小説 「変身」 カフカ 星2つ

変身
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1. 変身

「審判」「城」などでも有名なフランツ・カフカの作品です。

降りかかる不条理に対して主人公が何を思い、どう行動するか。そして、それを取り巻く家族の反応とその悲しい結末。そのような描写は鋭くかつユーモアに富んでおり、文学界に新風をもたらしたのは理解できるのですが、物語の展開が「当然の結末」だらけで意外性がなく、その点の面白さが欠ける小説でした。

2. あらすじ

ある朝目覚めると、グレゴール・ザムザは一匹の巨大な虫に変身していた。真面目な勤め人だったグレゴール。失業中の父の代わりに一家を支え、妹を音楽学校へと進学させるべく辛い仕事に耐えていた。

しかし、変身してしまった彼を家族は恐れるようになる。妹のグレーテだけがかろうじて世話をしてくれるものの、グレゴールの人間性は次第に失われていく。一家の生活も困窮していき、父親も勤めに出ることに。そして、家の一部を間借りさせることにしたザムザ一家。

ある日、間借り人をグレーテがバイオリンでもてなしていると、そこにグレーゴルが降りてきて…….。

3. 感想

読む人によって様々な比喩を想起させる作品です。突然、大病を患って要介護になってしまった人や、働き過ぎて精神病になってしまった人。あるいは、不登校やニートも連想できるという主張。

少しネット上を廻っただけでも様々な見解がありました。

そのどれもが正解なのでしょう。ある日突然、あるいは徐々に「変身」してしまった人々の苦悩、そして周囲の反応は現代にも通じるものがあると思います。

しかし、問題なのはただ「通じる」だけだという点。

家族が変身したグレーゴルを忌み隠そうとし、最終的には見捨てて新しい生活を始める。悲劇的かつ暗いユーモアが引き立つ展開ですが、あまりにも当然すぎる物語です。

読者の心を揺さぶったり、人生観に疑問を投げかけたりするような、そういった役割を微塵も果たそうとしていない作品です。その意味で、読者は上述した「変身」に深い思い入れがある人々に限られてしまいます。

普遍性という、文学や小説にとって重要な要素、一般の読者にも多くの示唆を投げかける要素が欠けているのです。

評価されている理由はわかりますが、誰にでもオススメできるという意味で星を多くすることはできない作品でした。

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