小説作家名「さ」行

志賀直哉

小説 「暗夜行路」 志賀直哉 星1つ

1. 暗夜行路 「小説の神様」とまで称され、近代日本文学を代表する作家とされている志賀直哉。「城の崎にて」などの中短編で有名ですが、たった一つ長編も書いていて、それが本作「暗夜行路」。 日本文学を語るうえで避けては通れない作品ということで期待していたのですが、その期待は見事に裏切られました。典型的な拙い私小説という印象で、近代小説「黎明期」に、比較対象が少なかったから評価された作品なのだと思います。現代にも通じる普遍性はなく、現代の小説技術と比べて明らかに劣後しているため、物好き以外は読まなくてもよい作品でしょう。 2. あらすじ 主人公、時任健作は東京に住む小説家。といっても執筆にはなかなか気乗りせず、芸者遊びに興じるなど放蕩生活を送っている。 そんな暮らしから脱しようと、尾道への転居を決意した謙作。尾道での生活の中で、謙作は自分の気持ちを整理し、これまでずっと東京で身の回りの世話をしてくれていたお栄という女性に結婚を申し込むことを決意する。 しかし、その依頼を兄である信行にしたところ、信行から衝撃的な事実が告げられる。謙作は謙作の祖父と...
☆☆(小説)

小説 「停電の夜に」 ジュンパ・ラヒリ 星2つ

1. 停電の夜に インド系アメリカ人の作家、ジュンパ・ラヒリさんの小説。「インド系アメリカ人」という点がこの作家の特徴を端的に表しておりまして、アメリカに住むインド移民を主人公とした作品でアメリカ及びインドでも著名な作家となっております。 優れた筆致は確かで、星3つをつけようと思ったのですが、そこに至るにはやはり、小説(=フィクション)としての面白さがやや欠けているように思われました。描写や題材の選択は巧みなのですが、あくまで人生や日常の印象的な一場面を切り取った以上のものがなく、優れたノンフィクション(伝記・ドキュメンタリー・エッセイ)で代替できてしまう印象です。 停電の夜に (新潮文庫) posted with ヨメレバ ジュンパ ラヒリ 新潮社 2003-02-28 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo
☆☆☆(小説)

小説 「スタンド・バイ・ミー」 スティーヴン・キング 星3つ

1. スタンド・バイ・ミー 映画としても人気を博したスティーヴン・キングの有名作品。小説としての原題は「THE BODY」、つまり「死体」なのですが、映画に倣い、日本で出版される小説では邦題として「スタンド・バイ・ミー」が使われています。 内容としては「ひと夏の冒険」もので、ベタといえばベタなのですが、そこはさすがのキングで、まさにこの王道を彼のものとして上手く扱っています。少年から脱皮していく時期の不安、幼性からの決別がノスタルジーを喚起する形で描かれており、やや冗長な部分など見られましたが、十分に佳作といえるでしょう。 スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫) posted with ヨメレバ スティーヴン・キング 新潮社 1987-03-25 Amazon Kindle 楽天ブックス
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☆(小説)

小説 「ぼくらの七日間戦争」 宗田理 星1つ

1. ぼくらの七日間戦争 有名なジュブナイル小説シリーズの第一作です。1988年には宮沢りえさんの女優デビュー作ともなった映画が公開されています。近年でも児童向けのレーベルである角川つばさ文庫でシリーズ最新作が続々と刊行されているようです。 内容としては、古いし拙いという印象。シリーズ各巻のタイトルを見ても、その時その時の流行を取り入れ、廃れることを厭わない、古典であることや普遍的であることを目指さないような著作スタイルを持つ作家さんであるようで、私には合いませんでした。 ぼくらの七日間戦争 (角川文庫) posted with ヨメレバ 宗田 理 角川書店 1985-04 Amazon Kindle
☆☆(小説)

小説 「赤と黒」 スタンダール 星2つ

1. 赤と黒 フランス人作家、スタンダールの代表作の一つで、サマセット・モームの「世界十六大小説」にも選ばれている作品です。 歴史的に評価の高い作品ではありますが、個人的にはあまり楽しめませんでした。特に現代に通じる普遍性の面ではかなり疑問です。とはいえ、時代が変わればまた再評価されるのかもしれません。 赤と黒 (上) (新潮文庫) posted with ヨメレバ スタンダール 新潮社 1957-02-27 Amazon Kindle 楽天ブックス
☆☆☆(小説)

