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戦場のメリークリスマス

【戦場と友情】映画 「戦場のメリークリスマス」 監督:大島渚 星4つ

1. 戦場のメリークリスマス第2次世界大戦下の日本軍俘虜収容所を舞台に、日本軍の士官・下士官と俘虜となっている英軍士官との奇妙な友情を描いた作品。1983年公開で、カンヌ国際映画祭のパルム・ドール最有力という下馬評ながら受賞を逃してしまったエピソードでも有名です。それでも、海外では英国アカデミー賞の作曲賞を受賞。国内でも毎日映画コンクールや日本アカデミー賞といった賞を獲得しており、いまなお名作日本映画として記憶されている作品の一つです。戦時下の太平洋という舞台の特殊性から日英豪NZ合作となっていることもさることながら、本作の特徴といえばまずもってその特殊なキャスティングにあるでしょう。主演格の4人のうち3人が本職の役者ではないのです。その3人というのが、当時ミュージシャンとして有名だったデヴィッド・ボウイ、イエローマジックオーケストラというバンドのメンバーとして活躍していた坂本龍一、ツービートという漫才コンビの片割れとして活躍していたビートたけし。その名前を見るだけでも極めて異色の配役であることが理解できます。他にも、ロックシンガーとして有名な内田裕也、フォークシンガーとして有名なジョ...
☆☆☆☆☆(映画/アニメ)

アニメ映画 「千と千尋の神隠し」 監督: 宮崎駿 星5つ

1. 千と千尋の神隠し言わずと知れた名作中の名作。アカデミー賞受賞作品で日本における歴代興行収入第1位。金曜ロードショーでの初回放映時視聴率は46.9%を記録し、まさに伝説的映画と呼ぶべき作品です。大衆人気はもちろん映画通からの評価も高いようで、普段は分裂しがちな一般人気と映画好きからの支持を両方得ることに成功した稀有な作品でもあります。内容も文句のつけようがない素晴らしいもので、今後、この「千と千尋」を超える作品が日本映画から現れるのかと思わせられるほどでした。千と千尋の神隠し posted with カエレバ宮崎駿 ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 2014-07-16Amazon楽天市場
☆☆☆☆☆(映画/アニメ)

アニメ 「SHIROBAKO」 監督:水島努 その④:夢に立ちはだかるもの 星5つ

1. SHIROBAKO その④:夢に立ちはだかるものアニメ「SHIROBKAO」の感想第4弾。今回は本作品の(おそらく)メインテーマである「夢」について所感を述べたいと思います。といっても、夢については比較的わかりやすく表現しているのがこの作品(5人で一緒にアニメを作る・アニメに関わり続けていく)。特徴的なのは、夢を阻むものとして出てくる事例、そして、アニメという分野の中でもどのようなジャンルに夢を託そうとしているのか、そういった点だと思います。長くなってしまいましたが、これ(その④)が最終回ですので、お付き合いいただければと思います。その①~その③はこちらになります。2. あらすじ(第19話)外注したレイアウトは最低基準のクオリティも満たせず、そのことを指摘すれば外注先は逆切れして仕事を放棄する始末。ようやく仕事を承諾してくれたと思ったベテランの背景描きは突如行方をくらまし、新人や太郎といった他の制作進行もデスクである宮森あおいに次々に困難な判断を求めてくる。手詰まりの予感に「万策尽きた」と言いかける宮森。その時、先輩制作進行である矢野エリカが武蔵野アニメーションに帰ってくる。急病...
☆☆☆☆☆(映画/アニメ)

アニメ 「SHIROBAKO」 監督:水島努 その③:小さな真実・大きな嘘・大きな真実 星5つ

1. SHIROBAKO その③:小さな真実・大きな嘘・大きな真実コミカルな作風ながらアニメ業界の光陰を絶妙に表現しているアニメ「SHIROBAKO」。その感想第3弾です。その①では主人公格の5人、その②では周囲の脇役(特にベテラン勢)を中心に記述いたしましたが、今回はもう少し視点を広く持ち、「お仕事」アニメとしてのSHIROBAKOに焦点を当てていきたいと思います。宮森あおいが「武蔵野アニメーション」に就職し、アニメ業界人/社会人としての苦しみや喜びを体験していく、というのがこの物語の最も簡潔な紹介になることは前編でも述べましたが、アニメーション業界に関わらず、「仕事」一般にまつわる多くの真実を抉りだしているのがこの作品の特徴。リアルな事例を出して視聴者に生々しさを感じさせながら、フィクションのエンターテイメントとしての見せ方も優秀であり、むしろその相乗効果が傑作に仕立て上げているといえるでしょう。Shirobako 1 / posted with カエレバシロバコ Section 23Amazon楽天市場
SHIROBAKO

