政治制度・統治機構

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新書 「世論」 W・リップマン 星2つ 下巻

1. 世論(下巻) アメリカの伝説的ジャーナリスト、ウォルター・リップマンがマスメディア時代の「世論」について記した評論エッセイ。上巻に続いて下巻の紹介です。上巻の記事はこちら。 2. 目次 第5部 共通意志の形成第6部 民主主義のイメージ第7部 新聞第8部 情報の組織化 3. 感想 下巻でリップマンが強調するのは、人々が関心を寄せ、物事を具体的に理解できる範囲の小ささと民主制の理想とのギャップです。 上巻の記事でも述べた通り、人々の思考能力は身近な問題でしかそれを完全に発揮することはできません。村人全員が村のことをよく知っているような状態では確かに、村人たちは村のことについて具体的に考え、物事を決めることができるかもしれません。そして、それこそが当初、民主制の理想を思い描いた人々の頭にあった政治の姿だとリップマンは述べます。 しかし、国全体のレベル、あるいは外交を含めた世界全体のレベルとなると、マスメディアからもたらされる断片的な情報に自らの経験から成るステレオタイプを重ね合わせ、偏った想像力から状況を理解することしかで...
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新書 「世論」 W・リップマン 星2つ 上巻

1. 世論(上巻) 20世紀を代表するジャーナリストの一人、ウォルター・リップマンによって著された評論エッセイで、タイトル通り「世論」について取り扱っております。華々しい経歴を持つリップマンですが、「ステレオタイプ」という言葉を世に根付かせたと書けばその偉大さが伝わるのではないでしょうか。新聞・ラジオ・テレビという近代型メディアの登場と民主主義の組み合わせが人々の世界に対する「見方」をどのように規定していくのかという箇所に論の重点がおかれ、人々が抱いてしまうバイアスの傾向について現代にも通じる鋭い指摘を行っております。 「評論エッセイ」と表現しました通り、かなり散漫で体系だっていないのが決定的難点ですが、それでも1922年という発表年を考えるとその叡智は驚くばかり。「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という警句の示す通り、社会に対する考え方が纏まってきた時期に読むと「自分の考えなど車輪の再発明にすぎないなぁ」と思ってしまうこと請け合いです。 2. 目次 第1部 序第2部 外界への接近 第3部 ステレオタイプ 第4部 さまざまの関心 3. ...
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【雑感まとめ】教養書 「福祉資本主義の三つの世界」 エスピン=アンデルセン 星4つ

1. 福祉資本主義の三つの世界 以前に紹介した教養書、エスピン・アンデルセンの「福祉資本主義の三つの世界」ですが、読みながらぼんやりと思ったことを備忘のために記事にしておこと思います。 福祉資本主義の三つの世界 (MINERVA福祉ライブラリー) posted with ヨメレバ イエスタ エスピン‐アンデルセン ミネルヴァ書房 2001-06-01 Amazon Kindle 楽天ブックス
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教養書 「福祉資本主義の三つの世界」 エスピン=アンデルセン 星4つ

1. 福祉資本主義の三つの世界 アメリカやイギリスなどのアングロサクソン諸国、ドイツやフランスなどの大陸欧州、スウェーデンやフィンランドなどの北欧諸国。同じ先進国と呼ばれていても、これらの国がそれぞれ大きく異なる政策パッケージを実施していることは政治に関心のある人間ならばぼんやりとは感じているでしょう。しかし、それらの国々の特徴を厳密に区分する指標はいったい何なのでしょうか。もちろん、イメージ論で語ることはできましょうし、個別具体的な政策についてはそれぞれの専門及び関心ある分野で様々な議論があるのだとは思います。ただ、数理的にこれといった境界線を示せと言われるとなかなか困ってしまうことも多いのではないでしょうか。 そんな「先進国(=福祉国家)の分類」について論じた、現代の古典といえるのが本著であります。様々な分野の学術書で頻繁に引用されるため、題名を目にしたことはあるという人も多いと思います。 感想としては、これを引用するような文献を読む人は目を通すべきといったところでしょうか。福祉国家が変容していく中で永続的に古典であり続けるかどうかは分かりませんが、まだ決して色褪せてはいない著...
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教養書 「有権者の選択」 平野浩 星2つ

1. 有権者の選択 以前に紹介した「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」と同じく、アンケート調査から日本の有権者の投票行動を研究する本です。「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」は「政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究」というシリーズでまとめられているのに対し、本書は「変動期における投票行動の全国的・時系列的調査研究」シリーズの一つとして刊行されています。とはいえ、その二つの研究が看板を変えただけの続きものになっているのが実質らしく、むしろ継続性のある統計データとして双方の中で扱われているくらいです。 しかし、本書は星を一つ下げて星2つとしています。理由は「データや統計結果に驚きや新鮮さがないこと」と「論全体に有用で核心的な主張がないこと」です。データセットに近いという点では「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」と同じなのですが、それでも、投票行動についてうまく「説明している」とは言い難い、ピントを外した統計処理の当て方や文章での論証がされているように感じました。 有権者の選択―日本における政党政治と代表制民主主義の行方 posted with ヨメレバ ...
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教養書 「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」 山田真裕 星3つ

