アガサ・クリスティ

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アガサ・クリスティ

「春にして君を離れ」アガサ・クリスティ 評価:3点|良識のある人間として立派に生きてきた、それなのに、何か重要な事柄を見落としている気がする【海外純文学】

「ミステリの女王」の異名をもって知られ、「そして誰もいなくなった」「オリエント急行の殺人」「アクロイド殺し」「ABC殺人事件」など、いまなお人気の根強い名作ミステリを遺した小説家アガサ・クリスティ。 そんなクリスティが著した、ミステリではない作品がこの「春にして君を離れ」です。 ミステリ作家として名を馳せていたクリスティは敢えて別名義で非ミステリ小説を発表していたのですが、そんな非ミステリ小説群の中では本作が最も有名な作品となっております。 弁護士の夫を持ち、三人の子供にも恵まれた専業主婦が順風満帆だった「はず」の人生を振り返り、ささやかな疑問を抱くところから始まる物語。 普通よりも良い人生、常識的に考えて良いとされる人生を歩み続け、他者にもその「良識」を遺憾なく振りかざしてきた女性が、人生において本当に大切なことを少しだけ理解しかけて、けれども、その理解さえも心の奥で拒絶してしまう。 決まりきった人生が持つあまりの薄っぺらさと、それに半ば気づいていながら薄っぺらい人生に拘泥することの哀愁を描いた、ベタな題材ながら心に沁みる物語です。 あらすじ ...
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「オリエント急行の殺人」アガサ・クリスティ 評価:3点|真冬の国際寝台列車で起こる静謐で哀切な殺人事件【海外ミステリ小説】

「ミステリの女王」という異名を持つ稀代のミステリ作家、アガサ・クリスティの作品。 「そして誰もいなくなった」「ABC殺人事件」「アクロイド殺し」等に並ぶクリスティの代表作として知られており、1934年の作品ながら、今日においても版を重ねている歴史的ベストセラーとなっております。 日本語の新訳版も2017年に出版されており、国内においても人気の高い小説です。 個人的な感想としても、ミステリ小説として十分に楽しめる作品であり、また、世界各国の富豪が乗り合わせる1930年代の国際寝台列車という独特な雰囲気も味わい深いものでした。 あらすじ 舞台は真冬の欧州を走る国際寝台列車オリエント急行の車内。 ロンドンへ移動するため、名探偵エルキュール・ポワロはイスタンブール発カレー行の列車に乗車していた。 しかし、猛吹雪に飲まれた列車はヴィコンツィ(クロアチア)とブロド(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)のあいだで立ち往生してしまう。 不安と焦燥に包み込まれる車内、そして事件は起こる。 サミュエル・ラチェットというアメリカ人実業家が刺殺された姿で発見され...
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