逆にしらけるからやめた方がよいのではないかと思いましたが、それだけ「落語」というものがもう誰にも笑えない演目になってしまっているのかもしれません) そんな「笑い」のない落語鑑賞でしたが、「天満天神繁盛亭」を去る私の胸には大きな感傷が残っておりました。 落語鑑賞を行ったのは日曜日だったので、翌日は「仕事」に行かなければなりません、 それなりにプレッシャーのある、それで...
万引き家族

「万引き家族」是枝裕和 評価:2点|奇妙な絆で繋がる偽りの家族【社会派映画】

「誰も知らない」「そして父になる」など、社会派の映画監督として国内外で高い評価を受けている是枝監督の作品。 カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得したことで日本国内でも一躍有名になりました。 リリー・フランキーさんや安藤サクラさんの名演でも知られ、2018年を代表する日本映画だといえるでしょう。 そんな本作ですが、個人的にはそれほどの名作とは思えませんでした。 社会問題にフォーカスすることが少ない日本映画では珍しく、家族の在り方や貧困問題を描いている社会派映画のヒット作ということで期待はしていたのです。 しかし、実際には単なる社会問題事例集に留まっていて、映画としての本作を面白くするような物語が存在しなかったと感じました。 個々の要素は良いのですが、それらの繋ぎ方や組み合わせ方によって物語に起伏を生み出すことに失敗しており、「映画」というよりは「映像集」になってしまっていた印象です。 あらすじ 舞台は東京。豪華絢爛な都会ではなく、団地や古い一軒家が並ぶ下町の一角。 そこには5人家族の柴田一家が住んでいる。 父の治は日雇い労働...
社会問題

あまりにもつまらない日本社会にまつわるデータと所感

「今日の仕事は楽しみですか」というキャッチコピーを掲げた広告がSNSで大炎上したのは最近のことです。 広告会社が批難され、広告が撤回されるという結末を迎えたわけですが、日本社会が抱える諸問題の結実として、目の前の一日が多くの人にとってあまりにもつまらないという現実があるのではないでしょうか。 ギャラップというアメリカの調査会社によると、熱意溢れる社員の割合において、日本は139か国中132位とあまりにも低い数字が叩き出されているようです。 引用元: 原因はいろいろあるのでしょうが、やはり、大企業では無意味なくせに複雑で難易度の高いペーパーワークや調整作業が蔓延っており、一方、中小零細企業や介護・外食・アパレルといった職種においてはブラック労働が蔓延っていることが原因なのでしょう。 大企業や公務員は年功序列賃金制が要因で、中小零細企業等や非正規・派遣労働は利益の薄さやその構造的な要因によって給料が上がりづらいことも、この「熱意」に関係しているのかもしれません。 また、多くの大企業が採用しているジョブローテーションと全国転勤も人生に対する自...
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ビジネス

【ビジネス雑記】無能な高学歴者が発生する理由は受験勉強が利己的な行為だから

あいつは東大卒のくせに使えない。 太古の昔から鉄板となっているフレーズです。 高学歴者を新卒一括採用で入社させ、年功序列賃金制のもとでゆっくりと昇進させていく会社では陰口の定番となっている言葉なのではないでしょうか。 もちろん、純粋な嫉妬からこういった発言が出てくる場合もあるのでしょうが、事実として使えない高学歴者も存在しているのでしょう。 本記事ではなぜ高学歴者の中に使えない人間が紛れ込むのかについて考察していきます。 といっても、結論は記事タイトルで述べたとおりです。 つまり、受験勉強は利己的な行為であり、それを上手くやりきった人物が受験戦争を制するが、ビジネスや社内組織で活躍するのは(適切な形で)利他的な人物であるからです。 まず、受験勉強について分析します。 受験勉強という行為はどこまでも利己的な所業です。 全ては自分自身の能力を高めるために行われ、どれだけ受験勉強を頑張ったところで周囲の人物に対する助力にはなりません。 実利的なメリットを周囲に与えることもなければ、感動のような感情利得を与えることもありません。 ...
ビジネス

【経済ビジネス】おすすめ経済ビジネス雑記5選【雑記まとめ】

新卒一括採用は構造的に永続する 電子書籍の普及が書籍の質を向上させる 無意味な大学教育を駆逐せよ 正社員共同体の虚しいほど強固な紐帯 学歴よりも資格よりも生き方が重要 当ブログを訪問頂きありがとうございます 応援クリックお願いします!
雑記

