【大人になりたい夏の旅】映画「菊次郎の夏」北野武 評価:3点 【日本映画】
1999年公開の映画で、監督は北野武。主演である菊次郎役も北野監督本人が勤めております。暴力性の強い映画で知られる北野監督ですが、本作は不良中年男と小学生の少年がひと夏の不思議な旅を経験するロードムービー。北野監督独特のクセが強いながらも、基本的には人情感動路線の作品です。 そんな本作を鑑賞してみたのですが、なかなか魅力的な映画でした。物事について一面的な見方をせず、酸いも甘いもある「人間」を描こうとしている意欲作。あまりにも清潔になりすぎた現代社会では失われてしまった人間臭さと、その中にある「大切だったかもしれないもの」について思いを馳せられる作品です。あらすじ小学三年生の正男(まさお)は、東京の下町で祖母と二人で暮らしている。家庭は貧しく祖母は毎日働きに出ており、両親もいないため、夏休みだというのに正男は旅行に行くこともできない。父親は正男が小さい時に他界し、母親は遠くに働きに出ている。祖母からそう聞かされていた正男だったが、あまりにも惨めな状況にいてもたってもいられなくなり、正男は僅かなお小遣いを握りしめ、母を探す旅に出ることを決意する。しかし、駅に着くまでもなく正男は近所の中学...
2021.04.17
菊次郎の夏☆☆☆(映画/アニメ)作品の感想