漫画タイトル「か」行

スポンサーリンク
学習漫画・世界の伝記

「ポケモンをつくった男 田尻智」菊田洋之・田中顕 評価:3点|天才ゲームクリエイターの半生に迫る【学習漫画】

1996年に発売されると、世界中で大ヒットとなり、いまなお世界的大人気シリーズとしてゲーム業界に君臨しているビッグタイトル「ポケットモンスター」。 四半世紀経ったいまでも最新作「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」の発売が控えており、ゲーム本編以外でも、アニメ・映画・スマホゲーム・関連グッズの展開は留まることを知りません。 日本を代表するコンテンツの一つだと言っても全く過言ではないでしょう。 そんな「ポケットモンスター」の生みの親と呼ばれる存在。 その人物こそ、ポケモンの開発元メーカーである「ゲームフリーク」の創業者、田尻たじり智さとしという男です。 第一作である「ポケットモンスター 赤・緑」の主人公のデフォルトネームであり、アニメ版ポケットモンスターの主人公の名前でもある「サトシ」はこの田尻智から取られています。 そんな田尻智さんの伝記漫画が本書なのですが、なるほど、こういう人物が斬新なゲームをつくるのだなと感心させられた次第です。 子供時代の自然体験とゲーム体験、その二つが見事なバランスで融合した思想から生まれたのがポケモンと...
GUNSLINGER GIRL

「GUNSLINGER GIRL 第1巻」相田裕 評価:4点|もしも誰かを好きで好きでしょうがなくなって、それでも永遠に満たされないとわかってしまったら【社会派サスペンス漫画】

本ブログで一度紹介した作品ですが、あまりにも感動が深いので単巻ごとのレビューを書いていきたいと思います。 全体のレビューはこちら テロリズムの脅威に揺れるイタリアで、政府側の対テロ組織に所属する訳あり元軍人・元警察官、そして、彼らとペアを組むことになる、身体改造手術を施されて「義体」となった少女たちの物語。 息の詰まるような葛藤の連続、その果てにある悲壮な感動。 そんな本作の魅力がいきなり炸裂する第1巻のレビューです。 あらすじ 舞台は超近未来のイタリア。 貧しい南部と豊かな北部という、イタリアが伝統的に抱える格差問題を巡る政争は熾烈を極め、北部独立派によるテロが横行する事態となっている。 豊かな北部から搾取された税金が、怠惰な南部人を食わせるための公共事業や補助金に投下されている。 そんな主張には北部人の多くが同調しており、テロリスト側の勢いは止まるところを知らない。 そんな折、テロとの戦いに勝利して統一を維持したい中道左派政権は「社会福祉公社」という機関を創立する。 表向きは身体に障がいを抱える子供を支...
GUNSLINGER GIRL

「GUNSLINGER GIRL」相田裕 評価:4点|テロリストとの闘いに身を投じるのは「義体」を与えられた少女たち【社会派サスペンス漫画】

2002年から2012年まで「月刊コミック電撃大王」に連載されていた作品。 「電撃大王」といえば所謂オタク向けの「萌え」漫画を中心とした雑誌ですが、その中にあって異彩を放っていたのがこの作品。 現代イタリアが抱える「南北問題」という政治問題を嚆矢に、北部イタリアの分離独立派テロ組織と政府が創設した対テロ組織である「社会福祉公社」との戦いを描いた硬派な作品となっております。 しかし、本作の特色はそういった欧州の政治問題を背景にしたサスペンスという側面ばかりではありません。 「社会福祉公社」に所属するのは様々な機関から集められた訳ありの元軍人や元警察官たち。 そして、そういった「大人」たちとペアを組むのは、瀕死の状態だったところに身体改造と精神洗脳を施され、テロリストと戦うために蘇った「少女」たちである、という点が他にはないオリジナリティを醸し出しています。 社会問題を巡って政治家や軍人、メディア、市井の人々が織りなす政治活劇というマクロな枠組みと、テロとの戦いの中で明かされていく「社会福祉公社」組織員が辿った苦節の人生、「義体」となった少女たちの愛憎...
スポンサーリンク
鬼滅の刃