【現代社会】多くの人は10代で就職するべきだし、これからそうなっていくだろう

文部科学省の発表によると、令和2年の大学進学率(大学(学部)・短大(本科)進学率)は58.6%。 これは過去最高の数値である。 グラフの傾きを見る限り、大学進学率はこれからも伸びていきそうなものである。 しかし、個人的にはそうならないと予想する。 短期的にはコロナ不況の影響によって大学進学率は低下するだろう。 家計が苦しくなると大学進学を諦める高校生が多くなるからだ。 1998年以降、大学進学率が前年比で低下したのは2012年と2013年の二回。 2011年も前年比+0.1%と伸び率が非常に低かった。 リーマン・ショックの影響が家計に顕在化したためだと推測できる。 コロナ・ショックの影響も今後数年で顕在化してくるだろう。 だが、それ以上に深刻なのは労働者不足の問題だ。 リーマン・ショック以降の景気回復期において、常用労働者の過不足DI(※)は常に大幅な人手不足を示しており、コロナ不況下においてさえ働き手が不足している状態は変わらない。 ※労働者不足と回答した事業所の割合から過剰と回答し...
社会問題

【政治雑記】低所得労働者にバラモン左翼政党以外の選択肢は存在するのか

「21世紀の資本」で知られるトマ・ピケティ教授が左派政党支持者の属性変化について語っている。 1950〜70年代にかけて、西側諸国における左派政党の票田は庶民階級だった。 庶民階級とは所得・資産・学歴が低い層のことで、労働者階級と言い換えることもできる。 しかし、80年代以降は様相が変わり、高学歴層が左派政党を支持するようになった。 無料で見られる部分はここまでだが、この後の動きは政治に関心のある方ならばよく知っているだろう。 80年代以降、各国の左派政党は金融自由化や国営・公営企業の民営化を推進するようになる。 21世紀に入ると、左派政党の政策主眼はアイデンティティ・ポリティクスに移行していく。 そこに再配分政策を掲げていた頃の面影はない。 左派政党は社会民主主義政党からリベラル政党に変化した、と言えるだろう。 そんな現代的左派政党を支持する高学歴者のことを、ピケティ教授はインドのカースト制度における上位階層になぞらえ「バラモン左翼」と呼んでいる。 そして、こうした動きが顕著になるなかで、庶民階級は左派政党を支...
社会問題

【現代社会】コロナ禍における大企業・自治体間における従業員の貸し借りについて

コロナウイルスが流行し始めて以降、大企業間及び大企業・自治体間で社員の貸し借りが行われています。 ググれば膨大なソースが出てきますので記事引用等は省きますが、製造業のあいだで工員の貸し借りをしたり、航空会社から地方自治体にCAを出向させることが多いようです。 何故このようなことをするのでしょうか。 一方では人手が余っており、一方では人手が不足しているから、というのは尤もらしい理屈です。 しかし、人手不足側は他企業から人を借りずとも、新規に独自採用する手もあるはず。 その手を使わない理由は以下の3点にあるのでしょう。 コロナが落ち着くと同時にお互いの需給が戻る社会的批難を受けづらい社会人としての「しきたり」を身につけている ①コロナが落ち着くと同時に需給が戻る 貸す側も借りる側も、コロナウイルス流行の影響で一時的に人員過剰/不足が起こっているということを理解しています。 ということは、コロナ収束と同時にその過剰/不足は解消されると予想されます。 再び人員が必要/不要になったタイミングで、つまり、お互いにとって最も都合の良いタイ...
ビジネス

【大企業病研究】日本の大企業が新卒一括採用を続ける理由について

就活シーズン真っ只中ということで、2022卒の大学生たちはセミナーや面談・面接に飛び回っているのではないでしょうか。 といっても、コロナ禍の中ではオンライン面接等が主流になりつつあるという話も聞きますので、今年はステイホームな就活になっているのかもしれませんね。 さて、そんな「就活」ですが、大量の新卒者を大学卒業直後の4月1日に一斉入社させる「新卒一括採用」というシステムが日本独特であることはよく知られています。 この新卒一括採用制度には根強い批判もあるのですが、本稿では、なぜこの新卒一括採用制度が惰性のように延々と続けられるのかという理由について考察していきます。 結論から述べますと、それは「新卒一括採用による失敗が経営者の視界に入りづらいから」です。 新卒一括採用された若者たちはまず、最も下っ端の人員として各部署に配属されます。 このとき、あまり芳しくない新卒者が採用され、ある部署に配属されたとしても、その悪影響は経営者に対して自動的に秘匿されます。 なぜなら、その職場の管理職・中堅層は、業務のパフォーマンスを落とさないよう、その新卒者の...
映画/アニメ特集