アニメ 「SHIROBAKO」 監督:水島努 その②:大人たちの「仕事」 星5つ

1. SHIROBAKO その②:大人たちの「仕事」アニメ業界で働く人々を描いたアニメ、「SHIROBAKO」の感想第2弾です。言いたいことが多すぎて一つの記事には纏められず。前回は主人公格の若い女性5人について書きましたので、今回は周囲を取り巻くベテラン勢に焦点を当てたいと思います。美少年美少女アニメだらけの中で、現実的に考えてしかるべき年齢の人達がしかるべき仕事をするこのアニメ。しかも、業界は軍隊でも特殊部隊でも農業でも宇宙○○でもなく、泥臭いアニメーション業界。他の作品とは一線を画す素晴らしい労働描写がこのSHIROBAKOの持ち味です。 2. あらすじ(第12話)武蔵野アニメーションが7年ぶりに元請けとして手掛ける「えくそだすっ!」の制作は煮詰まりつつあった。最終回の絵コンテは何とか仕上がったものの、それを完成品に導くための原画マンが圧倒的に足りない状況なのである。原画マンを探して必死に駆け回る宮森あおいだが、そう簡単に引き受けてくれる人はいない。特に問題になったのはラストシーン。大量の「馬」とともに主人公たちが警察の追っ手を逃れる場面だった。「馬」をしっかり描ける原画マン。こ...
SHIROBAKO

「SHIROBAKO」水島努 評価:5点|アニメ業界で働くことのリアルな苦難、その先にあるのは青春の友情を彩った夢の実現【お仕事アニメ】

名作深夜アニメランキングでも上位に入ることが多い作品で、P.A.WORKSの「働く女の子シリーズ」の第2弾という位置づけ。しかしながら、「働く女の子シリーズ」内ではもちろんのこと、同社の数ある作品の中でも抜きんでた人気を誇っています。2014年から2015年にかけて放送された作品にも関わらず、最近になって映画化の発表があり、再び盛り上がっている作品という側面もあります。内容は評判に違わず名作といってよい出来で、「アニメ」についてのアニメとして一つの業界の魅力を効果的に描き切った作品であり、また、お仕事アニメとして、働く人々の強さや弱さ、成功と失敗の感動が見事に表現されています。あらすじ(第1話)短大を卒業し、アニメーション制作会社「武蔵野アニメーション」に就職した宮森あおい。彼女の夢は「アニメに関わる仕事をする」ことであり、その夢が叶ったのだった。しかし、現場はそんなに簡単ではない。上がらない絵コンテ、慢性的な人手不足の原画、仕事をめぐる現場内の不和、我儘な監督。制作進行として奔走する宮森は、何度もくじけそうになりながらも、そのたびに周囲に支えられ、アニメを完成させていく。「アニメに関...
☆☆☆(映画/アニメ)

アニメ 「少女終末旅行」 監督:尾崎隆晴 星3つ

1. 少女終末旅行2017年の10月から12月にかけて放送された全12話のアニメシリーズ。大きな戦争の後の荒廃した世界を旅する2人の少女が主人公で、様々な意味で深夜アニメの主流派とは一線を画しています。絵柄が異端とはいえ、結局「少女」を起用せざるをえないという点はもちろん「深夜アニメ」といえますが、静かな世界で2人だけの会話劇で進む(EDにおける声優クレジットの衝撃的な少なさ!)ことや、生や死について旅すがら自然と考えるというストーリーはなかなか良いもので、こういった作品がアニメ―ション業界に一石を投じて欲しいと思うような作品でした。少女終末旅行 1 posted with カエレバ水瀬いのり KADOKAWA メディアファクトリー 2018-01-24Amazon楽天市場
just because!

