小説 「イワンのばか」 トルストイ 星2つ

イワンのばか
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1. イワンのばか

「戦争と平和」「アンナ・カレーリナ」等の作品で有名なロシアの文豪トルストイの寓話。

富を求めることや暴力に疑義を呈し、素朴な信仰に基づく生活がよいという直截なメッセージはわからなくもないですが、なにぶん、単純な勧善懲悪すぎて「もうちょっと工夫してくれよ」と思ってしまう作品でした。

2. あらすじ

とある国のとある場所。軍人の長男セミョーン、商人の次男タラース、ばかの三男イワン、啞の妹マルタがいた。ある日、悪魔が遣わした二匹の小悪魔のために、セミョーンとタラースは軍隊と財産を失い、イワンのもとへ身を寄せる。

一方、イワンに遣わされた小悪魔はイワンが腹痛中でも農作業を続けるため目論見に失敗。逆に、三匹の悪魔はイワンの純真さのために捕らえられ、イワンに贈り物をして消えていく。兄たちはイワンにその贈り物を使って軍隊や財産をつくるように要求し、そのおかげで王様となる。しかし、イワンだけは農民として朴訥とした生活を送るのだった。

やがて、イワンが住む国の王女が病気だという噂が立ち……。

3. 感想

純朴で底抜けの優しさと素直さを持つイワンが欲深い兄たちよりも結局は豊かになっていく。それでも、彼は勤労者であることをやめない。そういう童話/寓話風のお話です。

童話なので、悪魔の設定も雑ですし、全体的に展開は唐突。とりあえず、作者の言うことを鵜呑みにするほかありません。トルストイという作者自身が持っている思想的深みはわかるのですが、これではその表層をなでるだけなのではないでしょうか。

ただ、ロシアの民話はこんな感じなんだなぁというのが分かるところは面白い。勧善懲悪、真面目礼賛の民話はどの国にもありますが、信仰や悪魔が出てくるのはロシアらしいです。

トルストイがとても好き、あるいはロシアの文化に民話から触れたいという人にはオススメです。

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