小説 「1984年」 ジョージ・オーウェル 星3つ

1. 1984年 全体主義への警鐘を鳴らす、言わずと知れた有名小説です。不安定な政治状況から近年でもアメリカなどを中心に売り上げを再び伸ばしています。 テレスクリーンによる監視や、思考の「幅」を狭める新言語ニュースピーク、「憎悪時間」など、全体主義体制が到る悲惨な政治的状況をこれでもかと描く力の鋭さ・強さにおいては文句のつけようがありませんが、小説としてのストーリーにはやや凡庸な面もあり、評価に迷う作品です。 一九八四年 (ハヤカワepi文庫) posted with ヨメレバ ジョージ・オーウェル 早川書房 2009-07-18 Amazon Kindle 楽天ブックス
桜庭一樹

小説 「荒野」 桜庭一樹 星2つ

1. 荒野 もとはファミ通文庫から3冊分冊で出版されていたものをその後、文藝春秋/文春文庫が出版。そして、表紙をリニューアルして再刊行された本書。桜庭一樹さんが一段階有名になるたびに出版されていると言っていいでしょう。 ライトノベルというより少女小説と呼んだ方が相応しい読みやすい文体で、星1つをつけるほどの致命的な落ち度はありません。しかし、「少女の繊細な成長」を描くとこに終始しすぎたせいでドラマがなく、また、その「少女の繊細な成長」という側面でも、主人公の家庭環境が特殊なことからあまりリアリティを感じられませんでした。 荒野 (文春文庫) posted with ヨメレバ 桜庭 一樹 文藝春秋 2017-05-10 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo
☆☆(小説)

小説 「破戒」 島崎藤村 星2つ

1. 破戒 明治時代の作家、島崎藤村の小説です。部落差別問題をテーマとした、その時代にあっては斬新な作品でした。 しかし、いま読み返すと、物語そのものはそれほど面白いわけではないと思ってしまいます。歴史的記念碑であることは間違いないのでしょうが、傑作とは言い難いでしょう。 破戒 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 島崎 藤村 新潮社 2005-07 Amazon Kindle 楽天ブックス
時雨沢恵一

小説 「リリアとトレイズⅤ&Ⅵ」 時雨沢恵一 星1つ

1. リリアとトレイズⅤ&Ⅵ 「一つの大陸の物語」シリーズの第2幕、「リリアとトレイズ」の最終話にあたります。Ⅲ&Ⅳの感想はこちら。 旅行先で出会う二人、テロリストに囲まれる列車。ワンパターンです。 リリアとトレイズ V 私の王子様〈上〉 (電撃文庫) posted with ヨメレバ 時雨沢 恵一 メディアワークス 2007-03-01 Amazon Kindle 楽天ブックス
時雨沢恵一

小説 「リリアとトレイズⅢ&Ⅳ」 時雨沢恵一 星1つ

1. リリアとトレイズⅢ&Ⅳ 「一つの大陸の物語」シリーズの第2幕、「リリアとトレイズ」の2話目にあたります。ⅠとⅡで1話、ⅢとⅣで2話、ⅤとⅥで3話という変わった構成。Ⅰ&Ⅱの感想はこちらです。 今回も王家を狙ったテロを解決する話。雄大な冒険譚が魅力だった「アリソン」と比べると、シリーズもののドラマのような、お決まりパターンな展開でした。 リリアとトレイズ〈3〉イクストーヴァの一番長い日〈上〉 (電撃文庫) posted with ヨメレバ 時雨沢 恵一 メディアワークス 2006-03-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo
☆(小説)

小説 「隣の家の少女」 ジャック・ケッチャム 星1つ

1. 隣の家の少女 隣の家に引っ越してきた少女が受ける悲惨な虐待を描いたホラーものです。 そこそこ有名なようなので、単なるホラー以上の何かがあるのかと思い 手に取りましたが、わたしの好みには全く合わない作品でした。 隣の家の少女 (扶桑社ミステリー) posted with ヨメレバ ジャック ケッチャム 扶桑社 1998-07-01 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo
時雨沢恵一

小説 「リリアとトレイズⅠ&Ⅱ」 時雨沢恵一 星1つ

1. リリアとトレイズⅠ&Ⅱ 「一つの大陸の物語」シリーズの第2幕にあたり、第1幕である「アリソン」の続編になります。「アリソン」のレビューはこちら 活躍するのは「アリソン」で主人公だったアリソンとウィルの子供世代。 「アリソン」が「世界を救うアドベンチャー」だったのに対して、「リリアとトレイズ」は突発的に起こるテロに対するのがメイン。しかも、「孤児院出身の二人が知恵と勇気で」という部分がなくなってしまい、「豊かな階層出身の二人が両親から授けられた特殊技能で」となってしまったのが痛いところ。 ワクワクドキドキを呼ぶような作品にはなっていませんでした。 リリアとトレイズ〈1〉そして二人は旅行に行った〈上〉 (電撃文庫) posted with ヨメレバ 時雨沢 恵一 メディアワークス 2005-03-01 Amazon Kindle
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