小説 「O・ヘンリ短編集(二)」 O・ヘンリ 星3つ

O・ヘンリ短編集
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1. O・ヘンリ短編集(二)

著名なアメリカの短編作家、O・ヘンリの作品集その2です。その1の感想はこちら。

小説 「O・ヘンリ短編集(一)」 O・ヘンリ 星3つ
1. O・ヘンリ短編集(一)19世紀に活躍した短編の名手、O・ヘンリの作品集です。アメリカの都会に生きる人々の哀愁と情緒あふれる生活がシニカルさと人情味をもって描かれている、そんな作品たちでした。O・ヘンリ短編集 (1) ...

温かく切ない作風は相変わらず良いものです。特にこの(二)には彼の最高傑作である「賢者の贈り物」が収録されており、それだけでも読む価値があります。

二十世紀初頭のアメリカを旅する気分にさせてくれる小説です。

2. あらすじ

・「賢者の贈り物」
粗末なアパートに住む若い夫婦、ジムとデラ。世間はクリスマスを目前に控えてはいたが、二人にはプレゼントを買うお金がない。二人が持っている価値あるものはただ二つ。ジムの立派な金時計と、デラの美しい髪。

そして、二人がクリスマスプレゼントに選んだものとは……。

・「うしなわれた混合酒」
酒場のバーテンであるコンはいたって真面目な青年。真面目過ぎて、女性の前ではろくに口もきけないほど。ひそかに慕うギャザリンに出会っても、口下手にどもりながら天気の話を持ち出すばかり。そんなコンをよそに、バーではライリィとマッカークという二人組が裏の部屋を借り受けて酒をでたらめに混ぜていた。

二人はかつて偶然に創り出した名酒を再現したいのだという。それは、過去にニカラグアを制したという混合酒。

「水よりキツイものは飲まない」と酒を断るコンだったが…….。

3. 感想

各話の面白さは(一)にやや劣るかもしれません。

それでも星3つを維持したのは、ひとえに「賢者の贈り物」があるからです。非常にベタな展開とベタなオチなのですが、かえってこの展開とオチがこれ以上に適切な文章と文量で書かれ得る気がいたしません。

人間の持つ優しさ、温かさ、人を想う気持ちにこれ以上のものはないでしょう。まさに「賢者の贈り物」です。

その他では「あらすじ」に挙げた「うしなわれた混合酒」が面白いです。偶然できたお酒をなんとか復活させようという現代の大学生もやりそうなことに、純朴な青年をうまく絡めています。お酒ができた経緯やその効果の説明もひょうきんでよく練られており読み応えのある作品になっています。

この短編集では「賢者の贈り物」が先頭になっていることもあり、立ち読みでもいいのでぜひ手に取っていただきたい作品です。

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