☆☆(映像作品)

ジョゼと虎と魚たち

【青春恋愛】アニメ映画 「ジョゼと虎と魚たち」 監督:タムラコータロー 星2つ

1. ジョゼと虎と魚たち 2020年12月25日に公開されたアニメーション作品。 1984年に著された田辺聖子さんの短編小説が原作で、映画通のあいだでは2003年の実写映画版が名作として知られているようです。 とはいえ、印象的なベッドシーンやヒロインが抱える障がいに独特の焦点を当てたことで評判になった実写版とは異なり、アニメ映画はクリスマスに相応しい清らかな純愛ものに仕上がっています。 加えて、主人公とヒロインの声を俳優の中川大志さんと清原果耶さんが務め、お笑い芸人である「見取り図」の二人もチョイ役で参加しているところからも、大衆受けを狙ったのだろうなという感じは拭えません。 そして、そういった大衆受け純愛路線が結果的に奏功していたかと問われれば、かなり失敗していたのではないかと感じました。 著しく退屈というわけではないけれども、どうにも底の浅い凡庸な映画に仕上がってしまっていたというのが感想の大枠です。 2. あらすじ 主人公は男子大学生の恒夫(つねお)。 大学では海洋生物学を専攻しており、趣味は海に潜ること。 メ...
野ブタ。をプロデュース

【青春学園】テレビドラマ 「野ブタ。をプロデュース」 監督:釼持誠 星2つ

1. 野ブタ。をプロデュース 2005年に放送され、大ヒットした学園ドラマ。 亀梨和也さんと山下智久さんのダブル主演に加え、いまはもう芸能界を引退した堀北真希さんがヒロインを務めておりました。 主演の二人が歌う主題歌「青春アミーゴ」が200万枚以上を売り上げ、甲子園の入場曲になるなど、まさに社会的インパクトがあったドラマです。 その人気は現在も衰えることなく、2020年には特別編の再放送があり、話題となりました。 そんな本作ですが、さすがに大人になってから見返すと痛々しくて見ていられないような場面や演出も多く、第2話までの鑑賞が限界でした。 しかし、寒いノリだけに頼った凡百のドラマとは違い、確かに大ヒットドラマになるべきだと思わされるような深い要素も多く、語るべき側面がある作品であるとも感じられました。 2. あらすじ 主人公は高校2年生の桐谷修二(きりたに しゅうじ)。 明るい性格でクラスの人気者だが、それは彼自身が演じている虚像に過ぎない。 彼の本当の性格は、計算高い冷徹漢。 常にゲーム感覚で生きており、教...
☆☆(映像作品)

アニメ映画 「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」 監督:石立太一 星2つ

1. 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 京都アニメーションが手掛ける同名テレビアニメシリーズの映画版で、2020年9月18日に公開されました。既に100万人近い動員数と10億円以上の興行収入を記録しており、十分に大ヒットだと言えるでしょう。 しかし、個人的にはやや凡庸な映画だったという印象を受けました。 もちろん、美麗なアニメーションや音楽は流石の高品質だったのですが、欠点として、戦争描写の非現実性や、物語の最終目的が「愛している」の意味を知るという点が鼻につきます。 手紙の代筆を通じて家族や恋人を繋ぐ役割を果たす代筆屋の物語、という比較的リアル路線の部分が感動への訴求点となっている作品だったので、なおさら、時おり露呈するいかにも「深夜アニメ」や「ラノベ」的側面が本作の足をかなり引っ張っているように思えたのです。 2. あらすじ 4年間に渡る大陸戦争が終結してから幾何かの時間が経過し、世界には久方ぶりの平和が訪れていた。 ライデンシャフトリヒ国の首都ライデンに住む18歳の少女、ヴァイオレット・エヴァーガーデンもそんな平和を享受...
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☆☆(映像作品)

映画 「時をかける少女」 監督:大林宣彦 星2つ

1. 時をかける少女 1983年公開の旧い映画ですが、近年でも話題に上ることが多い作品です。直近では本作の監督である大林宣彦さんが2020年4月に亡くなられたことで注目を集め、4月18日には追悼の意味を込めた再放送が行われたりもしました。広島県尾道市を舞台にした「尾道三部作」の一作として、同監督の代表作に連ねられる作品です(残りの二作は「転校生」と「さびしんぼう」)。 注目を集める二つ目の理由としては、原作である同名小説がメディアミックスの底本として定番化しており、近年においても度々リメイクされているからです。2010年の実写映画(監督:谷口正晃、主演:仲里依紗)、2006年のアニメ映画(監督:細田守、主演:仲里依紗)、2016年のテレビドラマ(主演:黒島結菜)、2015年の舞台版(演劇集団キャラメルボックス)と、2000年代においてもその勢いは留まるところを知りません。 本ブログでも、原作小説及び2006年のアニメ映画版を既にレビュー済みです。 リメイクされるたびに、ある種の「元祖」として注目を集めるのが今回取り上げる1983年の実写...
万引き家族

