小説 「響け! ユーフォニアム2」 武田綾乃 星2つ

響け! ユーフォニアム
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2. あらすじ

京都府大会を突破し、関西大会の出場権を得た北宇治高校吹奏楽部。練習に励む久美子たちだったが、ある日突然、傘木希美という二年生が部への復帰を申し出る。

実はこの希美、一年前にあった部員大量退部事件で退部した一人だった。

復帰を望む部員もいるものの、副部長であるあすかは希美の復帰をかたくなに拒否する。そこには一年前に起こった事件の残響と、フルートの名手である二年生、鎧塚みぞれが関係しているようで……。

吹奏楽部ならではの濃密な人間関係と交錯する感情。北宇治は無事関西大会を乗り切ることができるのか……。

3. 感想

ライトノベル隆盛以来、特に青春ものに関してはどこまで現実志向とするかが重要視されていると思います。完全に妄想全開な小説もそれはそれでよいと思いますし、逆にリアル路線の人間ドラマもまた共感と感動を誘うでしょう。

その意味で、この「響け!ユーフォニアム」という作品は、後者の要素こそ独自性であったはずです。

若者らしい瑞々しい筆致で描きながら、それは妄想的な軽さではない。微妙な感情の揺らめきであったり、練習と実力の現実であったりが反映されているからこそ、熱い物語になっていたはずです。

しかし、「北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏」と銘打たれたこの2巻こそ、その熱さが失われてしまっています。主題となっているのは、社交的な希美と、内気なみぞれとの友情。しかし、その形、内容はあまりに非現実的で、ラノベ的な演出が作風を乱してしまっており、辟易させられます。

二人の仲が修復されるシーンも、まるで安っぽいドラマを見ているようです。

リアル路線が推しどころである限り、もっと繊細で切ないシーン運びこそ、この小説における人間関係に求められているはずです。

正直、いまいちでしたが、アニメと前巻からの名残で星2とします。

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