「鬼滅の刃」で活躍する「優しさ」を持たない剣士たちの話

現代ビジネスに精神科医である斎藤環氏による面白い「鬼滅の刃」評論が掲載されていた。 この中で、斎藤氏は鬼殺隊の「柱」たちがみな鬼による加害または親による虐待を受けた被害者であり、それゆえに戦いの動機に怨恨を孕み、そのうえ、彼らの性格が狂気に満ちていることを指摘している。 ここで重要なことは、鬼殺隊の「柱」もまた、ほとんど全員が――甘露寺蜜璃を除き――鬼による犯罪被害者であるということだ(煉獄杏寿郎と宇髄天元は鬼の被害は受けていないが親からの虐待サバイバーである)。その意味で「鬼滅」とは、「正義の被害者(柱)」が「闇落ちした被害者(鬼)」と戦う物語、でもある。そして留意すべきは、「正義」はしばしばトラウマ的な出自を持つ、ということだ。鬼殺隊の人々が正義の刃を振るうのは、もちろん社会の治安と安全のためではあるのだが、その動機はしばしば怨恨であり、その向かう矛先は鬼であり鬼舞辻無惨だ。その正義は鬼退治の正義であって、その限りにおいて普遍性はない。 「正義」はしばしばトラウマ的な出自を持つがゆえに、しばしば暴走し、狂気をはらむ。「柱」の剣士たちは、そうした覚...
月刊少女野崎くん

「月刊少女野崎くん」椿いづみ 評価:3点|王道の笑いで攻める、少女漫画制作にかける青春学園コメディ【青年漫画】

ガンガンオンラインにて2011年から連載されているウェブ漫画。 今年で連載10周年を迎えた長期連載のコメディ漫画です。 少女漫画のパロディで笑いを取るという独自性を有している作品であり、だからこそ、少女漫画ではあまり見られない「ヒロインが意中の男性の気を引くために頑張る(が空回りする)」という構図が特徴となっております。 サブキャラクターたちも個性豊かな面子が揃っており、テンポの良い4コマの中でオタク的な寒いノリに頼らない王道の笑いを提供してくれる点に本作の良さがあります。 漫画文化に浸ってきた人ならば必ず笑える作品。忙しない日常の息抜きにお薦めです。 あらすじ 舞台は私立浪漫学園高校。 佐倉千代(さくら ちよ)は意中の人である野崎梅太郎(のざき うめたろう)に告白しようとするも、緊張のあまり「ずっとファンでした」と叫んでしまう。 そんな佐倉に、野崎はなぜかサイン入りの色紙を手渡してくれる。 サインとして記されていた名前は「ゆめの咲子」。 野崎の正体は人気少女漫画家である夢野咲子だったのである。 紆余曲折あって野崎の漫...
鬼滅の刃

【理想的過ぎる物語】漫画「鬼滅の刃」吾峠呼世晴 評価:2点【少年漫画】

あらすじ 舞台は大正時代の日本。 竃門炭治郎(かまど たんじろう)は13歳の少年ながら一家の大黒柱として家計を支えていた。 そんなある日、炭治郎が家を空けた隙に、竃門一家は妹の禰豆子(ねずこ)を除いて鬼に惨殺されてしまう。 生き残った禰豆子も鬼と化しており、あろうことか炭治郎に襲いかかってくるのであった。 そんな炭治郎の窮地を救ったのが富岡義勇(とみおか ぎゆう)と名乗る剣士。 彼は鬼を全滅させるために組織された「鬼殺隊」の一員だと炭治郎は知るのだが……。 感想 珍しいくらいシンプルな少年漫画だったいうのが全体的な感想です。 炭治郎と鬼殺隊の仲間たちが次々と襲いかかってくる鬼たちをひたすら倒していくというだけの物語で、おそらく全体の三分の二以上をバトル描写に費やしているのではないでしょうか。 確かに、必殺技を繰り出しながら鬼の幹部たち(鬼側にも組織がある)を倒していく様子は爽快であり、チャンバラ漫画としては面白いのでしょう。 ただ、個人的には以下の2点からあまり楽しめませんでした。 ①キャラクターに人間味がない ...
学習漫画・世界の伝記

