おすすめ政治評論雑記5選
映像作品タイトル「ら」行
「流浪の月」李相日 評価:1点|誘拐犯と少女が育んだ不思議な愛のかたち。十五年後の再会は二人を不思議な運命へと導いていく【恋愛映画】
2022年5月13日に公開された邦画で、主演は広瀬すずと松坂桃李。脇役も横浜流星や多部未華子といった著名な俳優で固められており、力の入っている作品だといえるでしょう。原作は凪良ゆうさんの同名小説であり、第17回本屋大賞受賞作にして累計発行部数80万部突破の人気作。かつて誘拐犯と誘拐された少女という立場だった二人が十五年後に再開を果たし、友情とも恋情とも違った関係をあの頃と同じように取り結んでいくという不思議な物語の大枠自体は原作準拠のようです。そんな本作ですが、少なくとも映画の方はイマイチな出来だったと言わざるを得ないのではないでしょうか。いわゆる「盛り上がる」ような題材の作品ではなく、たおやかな雰囲気にならざるを得ない作風とはいえ、さすがに映画鑑賞体験として「盛り上がり」を感じられる場面が皆無に近く、だからといって「ぐっとくる」ような場面もなかったというのが正直なところです。一般的には理解を得づらいはずの二人の関係を、いかに「あり得る」魅力的な関係として描き出すかというのが本作の肝となり得るはずですが、そこの説得力には欠けるばかりで、誰が本作に共感するんだろうと思ってしまいました。も...
映画 「ロミオとジュリエット」 監督:フランコ・ゼフィレッリ 星3つ
1. ロミオとジュリエット1968年公開の映画で、言わずと知れたシェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の映画化作品です。近年流行りの「新解釈」などではなく、原作に忠実な脚本となっているのですが、それでいて当時は大ヒット。アカデミー撮影賞、アカデミー衣装デザイン賞、ゴールデングローブ賞外国語映画賞など様々な賞を受賞しました。そんな作品を2020年に鑑賞してみたわけですが、なかなか良かったというのが率直な感想です。シンプルでハイテンポな恋愛劇というまさに古典王道を感じさせる作風で、しらけるような場面もなくずっと見ていられます。凝った作品が見せる深い感動はありませんが、ハラハラ、ドキドキ、いちゃいちゃ、そして胸を衝く悲しみという要素が揃ったエンタメの良作でした。2. あらすじ部隊は中世イタリアの都市ヴェローナ。この街では、モンタギュー家とキャピュレット家という二つの名家が長年にわたって抗争を繰り広げていた。そんなある日、モンタギュー家の嫡男ロミオは、友人たちとともにキャピュレット家のパーティーに忍び込む。そこでロミオが出会ったのは、キャピュレット家の一人娘であるジュリエット。たちまち恋...
アニメ映画 「ルパン3世 カリオストロの城」 監督:宮崎駿 星3つ
1. ルパン三世 カリオストロの城いまでも根強い人気を誇る漫画/TVアニメシリーズ「ルパン3世」のアニメ映画第2作ですが、それ以上に宮崎駿の初監督作品として有名でしょう。 「ジブリ」の原点の一つであるといっても過言ではありません。 1979年の映画でありながらこれまで16回もTV放送されており、直近は2018年というところも宮崎監督の地力を感じさせます。感想としても「ジブリ」だなぁという印象を受けました。物理法則を無視した充実のアクションと凝ったダンジョンを攻略していく冒険要素。ストーリーの整合性や場面場面の説得力よりも演出と雰囲気で「観させる」映画でしたね。2. あらすじいつものようにカジノの金庫から大金を盗み出したルパンと次元。しかし、よく見るとその札束は「ゴート札」と呼ばれる偽札だった。ゴート札とは極めて精巧であることで有名な偽札で、今回もルパンだからこそ気づけたものの、一般的にはその真贋を見極めるのは非常に困難である。大量のゴート札の出現を怪しんだルパンと次元は一路、ゴート札と関係が深いという噂のあるヨーロッパの小国「カリオストロ王国」に向かう。その道中、女性の乗った自動車が別...
【永遠不朽のデートムービー】映画「ローマの休日」 ウィリアム・ワイラー 評価:4点【海外映画】
1953年の公開以来、世界的名作としてその名を轟かせているビッグタイトル。オードリー・ヘプバーンの初主演映画としても有名で、この作品でいきなりアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得しています。他にも、最優秀衣装デザイン賞や最優秀原案賞を獲得するなど、大きなセンセーションをもたらした作品です。いま観るとベタにも見えるストーリーなのですが、それは本作が新しい「ベタ」をつくりだした作品だから。「『ローマの休日』的物語」という王道を編み出した元祖作品であり、そのベタさは称賛に値すべきなのです。そして、物語だけでなく役者たちの演技も超一流。常に視線を釘づけにされ、画面から目が離せなくなってしまいます。色褪せない新しいスタンダードを築いた輝かしい古典作品。必見の一作と言えるでしょう。あらすじヨーロッパ某国の王女アンは公務でのヨーロッパ周遊中にローマを訪れていた。分単位のスケジュールと、決まりきった形式的対応を迫られる生活に辟易するアン。ローマ滞在初日の夜、我慢ならなくなったアンは、監視の目をくぐり抜けて街へと脱出する。そんなアンに街中で出会ったのは、新聞記者であるジョー・ブラッドレイ。ジョーは当初、ア...
【RWBY】日本アニメへのリスペクトに溢れるアメリカ産バトルアクションファンタジー 評価:3点【モンティ・オウム】
Volume1(第1期)の感想1. RWBY volume1Rooster Teethというアメリカのアニメーション制作会社による3DCGアニメ。2017年7月から日本の地上波でもダイジェスト版が放送されており、10月には映画も公開されます。日本風のキャラクター造形とアメリカタッチな掛け合い、そして華麗なアクションの組み合わせが妙味となって視聴者を楽しませてくれるアニメーション作品でした。RWBY Volume1<通常版> posted with カエレバ早見沙織 ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント 2015-12-09Amazon楽天市場