新書 「中国経済講義」 梶谷懐 星3つ 序章・第1章
1. 中国経済講義 既に中国のGDPが日本のGDPを抜いて久しく、世界の名目GDPの16%を占めるまでになった中国経済。インバウンドで観光客として来日する姿を見ると、立場は明確に逆転したのだなぁと感じてしまいます。中国経済の存在感は外交の舞台でも強く発揮されておりまして、現在進行中の米中貿易協議などはまさに象徴的。アメリカに負けず劣らずの存在感を見せるIT企業群の動向やそれに対する西側諸国の反応、一帯一路を合言葉として世界中にばら撒かれる投資マネーなど、中国経済ニュースを目にしない日はありません。 しかしながら、他の国の経済が好調とあらば粗探しをしたくなるのが人間の性というもの。隣国であればなおさらという訳なのか、インターネット上では中国を一方的に見下す論調の記事が溢れかえっておりますし、書店でも中国経済「崩壊」などの文字が躍る本が平積みされています。 そんな中、中国経済の「現在」について、特に世間的注目が高い分野を中心にそつなく説明しているのが本書の特徴。極端な理論にのめり込んでしまっている人にとっては「一顧だにする価値もない」書籍でしょうし、極端に触れないよう心...
2019.01.27
経済・金融・経営・会計・統計☆☆☆(教養書)