【アニメ】おすすめアニメランキングベスト3【オールタイムベスト】

本ブログで紹介したアニメの中からベスト3を選んで掲載しております。 私の好みもあり、バトルやファンタジー、ハーレムというよりはヒューマンドラマをテーマとした作品が中心となっております。 第3位 「少女終末旅行」尾崎隆晴 【荒廃した世界を旅する二人の少女】 ・あらすじ 舞台は激しい戦争の末に回復の見込みがないほどに荒廃した世界。 人類は僅かに生存しているのみで、集団を形成するほどの人口さえ残っていない。 そんな世界を旅するのが、チトとユーリの二人組。 半装軌車ケッテンクラートを繰り、食料と燃料を求めて進む日々。 ときには生き残っている人間と出会って彼らの生きざまを見届け、ときには文明の残り香漂う工場や墓地に辿り着き、かつての人類社会の面影を新鮮な驚きとして受け止める。 荒廃した巨大都市の最上層を目指す彼女たち。 旅路の果てにたどり着く場所とは......。 ・短評 チトとユーリという二人のキャラクターの会話劇で物語が進みます。 荒涼とした世界の中で、過酷な出来事に立ち向かったり、新鮮な光景に感動...
生き方・自己啓発

【転職支援】教養書「転職の思考法」北野唯我 評価:2点【ビジネス書】

博報堂やボストンコンサルティンググループで働き、いまは就職支援サービス会社ワンキャリアの取締役を勤める北野唯我さんの著書。 「転職の思考法」というタイトルの通り、転職するにあたって考えるべきことや、業界・会社選びのコツが述べられているほか、そもそもどのような環境で働くべきなのかという普遍的な「仕事論」にまで言及されている著作です。 一人のサラリーマンが転職について考え始めてから実際に転職するまでの物語に沿って著者の主張が述べられていくという形式を取っており、物語自体もそれなりに面白いので、読み易さという点では万民向けになっております。 ただ、全体としては凡庸なビジネス書であったというのが本ブログにおける評価。 良いことを言っっておりますし、間違ったことを言っているわけではないのですが、巷に溢れる転職論や仕事論からさらにもう一歩踏み込んだ言説に乏しく、やや内容的に薄い本だったと感じました。 目次 プロローグ このままでいいわけがない。だけど...... 第1章 仕事の「寿命」が切れる前に、伸びる市場に身を晒せ 第2章 「転職は悪」...
社会学・歴史・スポーツ

「ブルシット・ジョブ」デヴィッド・クレーバー 評価:3点|無意味な仕事ばかりが増大していく背景を社会学的に分析 【社会学】

イェール大学准教授やロンドン大学教授を歴任した社会人類学者、デヴィッド・グレーバー氏の著書。 社会人類学者としてはもちろん左派アナキストの活動家としても知られている人物であり、“Occupy Wall Street ”[ウォール街を占拠せよ](※)運動でも主導的な役割を果たしたことで一躍有名になりました。 ※リーマンショックの直後、金融機関の救済にのみ奔走し、若者の高い失業率等に対して有効な対策を打てなかったアメリカ政府に対する抗議運動。 本書の他にも「負債論──貨幣と暴力の5000年」や「官僚制のユートピア──テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則」といった著作があり、刺激的な理論を通じてアカデミズムと現実社会を積極的に繋ごうとしていた学者でもあります。 そんなグレーバー教授が2018年に著したのが、本作「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」。 原題は“Bullshit Jobs”のみですが、邦題では「クソどうでもいい仕事の理論」という副題が付されています。 さて、この「クソどうでもいい仕事」ですが、事務職の労働者であれば誰も...
なんだこの人生

【なんだこの人生 日曜しか生きた心地がしない社畜OLの日常】労働に打ちひしがれ虚無な日々に絶望する新米社会人の苦悩 評価:2点【橋本ゆの】

1. なんだこの人生 奇妙なタイトルの作品ですが、調べてみるとTwitter発のコミックエッセイということでそれも納得できます。 橋本ゆのさん(@riko3_)という現時点で4.5万人のフォロワーを抱える人気ツイッタラー(インフルエンサー?)さんが出版する初の単行本とのこと。 ポップな雰囲気の表紙やタイトルに違わず気軽に読める内容ですが、反面、現代社会においてサラリーパーソンとして働くことの意義について考えさせられる作品でもありました。 社会から受ける暗黙の要請に応じて学校に通い、これまた暗黙の要請に応じて会社に入って働いているのに、まさに「なんだこの人生」と思ってしまうような生活を送っている方々には刺さる作品だと思います。 2. あらすじ 藤井香菜子(ふじい かなこ)は都心で働くOLで、社会人二年目。 しかしながら、キラキラした生活とは縁遠い日々を送っている。 「毎日満員電車に乗りつらい思いをして働き、土曜は一日中寝ていて活動しているのは日曜だけ……という1週間を過ごす。こんな生活が1年後も5年後も10年後もずっとずっと続く...
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