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【雑記】Virtual Youtuber 「月ノ美兎」について熱量をもって語りたい

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4. "月ノ美兎"の魅力

それでは、ようやく本旨になりますが、上述のようなキャラクター性を持つ彼女をなぜ私が応援しているか、その魅力という点について語っていきたいと思います。

まず第一の魅力は、彼女がインターネット老人会出身のトッププロだからです。

上述の通り、月ノ美兎は相当程度「インターネット」的な笑いを軸にしてYoutubeでの配信を行っております。

概ね10年以上前の、過去の時代のインターネットを知っている人たちによる思い出語りのことをその界隈では「インターネット老人会」と呼んだりもするのですが、月ノ美兎はそんな文化の中から排出され、「インターネット」的な笑いでプロとしてお金を稼ぐ存在です。

もちろん、いわゆる「かつてのインターネット」出身でいまやメジャーな場所で活躍している人は多くいます。

歌い手、ボカロP、ゲーム実況者、 同人作家など、枚挙に暇がないでしょう。

ただ、この人たちはそれぞれ、歌の上手さ、楽曲作成の上手さ、ゲームの上手さ、漫画描きの上手さといった、世間一般に通じる技能(線引きが微妙かもしれませんがここではe-sportsを含む)により成り上がっていった人たちです。

決して、鈍色の陰影を伴う「インターネット」的な笑いを武器にしているわけではありません。

そんな存在は、唯一、月ノ美兎を置いて他にないのだと思います。

確かに、「オモコロ」のように、「かつてのインターネット」的なノリを意識しているようなエンターテイメント発信機関も存在しています。

しかし、それでもなお、どこか「世間一般」を意識したような側面があるのは否めません。

その意味でやはり、月ノ美兎は特異な存在であると言えるでしょう。

オモコロ あたまゆるゆるインターネット
暇つぶしにピッタリの漫画や記事を毎日のように配信しています。いくら読んでも無料、そしていくら読んでも頭がよくなりません。

しかも、彼女は単なる「インターネット老人会出身のプロ」ではありません。

「トッププロ」なのです。

彼女の活動ぶりには「トップ」という称号を点けざるを得ない理由が二つあります。

第一の理由は、月ノ美兎が徹底して穏健派であることです。

「インターネット」的な笑いを目指すにしても、それを茶化したり誇張したりして、過激に、炎上覚悟のような演出をすることだってできるでしょうし、そちらの方が短期的には人気が出るかもしれません。

しかし、彼女はそれをしません。むしろ、それがどれだけ「インタ―ネット老人会」ではない人達にも伝わるのかという点についてかなり慎重に検討しながら物事を進めているように感じられます。

かつて「インターネット」に嵌った人たち向けというわけではなく、「かつてのインターネット」なんか知らないけれど、それでも、十年、二十年、三十年早く生まれていればきっと「かつてのインターネット」に嵌ったであろう人たち、ちょっとシニカルでインモラルで、だけれども、どこか人間社会の本質を突いている気がして、くすりともゲラゲラとも笑えるあの笑いを現代に蘇らせようとしている気がします。

偉ぶって古参トークに花を咲かせ、信者を囲い込んで思い出話と最近のインターネット批判をしていれば彼女にとってどれほど楽でしょう。

しかし、彼女は楽な方向に逃げたりはしません。

「インターネット」的な笑いの価値や本質をそのままにしつつ、それをより普遍的なものに昇華させようとしているように見えます。

体験レポートでは一般社会にその観察眼やコメント力を持ち込むことによって、Yourubeという枠を飛び越えた活動(テレビやラジオ出演)では「インターネット」を無理なく紹介しようとする穏やかで抑制的なトークによって、それが発揮されているように感じます。

実際、月ノ美兎がVtuber事務所「にじさんじ」の同僚と一緒にラジオ出演する際には、同僚があまりにもVtuber界隈特有の発言をした際に彼女が積極的にかみ砕いた説明をしたり丸く収めた表現で言い直したりしている場面が多くみられます。

テレビ出演のときなんかは「無難な受け答えの中でちょっとだけ『インターネット』を滲ませよう。まずはそれでいいんだ」という意気込みさえ感じるような気がするのです。

「インターネット」に誇りと愛着を持ちながらも、非インターネット世界へのリスペクトを忘れず、邪道としてではなく王道としてそれを普及させていこうとする姿はまさに宣教師のそれなのではないでしょうか。

インターネット世界あるいは非インターネット世界のどちらかにだけ引きこもって別世界への批難や文句を垂れ流すという安易な道には進まず、厳しい調整の中で身を削って奮闘しようとする姿に私は感動を禁じえません。

そして、穏健派でありなおかつ普遍性を追求し、安易な環境に引きこもろうとしないという要素は彼女の配信の中にも如実に表れています。

スパチャを拾うことは稀ですし(スーパーチャットの略。Youtube上の投げ銭システムで、スーパーチャットをしてくれた人の名前読み上げや投げ銭とともに投げられたコメントへの返答(=スパチャを拾う)を重視するVtuberもいる)、インターネット玄人特有の慎重な言い回しで他者への人格攻撃や差別発言を避けていることも配信を聞いていれば分かります。

そういうリテラシー、はっと気づく思考はまさにあの頃のインターネットが涵養したものだと言えるのかもしれません。

それでいて、理不尽なアンチ的行動に対しては単に声を荒げるのではなく、厳しくてかつ有効な手段を模索していることも伺えます。

インターネットという空間においては冷静かつ穏健であることこそ難しく、自分がそうあろうとしていても他者からもそう見られるのは難しい。

人気者であればるほど難しくなる。そういう自覚が非常に強いと見受けられます。

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