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「O・ヘンリ短編集」O・ヘンリ 評価:3点|短編の名手が贈る風格と哀愁の作品集【海外文学】

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O・ヘンリ短編集
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あらすじ

「賢者の贈り物」

粗末なアパートに住む若い夫婦、ジムとデラ。

世間はクリスマスを目前に控えてはいたが、二人にはプレゼントを買うお金がない。

二人が持っている価値あるものはただ二つ。

ジムの立派な金時計と、デラの美しい髪。

そんな二人がお互いのクリスマスプレゼントに選んだものとは......。

「うしなわれた混合酒」

酒場のバーテンであるコンはいたって真面目な青年。

真面目過ぎて、女性の前ではろくに口もきけないほど。

ひそかに慕うギャザリンに出会っても、口下手にどもりながら天気の話を持ち出すばかり。

そんなコンをよそに、バーではライリィとマッカークという二人組が裏の部屋を借り受けて酒をでたらめに混ぜていた。

二人がそんなことをする目的は、かつて偶然に創り出した名酒を再現すること。

それは、過去にニカラグアを制したという混合酒。

「水よりキツイものは飲まない」と酒を断るコンだったが.......。

感想

各話の平均的な面白さは第一巻にやや劣るかもしれません。

それでもこの第二巻も優れた商品だと思う理由は、ひとえに「賢者の贈り物」があるからです。

非常にベタな展開とベタなオチを持つ話なのですが、この展開とオチがこれ以上に適切な文章と文量で書かれ得る気がしないような、王道の頂点に君臨する作品になっております。

人間の持つ優しさ、温かさ、人を想う気持ちを端的に表現することにおいて本作の右に出る作品はないでしょう。

存在自体が「賢者の贈り物」といえる作品です。

その他では、「あらすじ」にも挙げた「うしなわれた混合酒」が面白いです。

偶然できたお酒をなんとか復活させようという現代の大学生もやりそうなことに、純朴な青年の恋物語をうまく絡めています。

お酒ができた経緯やその効果の説明もひょうきんでよく練られており、読み応えのある作品になっています。

O・ヘンリ (著), 大久保 康雄 (翻訳)

第三巻

ウィットに富んだ物語で読者をひきつけるアメリカの作家、O・ヘンリの作品集第三巻です。

平均的な作品の質は第一巻が最高ですが、「賢者の贈り物」と並ぶ代表作とされる「最後の一葉」が本作には収録されているため、やはり手元に置いておきたい商品となっております。

2. あらすじ

最後の一葉

ワシントン・スクエアの一角には売れない芸術家たちの集まる町がある。

ジョンジーとスウも漏れなくその仲間であり、毎日せっせと絵を描いていた。

そんなある日、ジョンジーは重度の肺炎を患ってしまう。

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