太宰治

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小説 「女生徒」 太宰治 星1つ

1. 女生徒言わずと知れた文豪、太宰治の短編集。彼が記した小説の中でも、女性を主人公にした告白体小説ばかりを集めたのがこの作品です。女性の気持ちをよく汲みとっていて、女性ファンも多かったとされる太宰。とはいえ、あまりにも古めかしい女性ばかりが描かれていて、当時の女性(それも熱心な文学ファンの偏執狂でしょう)の心は捉えらえたのかもしれませんが、現代まで通じる古典になってはいない作品でした。女生徒 (角川文庫)posted with ヨメレバ太宰 治 角川グループパブリッシング 2009-05-23AmazonKindle楽天ブックス
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「斜陽」太宰治 評価:2点|終戦によって訪れた旧道徳の没落と新しい価値観の勃興が退廃的かつ情熱的に描かれる【古典純文学】

1947年の初版発売以降、日本文学の古典としての地位を不動のものとしている作品。名実ともに太宰治の代表作でしょう。ピースの又吉さんやオードリーの若林さんなど、本好きのお笑い芸人も太宰を好きな作家として挙げるほどで、人気は今日になって勢いを増しているのかもしれません。とはいえ、この作品を好むことができるのは、ヒロイックな登場人物たちに自己投影できるような根っからの読書好きではないでしょうか。旧道徳の退廃と新しい時代の到来の中で流行小説として人気を博したのは分かりますが、今日の日本や世界における、道徳的経済的な没落・凋落の深い部分を捕らえていると言えるほど普遍的な作品ではないように思われました。あらすじ舞台は戦後すぐの日本。かず子とその母は戦前に貴族であったが、父を亡くし、財産も残り僅かという状況に追い込まれた結果、東京の邸宅を売って伊豆での生活を始めていた。慣れない田舎での生活。収入もないのに働かないかず子の「貴族」的な態度にやっかみを覚える住民もいる。当然、財産はどんどん減っていく。そんな中で戦地から帰ってきたのは、かず子の弟である直治だった。阿片中毒の直治は狂人そのもので、お金を持ち...
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