アニメ 「just because!」 監督:小林敦 星2つ

1. just because!2017年10月から12月まで放送された、高校生の恋愛を題材にしたアニメ作品です。2015年設立の新興アニメーション会社、PINE JAMによって制作されています。コンセプトや大枠としてのストーリーは悪くなかったものの、物語をより切なく、より盛り上げるためのギミックがあまりにも不足していると感じました。Just Because! 第1巻<初回限定版> posted with カエレバ市川 蒼 NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン 2017-12-22Amazon楽天市場
櫻の園

漫画 「櫻の園」 吉田秋生 星2つ

1.櫻の園「カリフォルニア物語」や「BANANA FISH」、最近だと「海街diary」で有名な吉田秋生さんの1巻完結オムニバス漫画。以前に紹介した映画「櫻の園」の原作でもあります。表現方法や空気感は良いものがありますが、80年代の価値観を基軸に思春期の女性の葛藤を描く、というベタな内容に終始してしまっているのが辛いところです。櫻の園 白泉社文庫posted with ヨメレバ吉田 秋生 白泉社 1994-12-01AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo
櫻の園

映画 「櫻の園」 監督:中原俊 星1つ

1. 櫻の園1990年製作の映画で、その年のキネマ旬報ベスト・ワンに輝いた作品。原作は吉田秋生さんの同名漫画です。女子高の演劇部における人間関係や心理が主題ですが、一言で言い表すならば「雰囲気」の作品。ストーリーを重視したい私の趣味ではありませんでした。櫻の園【HDリマスター版】 posted with カエレバ中島ひろ子 オデッサ・エンタテインメント 2012-03-30Amazon楽天市場 
千年女優

「千年女優」今敏 評価:2点|大女優が歩んだ数奇で大胆な人生の記録【アニメ映画】

「パプリカ」等を手掛け、アニメーション映画界では著名な今敏監督の作品。込み入った手法は面白く、オタク受けする作品であることは間違いないでしょう。しかし、単純なエンターテイメント性には欠けるうえ、人生の深さを描くという純文学的な意味でも曖昧に過ぎ、相当程度オタク的な「解釈」なしに楽しめる作品ではなかった点が残念。テンポの良さや映像美は高品質ですが、テーマや脚本も含めた映画作品としての総合評価としては凡庸な作品だったという印象です。あらすじ真夏の山道を歩くのは映画制作会社社長の立花源也と、カメラマンの井田恭二。彼らは山奥にある藤原千代子の家を訪れようとしているのだった。藤原千代子という女優。既に引退してから長い時間が経っているものの、日本映画界を支えてきた名女優としての名声は計り知れない人物である。インタビューの冒頭、立花は千代子に「鍵」を手渡す。それは千代子が長年大事にしてきた「鍵」であり、千代子の人生に大きな影響をもたらしてきた「鍵」だった。立花から渡された「鍵」をきっかけに、千代子は自分の人生を語りだす。数奇な運命を辿った大女優の人生とは.......。感想ストーリーの入れ子構造や、...
坂道のアポロン

【青春・恋愛・ジャズ】漫画「坂道のアポロン」小玉ユキ 評価2点【青年漫画】 

「このマンガがすごい! 2009」オンナ編で1位となり、アニメ化もされた本作。ジャズという珍しいテーマと、1960年代という時代設定は確かに面白いと思いました。ただ、ストーリーに捻りがないのは非常に残念。ベタ展開に次ぐベタ展開で起伏がなく、最後も高校生活の枠内で納めきれずに駆け足で大学→社会人としてしまったところに作者の力量不足を感じてしまいました。あらすじ主人公、西見薫(にしみ かおる)は父の都合で横須賀から佐世保の高校へと転校することになった。幼いころから転校ばかりだった西見は秀才だが人見知り。そんな西見がひょんなことから出会ったのが不良として知られる川渕千太郎(かわぶち せんたろう)。正反対の二人だが、千太郎の趣味であるジャズに薫が惹かれ始めたことをきっかけに、二人はかけがえのない友人となっていく。しかし、二人を巡る恋模様は複雑。薫は千太郎の幼馴染である迎律子(むかえ りつこ)が好きだが、律子は千太郎に想いを寄せており、その千太郎は上級生の深堀百合香(ふかほり ゆりか)に恋をしている。そんな百合香の想い人とは、「淳兄(じゅんにぃ)」と千太郎から慕われている桂木淳一(かつらぎ じゅ...
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