1. 二大政党制の崩壊と政権担当能力評価 「政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究」という日本の有権者の投票行動を研究するプロジェクトがあり、その研究成果をまとめたシリーズの一つが本書です。著者は関西学院大学の山田真裕教授。 どのような有権者がどのような考え方をもとに投票行動を行ったかを解き明かすというのが一応の主題ですが、特定の主張をするための本というよりも、上述の調査に寄って得られた生データ・アンケート結果の統計処理後データインデックスのような役割が強いように思えます。いくつかは興味深い分析結果があり、イメージ論で政治を語る前に読んでおきたい一冊です。 二大政党制の崩壊と政権担当能力評価 (〈シリーズ〉政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究) posted with ヨメレバ 山田 真裕 木鐸社 2017-06-01 Amazon Kindle 楽天ブックス
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新書 「入門 公共政策学」 秋吉貴雄 星3つ

1. 入門 公共政策学 「政治学」や「行政学」とは似て非なる学問領域、「公共政策学」への入門書。学際的であり、問題解決を目的であることを強調しつつ、様々な事例を通じて公共政策学の片鱗に触れることができます。 一つ一つの事例は面白いものもあるのですが、やや体系に欠けるところがあり学問分野への「入門」のわりにリテラシーも要求されるものになっていました。 入門 公共政策学 - 社会問題を解決する「新しい知」 (中公新書) posted with ヨメレバ 秋吉 貴雄 中央公論新社 2017-06-20 Amazon Kindle 楽天ブックス
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教養書 「分裂と統合の日本政治」 砂原庸介 星4つ

1. 分裂と統合の日本政治 小選挙区比例代表並立制の導入を含め、90年代に行われた統治機構改革以降、一時は民主党が政権を獲得することもありましたが、自民党以外は離合集散を繰り返しているのが実態です。 また、この間には、減税日本や大阪維新の会、都民ファーストなど、国政ではなく地方に基盤を持つ政党も力を持ち始めました。このような政党の変動や盛衰がなぜ起こったのか、それを政党をとりまく制度から説明しようと試みているのが本書です。 自民党の強さの理由、民主党をはじめとした野党が力を持てないのはなぜか。それを、制度面から冷徹に議論する名著だと思いました。 分裂と統合の日本政治 ― 統治機構改革と政党システムの変容 posted with ヨメレバ 砂原 庸介 千倉書房 2017-07-10 Amazon Kindle 楽天ブックス
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教養書 「日本の中央―地方関係」 市川喜崇 星4つ

1. 日本の中央―地方関係 地方分権が叫ばれて久しい今日ですが、政治学では昔から「集権」「分権」は大きなテーマでした。そして、2012年に刊行された本書は、著者も認めるところの、これまでの通説に正面から斬ってかかった著作となっております。戦後日本は「明治以来の集権体制」なのか「分権の進んだ民主国家」だったのか。その切り分けがまだあなたの頭の中にあるならば、この本は十分な威力を発揮するでしょう。 日本の政治に関心がある人ならば一度は読んで欲しい本です。 日本の中央―地方関係: 現代型集権体制の起源と福祉国家 posted with ヨメレバ 市川 喜崇 法律文化社 2012-11-09 Amazon Kindle 楽天ブックス
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教養書 「現代日本の官僚制」 曽我謙悟 星4つ

1. 現代日本の官僚制 日本を代表する行政学者の一人、曽我京大教授の著書です。 統計学的手法を駆使し、政治制度が官僚制に与える影響を分析するというあまりこれまでには見られなかった試みがなされております。 モデルやデータの取り方、相関関係をあまりに重視しすぎた論考には疑問点もありますが、このような手法で政治を分析するやり方はたいへん面白いと感じました。 現代日本の官僚制 posted with ヨメレバ 曽我 謙悟 東京大学出版会 2016-12-24 Amazon Kindle 楽天ブックス
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教養書 「地方自治入門」 稲継裕昭 星3つ

1. 地方自治入門 早大の公共経営大学院教授や放送大学教授を務められている稲継裕昭氏の著書です。 自治体運営を専門にしているだけあって、自治体の構造や依拠する制度を知るにはたいへんためになる本です。必要な情報がコンパクトにまとめられ、文章も読みやすく書かれています。 新事実を発見したり、新しい概念を築くために深く分析する類の本ではなく、あくまで概説書なので★5や★4はつけづらいところはあります。しかし、載っていることはそれらの本を読むために前提知識であり、この本抜きにはどんな自治体関係の本を読んでも理解が浅くなってしまうかもしれません。 この分野に興味のある方になら一読を勧められる良書です。 地方自治入門 (有斐閣コンパクト) posted with ヨメレバ 稲継 裕昭 有斐閣 2011-08-26 Amazon Kindle 楽天ブックス
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