【社会学】おすすめ社会学本ランキングベスト5【オールタイムベスト】
2017-04
小説 「海がきこえる」 氷室冴子 星1つ
1. 海がきこえる少女小説で有名な氷室冴子さんの作品。ジブリの原作にもなった人気作です。それこそ映画脚本におけるト書きのようだ、と言えばよいのでしょうか。あまりにも淡々としているうえ、内容は何のひねりもない恋愛ものでした。海がきこえる (徳間文庫)posted with ヨメレバ氷室 冴子 徳間書店 1999-06-01AmazonKindle楽天ブックス
映画 「生きる」 監督:黒澤明 星1つ
1. 生きる黒沢監督のヒューマニズムが頂点に達したとされる映画作品です。癌を宣告された市役所職員が人間として目を覚まし、命を削って最後の仕事を全うするという王道ストーリー。21世紀の視点だからかもしれないですが、やや凡庸で物足りなかったです。 2. あらすじ市役所で市民課長をしている渡辺勘治が主人公。住民の意見をキャッチするために作られた市民課だったが、実態はお役所仕事な部署間のたらい回しを行うだけ。渡辺はすっかり職員としての情熱を失っていた。ある日、渡辺は癌を宣告される。息子夫婦からも冷たくされ、自分は何のために生きてきたのかと迷う渡辺。そんな渡辺は、偶然居酒屋で出会った小説家に連れられ、街を遊んでまわる。さらに、市役所をやめ、おもちゃ工場に転職した女性、小田切とよとの親交も深めていく。人間として生きる実感を欲しはじめた渡辺。住民たちの要望を前に、市役所組織相手に立ち上がる。3. 感想冒頭の「この男は死んでいる」は余計ですね。そこは映画表現で表さないとしらけてしまいます。また、ストーリーも凡庸で、人間は余命が数か月になったら必死になるというありきたりさ。しかし、主人公を演じる志村喬の...
【おもひでぽろぽろ】郷愁感は十分だが物語としてはイマイチなスタジオジブリの駄作 評価:1点【高畑勲】
高畑監督によるスタジオジブリの映画作品。その他の作品と比べればマイナーですが、テレビ放送は8回を数えます。主人公が少女時代を振り返るパートでは頷けるところもありましたが、全体の筋書きは首をひねってしまうものでした。あらすじ1982年の夏、タエ子は有休をとって姉の夫の実家に行くことにした。都会の喧騒を離れ、田舎暮らしをしてみたかったのだ。山形に向かう新幹線に乗り込むと、タエ子の心に小学五年生の頃の思い出が浮かび上がってくる。帰る田舎のない夏休み、初恋の相手、不味いパイナップルの味、演劇で活躍したこと、生理の話、父親に殴られたこと、貧乏な転校生の「あべくん」。ありし日の姿と、東京のOLとして働く自分と、田舎の風景。山形の農家としてタエ子を迎えるトシオとの関係。タエ子の明日はどちらに......。感想小学生の頃の記憶は良いですね。家族の理不尽な感じがとても懐かしく感じます。特に、パイナップルを食べるシーンで「不味い」と言いずらい雰囲気や、年少の者が押し付けられてたくさん食べる羽目になるのは辛い想い出が蘇りました。分数ができなくて人格まで否定され、得意な演劇の道は諦めさせられたりと、ああ、親っ...
アニメ映画 「耳をすませば」 監督:近藤喜文 星2つ
1. 耳をすませば 柊あおいさんの原作漫画をスタジオジブリが映画化した作品。登場人物たちが歌う「カントリーロード」も有名ですね。 当時の団地や学校の雰囲気はよく伝わってくるものがあり、夢を見つけ、そのために一生懸命になるという姿は素敵なものでしたが、 あまりに純情すぎる登場人物たちやひうねりのないストーリーはいまいちでした。 耳をすませば posted with カエレバ 本名陽子 ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2002-05-24 Amazon 楽天市場
【吹奏楽スポ根】小説 「響け! ユーフォニアム」 武田綾乃 星1つ
第1巻の感想1. 響け! ユーフォニアム京都アニメーション制作のアニメ「響け! ユーフォニアム」の原作小説です。著者は刊行当時現役大学生だった武田綾乃さん。吹奏楽経験者だからこそという表現や瑞々しい感性という点では良い面も見られたのですが、ストーリーや文章力といった作品の幹となる部分がイマイチという印象でした。アニメ版は非常に良かったために意外な残念さを感じてしまいます。2. あらすじ主人公は高校一年生の黄前久美子(おうまえ くみこ)。京都府立北宇治高校に進学した久美子は中学校に引き続き吹奏楽部に入部するか迷っていたが、同じクラスになった友人たちの勧めもあり、流されるままに入部する。そんな久美子を待っていたのは、新しく顧問になった滝昇(たき のぼる)による厳しい練習。元々はぬるま湯だった北宇治高校吹奏楽部。当初は部員たちも彼に反発するが、上手くなっていく楽しさに気づき、吹奏楽部はコンクールに向け奮い立っていく。そんな中、花形であるトランペットのソロパート決めで波乱が起こる。部内オーディションの結果、三年生の中世古香織(なかせこ かおり)ではなく、一年生の高坂麗奈(こうさか れいな)がソ...
「蹴りたい背中」綿矢りさ 評価:4点|スクールカーストを題材に青春の焦燥を描いた現代学園小説の古典【青春純文学】
高校在学中にデビューし、史上最年少で芥川賞を獲った超有名女性作家、綿矢りささん。その芥川賞の受賞作が、印象深いタイトルの本作品です。感想を一言で表しますと、「常にクライマックス」。名作を読み終えるときの、あのふわふわした興奮。最後まで読みたい、でも終わらないでという気持ちが常に胸の内から湧きおこってきます。青春時代に、少しでも疎外感や孤独を感じた、あるいは、そのようなことについて思考を巡らせたことのある人にはぜひ手に取ってもらいたい作品です。あらすじ「今日は実験だから、適当に座って五人で一班つくれ」そんな号令が飛ぶと、「余り物」になってしまう高校一年生。名前は長谷川初実、通称ハツ。そしてハツのクラスにはもう一人「余り物」がいる。オリチャンというアイドルのファンである「にな川」だ。いや、にな川のオリチャンに対する執着は「ファン」を超えている。ハツがそう評するくらい、にな川は熱狂的だ。「オリちゃんと喋ったことがある」ハツがそう言ったことをきっかけに、ハツはにな川の家に誘われるのだが......。他人と交わって「薄まる」ことを拒絶するハツと、交わらないことにさえなにも感じていないにな川。孤独...
教養書 「現代日本の官僚制」 曽我謙悟 星4つ
1. 現代日本の官僚制日本を代表する行政学者の一人、曽我京大教授の著書です。統計学的手法を駆使し、政治制度が官僚制に与える影響を分析するというあまりこれまでには見られなかった試みがなされております。モデルやデータの取り方、相関関係をあまりに重視しすぎた論考には疑問点もありますが、このような手法で政治を分析するやり方はたいへん面白いと感じました。現代日本の官僚制posted with ヨメレバ曽我 謙悟 東京大学出版会 2016-12-24AmazonKindle楽天ブックス