小説 「O・ヘンリ短編集(三)」 O・ヘンリ 星3つ

O・ヘンリ短編集
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1. O・ヘンリ短編集(三)

ウィットに富んだ物語で読者をひきつけるアメリカの作家、O・ヘンリの作品集その3です。その2の感想はこちら。

小説 「O・ヘンリ短編集(二)」 O・ヘンリ 星3つ
1.O・ヘンリ短編集(二)著名なアメリカの短編作家、O・ヘンリの作品集その2です。その1の感想はこちら。温かく切ない作風は相変わらず良いものです。特にこの(二)には彼の最高傑作である「賢者の贈り物」が収録されており、それだけでも読む価値があります。二十世紀初頭のアメリカを旅する気分にさせてくれる小説です。O・ヘンリ短編集 (2) (新潮文庫)posted with ヨメレバO・ヘンリ 新潮社 1969-03-07AmazonKindle

前2巻に比べるとやや威力は落ちるものの、それでも作品から漂う風格と哀愁にはただならぬものがあります。

2. あらすじ

・最後の一葉

ワシントン・スクエアの一角には売れない芸術家たちの集まる町がある。ジョンジーとスウも漏れなくその仲間であり、毎日せっせと絵を描いていた。そんなある日、ジョンジーは重度の肺炎を患ってしまう 医者曰はく、彼女にはなによりも生き続けようという気力が足りないという。

しかし、ジョンジーは窓の外に見える家の壁面に這う蔦の葉を数え、その最後の一枚が落葉したとき自分も死ぬとまで言ってしまう。一方、彼女たちの階下に住むベアマン老人は、いつか傑作を書くと言いつつも酒におぼれる生活を送っていた。

そんな芸術家の町に、嵐の夜がやってきて……。

・都会の敗北

田舎生まれ、田舎育ちのロバート・ウォームズリー。しかし、彼は都会で洗練され、立派な紳士となっていた。そんなロバートは、ついに社交界の花形であるアリシアを花嫁とすることに成功する。新婚旅行からも華々しく凱旋し、栄光の絶頂にあるロバート。

そんなウォームズリー夫婦はある日、ロバートの故郷へ帰ることとなる。郷愁を誘う農村の風景と、純朴な村人たち。

それを目にしたロバートがとった行動とは……。

3. 感想

短編なのに読み応えのある作品が多いです。この「短編集(三)」ではやや単調な物語もありますが、だからこそ、人間の生きざまが純粋な形で立ち現れています。

特に面白かったのは上記2作品。

「最後の一葉」はありがちな人情話ながら、貧しくも夢を追う人々だけが持つ輝きや、夢破れた者でも為すことができる人としての栄光が見事に描かれています。風にさらわれて儚く揺れる蔦の葉が物語の繊細さを引き立てます。

「都会の敗北」もありがちな話ですが、やはり描写が秀逸。都会の「気取り屋」だったロバートが田舎で大はしゃぎするシーンの躍動感は見事。アリシアの最後の台詞もベタながら胸がじんとなること間違いなしです。

読書家ならば、ぜひ、シリーズの⑴~⑶を全てを手に取っていただきたいです。

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