「ジャンヌ・ダルク フランスを救ったオルレアンの乙女」木村尚三郎・高瀬直子 評価:3点|神に愛された最強の英雄物語【学習漫画】

集英社から発売されている「学習漫画・世界の伝記」シリーズ。 世界史上で活躍した様々な人物の生涯を漫画で紹介するというシリーズの中から、今回はたまたま興味を持って読んだ「ジャンヌ・ダルク」のレビューをいたします。 小学生向けに書かれた学習漫画だけあって非常に読みやすく、(おそらく本作の狙い通りに)ジャンヌ・ダルクの生涯について知見を深めることができました。 それにしても、本当に奇跡のような生涯で、時おり起こるまさに漫画のような展開はそれが歴史的事実であるという点において驚愕させられます。 あらすじ 1412年1月6日、フランス東部ドンレミ村の農家に一人の少女が生まれた。 ジャンヌと名付けられたこの赤子こそ、後にフランスの英雄となるジャンヌ・ダルク。 このとき、フランスはイギリスとの百年戦争を戦っており、戦況は劣勢。 パリを中心とする北部はイギリス側についたブルゴーニュ公の手に落ちており、フランス側を率いるシャルル王太子はシノンという町でひっそりと身を隠している有様だった。 そんな戦争の渦中で育っていたジャンヌだったが、13歳のある日...
☆☆☆(漫画)

漫画 「聲の形」 大今良時 星3つ

1. 聲の形 2013年から2014年にかけて週刊少年マガジンで連載されていた作品。 小学校における聴覚障がい者への苛烈ないじめ描写から一時は読み切りすら掲載見送りとなりかけたものの、日本ろうあ協会の許可を経て読み切り掲載に漕ぎつけ、それが大反響を生んで連載へと辿り着いた作品となっています。 さらに、2016年に京都アニメーションによって製作されたアニメ映画が大ヒットし、本作のさらなる躍進に結びつきます。全七巻の社会派漫画としては異例の総発行部数300万部超となり、漫画史にその名前を残す作品となりました。アニメ映画版は本ブログでレビュー済みです。 個人的にも、いじめた側といじめられた側の再生物語として良作だと感じました。少年漫画の王道展開を敢えて避け、世の中の都合よくいかない側面、人間の嫌な部分を描き出そうとしている側面も高評価です。 2. あらすじ 主人公の石田将也(いしだ しょうや)は小学六年生。親友の島田一旗(しまだ かずき)や広瀬啓祐(ひろせ けいすけ)と一緒に悪ふざけをして過ごすことで活発な小学校生活を送っていた。 ...
☆☆(漫画)

【幼馴染が気になる】漫画「ご近所物語」矢沢あい 評価:2点【少女漫画】

「NANA」「天使なんかじゃない」「Paradise Kiss」など多くの代表作を持つ少女漫画家、矢沢あいさんの作品。 1990年代の中盤に「りぼん」で連載され、同時期にアニメが放映されていたことから、若手社会人世代にとって懐かしい作品だといえるのではないでしょうか。 「天使なんかじゃない」からゲスト出演しているキャラクターがいたり、「Paradise Kiss」が同舞台での数年後の話になっているなど、他の矢沢あい作品とのリンクが楽しめるのも特徴です。 そんな本作ですが、総合的な評価としては凡作だと感じました。 少女漫画の肝である恋愛面、そして、デザイン系の高校を舞台にしているというところから発される夢を追う若者という面。 その両面においてやや盛り上がりに欠けてしまった印象です。 あらすじ 幸田実果子(こうだ みかこ)は矢沢藝術学院に通う高校一年生。 夢はファッションデザイナーとして自分のブランドを立ち上げることで、服のデザインについてはその才能と熱意が学院内でも認められている。 そんな実果子には同学年の幼馴染、山口ツトム...
☆☆☆(漫画)

