アニメ映画 「つみきのいえ」 監督:加藤久仁生 星3つ
1. つみきのいえ2008年にアカデミー賞の短編アニメーション部門を受賞した作品です。日本の作品では現在のところ最初で最後の受賞作となっており、当時はマスコミ等でも多く取り上げられていた印象ですが、やはり芸術的な短編アニメーションは大衆作品となり得ないのか、近年脚光を浴びているかと言われれば否というのが答えになってしまうでしょう。全体的な特徴としては、絵本のような作品で、かつて「みんなのうた」でよく見た画風に近い印象です。たった12分の作品ですが、無音のうちに展開されるストーリーから感じられるノスタルジーと生きることへの強い信念が際立ちます。ただ、いわゆる構成やキャラクターに趣向が凝らされたエンタメ的盛り上がりや、人生観をがつんと叩いてくるような威力はないというところは弱点です。12分の作品では仕方がないのかもしれませんが、この技法・作風では星3つが天井だとも感じました。2. あらすじ海面の上昇著しく、多くの人が去ってしまった街。おじいさんは積み木のように上へ上へと家屋を増築しながらこの街に踏みとどまっている。そんなおじいさんはある日、お気に入りのパイプをせり上がってきた水面に落として...
2019.01.05
つみきのいえ☆☆☆(映画/アニメ)