映画 「万引き家族」 監督:是枝裕和 星2つ

1. 万引き家族 「誰も知らない」「そして父になる」など、社会派の映画監督として国内外で高い評価を受けている是枝監督の作品。カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得したことで一躍有名になりました。リリー・フランキーさんや安藤サクラさんの名演でも知られ、2018年を代表する日本映画だといえるでしょう。 そんな本作ですが、個人的にはそれほどの名作とは思えませんでした。なかなか社会問題にフォーカスすることのない日本映画では珍しく、家族の在り方や貧困問題を描いている社会派映画のヒット作ということで期待していたのですが、単なる社会問題事例集に留まっていて、映画全体を牽引する物語が存在しなかったと感じます。個々の要素はとても良いのですが、それらの繋ぎ方や組み合わせ方によって物語に起伏を生み出すことで視聴者を驚かせたり感動させるギミックに欠けていて、「映画」というよりは「映像集」になっていた印象です。 2. あらすじ 舞台は東京。豪華絢爛な都会ではなく、団地や古い一軒家が並ぶ下町の一角。そこに5人家族の柴田一家が住んでいる。 父の治は日雇い労働者で、母の信代はク...
☆☆(映像作品)

アニメ映画 「劇場版 SHIROBAKO」 監督:水島努 星2つ

1. 劇場版 SHIROBAKO 2014年から2015年まで放映されたTVアニメ「SHIROBAKO」の続編として制作された映画で、2020年2月の公開です。監督はTVシリーズに引き続き水島努。「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」や「ガールズ&パンツァー」の監督として有名です。 TVシリーズの方は本ブログでも記事を4つ書いてしまうほど珠玉の出来で、近年のテレビアニメ全体の中でも屈指の名作となっております。TVシリーズの感想は以下の通り。 また、主人公たちの高校時代を描いたスピンオフ漫画も発売されており、こちらも中々の出来栄えでした。 これほど質の高い作品の続編映画というだけあって、相当程度の期待をもって劇場に足を運んだのですが、結論としては凡庸な作品に落ち着いていたといわざるを得ません。 アニメ業界の大変さやそれでもアニメを作っていこうとする熱い気持ちを伝えようとしているのは分かるのですが、それを(TVシリーズのように)アニメ業界以外に従事する人々に対して訴求できては...
ティファニーで朝食を

映画 「ティファニーで朝食を」 監督:ブレイク・エドワーズ 星2つ

1. ティファニーで朝食を オードリー・ヘップバーン主演の有名な古典映画で、1961年に公開されています。監督のブレイク・エドワーズは映画「ピンク・パンサー」シリーズを手がけた人物。原作小説の著者であるトルーマン・カポーティは村上春樹が影響を受けた作家として知られています。 内容は王道のロマンティックラブストーリーですが、個人的にはそのカテゴリにおける凡作以上の作品にはなっていないと感じました。 1961年という時代を考えれば、 田舎出身の美人娼婦と無名作家の都会的で悪戯な恋愛模様という物語はもしかすると当時画期的で、「都会のはぐれもの同士の恋愛」という枠組みをつくったのかもしれません。しかし、さすがに展開が一本調子すぎて退屈な部分がありますし、かっこよさの演出もベタすぎて(もちろん、この古典こそがベタさ(=現在のスタンダード)の先駆者だったのかもしれませんが)今日の視聴においてとりわけ良いと感じることはできないでしょう。 2. あらすじ ホリー・ゴライトリーはニューヨークのアパートに住み、娼婦として生計を立てていた。しかし、いくら稼いでも浪費ばかりで...
茄子 スーツケースの渡り鳥

アニメ映画 「茄子 スーツケースの渡り鳥」 監督:高坂希太郎 星2つ

1. 茄子 スーツケースの渡り鳥 自転車競技を題材とした2007年公開のアニメーション映画で、以前に本ブログでも紹介した「茄子 アンダルシアの夏」の続編となっております。監督は前作と同じく高坂希太郎さん。スタジオジブリのスタッフとして数々の有名作品に参加されております。「茄子 アンダルシアの夏」の感想はこちら。 舞台をスペインのアンダルシアから日本へと変えた本作ですが、様々な意味で前作よりしぼんでしまった印象です。手軽に見られる娯楽作品ではありますが、インスタントな楽しみの後に残る感慨は少なく、あまりにも「重み」に欠けていると感じました。 2. あらすじ グランツール(三大大会)の一つであるブエルタ・ア・エスパーニャを制したペペ・ベネンヘリはチーム「パオパオビール」の一員として戦歴を重ね、ブエルタ・ア・エスパーニャ以降優勝こそないものの各大会で上位に入ることで順調にポイントを獲得していた。 そんなペペたち「パオパオビール」が次なる参加大会として選んだのが、栃木県で開催されるジャパンカップ。スーツケースを手に飛行機で日本へと渡った一行だ...
きみと、波にのれたら

