辻村深月

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☆☆(小説)

「かがみの孤城」辻村深月 評価:2点|不登校の少年少女が不思議な空間で深める友情と立ちはだかる「学校」そして「家庭」という苦難【青春小説】

「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞に選ばれてデビュー、その後も破竹の勢いで大ヒット作を連発し、いまや大人気作家としての地位を盤石とした辻村深月さん。 特に十代から二十代の若者を主人公とした作品が多く、ミステリという枠組みで宣伝される著作が中心ですが、あくまでミステリ成分は「風味」程度に抑えられており、ミステリ作家というよりも若者の繊細な感情を巧みに描く青春小説の名手として認識されている読書子が多いのではないでしょうか。 そんな辻村さんが2017年に著したのが本作です。 不登校の中学生たちが一つの不思議な空間に集められ、あるゲームに参加させられる、といういかにも若者的なあらすじの作品であり、第一印象として特段目新しさを感じる書籍ではないのですが、現実には100万部以上が刷られており、2018年度の本屋大賞を受賞、漫画化もされており、2022年の12月には映画化もされるなど、出版不況をものともしない売れっ子ぶりが発揮された作品となっております。 というわけでそれなりに期待して読んだのですが、思ったよりは凡庸な作品だったなという印象です。 さすがはベスト...
辻村深月

「オーダーメイド殺人クラブ」辻村深月 評価:2点|女子中学生が抱く思春期ならではの葛藤と奇妙な「殺人」依頼【青春小説】

メフィスト賞からデビューし、吉川英治文学新人賞、直木賞と、エンタメ作家成功の王道を驀進する辻村深月さんの作品。 集英社のナツイチ(夏の百冊)にも選ばれている、定評のある小説です。 ただ、タイトルのインパクトから想像していたよりも地味な話でありまして、中学生のありがちな葛藤や悩みの話に過ぎなかったのではないか、というのが正直な感想です。 あらすじ 主人公、小林アンは中学二年生。 母親譲りの恵まれた容貌の助けもありクラスの中心的グループに所属しているが、実は猟奇的な事柄に興味があり、町の本屋にある怪我をした人形の写真集「臨床少女」が彼女の愛読書。 恋愛がらみの人間関係で急に態度が変わる友人たちや、甘ったるくて何も考えていない母親との生活にうんざりしていたアン。 ある日、河原で地味なクラスメイトの徳川勝利がビニール袋を蹴っている姿を目撃する。 彼が去ったことを見届けた後、ビニール袋を掴むアン。 その中身は「肉」のようなものだった。 自分と同じ嗜好を持つ徳川に惹かれ、アンは彼に接近する。 そして、アンは徳川にアン自身の殺害を依...
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