漫画&アニメ映画 「この世界の片隅に」 著者:こうの史代 監督:片渕須直 星3つ

1. この世界の片隅に 2019年1月現在において「この世界の片隅に」といえばアニメ映画を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。事務所との係争により「のん」への改名を余儀なくされ、仕事が激減していた能年玲奈さんを主演声優に迎えてたった63館での公演と、マイナー映画的な興行から始まったにも関わらず口コミによって人気が広まった本作。最終的には30億円近い興行収入を獲得し、世界60ヶ国以上で公開されるようになるなどまさに日本映画界のシンデレラといってもよい作品でしょう。2019年12月20日には新カットを加えた「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」として改めて公開される予定で、その勢いは留まるところを知りません。 本作が公開された2016年は本作のほかにも「君の名は。」「聲の形」といったアニメ映画界の転換点となる作品が公開された年であり、いまや日本の映画シーンを牽引している「子供向けでもオタク向けでもないアニメ映画」というジャンルの礎を築いた作品でもあります。「君の名は。」「聲の形」は本ブログでも既にレビュー済み。これでようやく三作品コンプリートとなりました。 ...
☆☆(漫画)

漫画 「ゴールデンライラック」 萩尾望都 星2つ

1. ゴールデンライラック 本ブログでも既に2作品を紹介している萩尾望都さんの作品。往年の少女漫画家らしい、近世ヨーロッパを舞台にした恋物語です。萩尾さんの中では有名な作品ではありませんが、文学作品のような味わいや構成にはやはり萩尾さんらしさがあります。紹介済みの2作品は以下の通り。 本作の評価は「トーマの心臓」より下、「ポーの一族」よりは上、本ブログで「普通」を表す星2つとします。ひねりが少なく、良い意味では定番・王道という印象、悪い意味ではやや退屈という印象を受けました。 2. あらすじ 両親を亡くし、親戚中をたらい回しにされていたビリー・バン。そんなビリーを引き取ったのは裕福なスタンレィ家。そこでビリーが出会った少女こそヴィクトリアであり、ヴィクトリアはビリーの初恋の人になる。 もらわれ子であるものの幸福に過ごしていたビリーだったが、ある日、ヴィクトリアの父が倒れ、運営する銀行が倒産したことを機に生活は一変する。一家は小さなアパートに移り住み、ビリーとヴィクトリアは幼くして働きに出なければならなくなってしまったのだ...
月曜日の友達

漫画 「月曜日の友達」 阿部共実 星1つ

1. 月曜日の友達 独特の絵柄と毒のあるストーリーで人気を集める漫画家、阿部共実さんの作品。「このマンガがすごい!2018オトコ編4位」という位置づけからも、ディープな漫画好きに好まれる作風が特徴といえるかもしれません。 中身を一言で表せば、「凝り過ぎて妙な方向に行ってしまった作品」。設定やストーリー、そして漫画としての表現手法まで、斜に構えた中高生が凝った作品をつくろうと思ったらこうなった、とでもいえるもので、通ぶった人々がこれを良作としてしまうことが危惧される作品でした。 月曜日の友達 1 (ビッグコミックス) posted with ヨメレバ 阿部 共実 小学館 2017-08-30 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo
げんしけん

漫画 「げんしけん」 木尾士目 星2つ

1. げんしけん 2000年代前半、当時隆盛の兆しを見せ始めていた「オタク文化」に焦点をあてたことから注目された漫画です。 大学のいわゆる「オタサー」を最初に描いた作品ともいえ、そのリアルな「オタク感」からにじみ出る独特の雰囲気は確かに異色で面白いのですが、その斬新性を差し引いたときに魅力が残るかと言われればそうでもない作品でした。 げんしけん(1) (アフタヌーンKC) posted with ヨメレバ 木尾 士目 講談社 2002-12-18 Amazon Kindle 楽天ブックス  
スポンサーリンク