安部公房

安部公房

「他人の顔」安部公房 評価:2点|顔とは他者から自己の内面を覆い隠す蓋であり、他者から見た同一性を保全するための道具である【純文学】

ノーベル文学賞の有力候補だったと言われているほか、芥川賞、谷崎潤一郎賞、さらにはフランス最優秀外国文学賞を受賞するなど、国内外で評価が高かった小説家、安部公房の作品。 「砂の女」「燃え尽きた地図」と並んで「失踪三部作」の一つに位置付けられています。 このうち「砂の女」は当ブログでもレビュー済みであり、日本文学史上屈指の名作であると結論付けています。 圧倒的感動に打ちのめされるという経験をさせてくれた「砂の女」と同系列の作品という評価に期待を寄せて読んだ本作。悪くはありませんでしたが、その高い期待に応えてくれたわけではありませんでした。 「砂の女」と同様、都市化・資本主義化していく社会の中で人々の自己認識や他者との関わり方が変化していくというテーマそのものは面白かったのですが、「砂の女」が見せてくれたような冒険的スリルやあっと驚く終盤のどんでん返しがなく、主人公の思弁的で哲学的なモノローグがあまりにも多すぎたという印象。 もう少し「物語」としての起伏や展開による面白さがあれば良かったのにと思わされました。 あらすじ 主人公の...
☆☆☆☆☆(小説)

小説 「砂の女」 安部公房 星5つ

1. 砂の女 もっと長生きしていればノーベル文学賞を受賞していたとも言われる、日本文学界の巨人の一人、安部公房の代表作です。二十以上の言語に翻訳され、1967年度のフランス最優秀外国文学賞を受賞しただけあって掛け値ない傑作でした。 砂に囲まれた生活という特異な状況をてこに、現代社会に生きる意味を再解釈したともいえる本作。その威力に、読めば魔術的な感動を覚えること間違いなしの名作です。 砂の女 (新潮文庫) posted with ヨメレバ 安部 公房 新潮社 2003-03 Amazon Kindle 楽天ブックス
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