ジョーカー

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「ジョーカー」トッド・フィリップス 評価:2点|格差社会における現代的な貧困が生んだ「無敵の人」による凶行を描いた点に注目が集まったバッドマンシリーズのスピンオフ【アメリカ映画】

アメリカンコミックの名作である「バッドマン」は映画シリーズとしても人気ですが、その「バッドマン」シリーズにおける悪役の一人、ジョーカーの過去を描いた所謂スピンオフが本作の位置づけとなります。とはいえ、本作が世界的に大ヒットした理由は「バッドマン」人気とは別のところにあるのです。本作の主人公であるジョーカーことアーサー・フレックは精神疾患を持った中年男性であり、僅かな賃金を得られていた職業としての道化すらクビになって貧困に苦しんでいます。認知症を患っている母と二人暮らしで、介護にも時間と気力体力を奪われる生活。彼の未来には一切の「希望」がありません。彼には失うものが全くないのです。インターネットスラングを用いるのならば、アーサーは「無敵の人」となってしまったわけです。そんな「無敵の人」が辿る人生の行方、その過程の描き方、演出方法が異常なリアリティを持っている。そういった、いわば社会派映画としての側面において本作は世界的に好評を博しているようです。しかしながら、個人的な感想といたしましては、凡庸な作品に感じられました。確かに、「無敵の人」のリアリティを描いているだとか、格差が蔓延る希望なき...
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