アニメ映画 「きみと、波にのれたら」 監督: 湯浅政明 星2つ

1. きみと、波にのれたら 今月(2019年6月)公開されたばかりのアニメ映画で、監督は湯浅政明。初期の「クレヨンしんちゃん」や「ちびまる子ちゃん」における特徴的な作画で知られ、近年はアニメ映画の監督として精力的に作品を発表しています。当ブログでも「夜は短し歩けよ乙女」と「夜明け告げるルーの歌」の記事を書いています。 ヒーロー及びヒロインの声優にGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太と元AKB48の川栄李奈を起用し、湯浅監督としては珍しいストレートな恋愛ものという触れ込みだった本作。ストーリーは凡庸で、台詞回しとファンタジー設定はちょっと無茶という印象を受けました。 2. あらすじ 大学入学を機に引っ越した向水ひな子(むかいみず ひなこ)。サーフィンが大好きで、マンションも海の見える場所を選んでいた。しかし、引っ越し早々、マンションは火事に遭ってしまう。 迫る火の手から命からがら屋上へと向かったひな子を救ったのが消防士の雛罌粟港(ひなげし みなと)。惹かれ合い、恋人なった二人だが、ある日、港は海...
☆☆(映像作品)

アニメ 「プラネテス」 監督:谷口悟朗 星2つ

1. プラネテス 幸村誠さん原作の漫画をサンライズがアニメ化した作品。サンライズといえば「ガンダム」シリーズが有名ですが、同じ宇宙を舞台にしていても激しいロボットバトルではなく、リアル志向のお仕事アニメになっています。幸村さんは現在連載中の「ヴィンランド・サガ」で有名ですが、その硬派な作風はこの「プラネテス」にも表れています。監督の谷口悟朗さんは「コードギアス 反逆のルルーシュ」が代表作として知られているのではないでしょうか。コードギアスのようなぶっ飛びエンターテイメントから本作のような堅いヒューマンドラマまで作風の広さが伺えます。 感想としては、なにもかも「普通」で、捻りがなさすぎるのではないかと思いました。2003~2004年にかけて放送された作品なので、当時としても凡庸だったのではないかと感じます。「ハルヒ」以前ではありますが、「エヴァ」以降ではあり、ただ分かりやすいだけのストーリーが受け入れられる環境は過去のものになっていたはずです。人が抱える割り切れなさ、単純ではない社会を、それに相応しい手法で描かなければならない、という前提に立つ段階まで日本アニメの脚...
☆☆(映像作品)

アニメ映画 「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」 監督:こだま兼嗣 星2つ

1. 名探偵コナン ベイカー街の亡霊 1994年に週刊少年サンデーで連載を開始して以来、その名前を知らない人はいないというくらいに国民的作品として認知されるようになった「名探偵コナン」。アニメも長らく大人気で、映画も毎年制作されております。最新作の「名探偵コナン ゼロの執行人」では興行収入が100億円を越えるなど、その人気は今日でも右肩上がりに上昇しているようです。 そんな映画シリーズの中でも、特に高い評価を得ているのが本作品。歴代作品をランキングづけしているサイトも多くありますが、上位3つには必ず入っていると言っても過言でないくらい定番の作品となっています。とはいえ、単独の映像作品として作られた数々の作品と同じ俎上に並べてしまえば星2つが限界です。悪くはなかったのですが、小さな子供から大人までが肩の力を抜いて見られる娯楽として作らなければならないという側面と、何か映画として高尚なメッセージを残さなければならないという意識の板挟みの中で中途半端になってしまっている印象が強く、普遍的で古典になり得るような作品にはなっていませんでした。 劇場版 名探偵コナン ベイカー街(ストリ...
虹色ほたる

アニメ映画 「虹色ほたる 〜永遠の夏休み〜」 監督:宇田鋼之介 星2つ

1. 虹色ほたる ~永遠の夏休み~ 川口雅幸さんの同名小説を映画化した作品。子供向けアニメシリーズの映画化以外ではアニメ映画がまだ珍しかった2012年の公開作品です。挑戦的な作画とテーマで挑んでいるからか、興行的には振るいませんでした。 個人的にはそういった挑戦的な部分はかなり気に入ったのですが、いかんせん物語の進行や小道具の使い方が拙く感じました。特にラストシーンは全てをぶち壊すような酷い出来で、これさえなんとかすればもう少し良い評判を得られたのではと思います。
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