オールタイムベスト 「小説」

高評価小説一覧

当ブログをご覧いただきありがとうございます。

記事数が多くなってまいりましたので、そろそろお薦め作品を纏めた記事があってもよいだろうと思い、本記事を作成することにいたしました。

全体的に辛い評価が多いと思われる当ブログですが、本記事で紹介するのは珠玉の名作ばかり。

是非、紹介記事をご覧いただき、その魅力に気づいて頂ければと願っております。 

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「イリヤの空、UFOの夏」 秋山瑞人 星5つ

【夏休みの延長戦、少年と少女の逃避行】

「イリヤの空、UFOの夏」秋山瑞人 評価:5点|ひと夏の出会いと別れ、熱くて爽やかで切なくて物悲しい青春小説の傑作【ライトノベル】
夏になったら必ず読み返す、素晴らしい作品です。ボーイ・ミーツ・ガール、ひと夏の思い出、そしてUFOとくれば心をくすぐられる名作の匂いしかしないのですが、まさにその期待を裏切らない、ライトノベルが生み出した金字塔の一つと言えるでしょう。あらすじ夏休み最終日、「めちゃくちゃ気持ちいいんだぜ」と誰かが言っていたことを思い出した浅羽直之は自分が通う中学校のプールに忍び込む。しかし、そこには先客がいた。ご丁寧にもスクール水着に水泳帽という姿でプールサイドにいた少女は泳ぎ方を知らず、浅羽は水泳を教えることになる。「いりや、かな」と名乗ったその少女は、なんと翌日、「伊里野加奈」として園原市立園原中学校へ転校してきたのだ。もちろん、単なる転校生のはずがなく、その少女には大きな秘密があって......。緊迫する世界情勢と、「北」への爆撃再開。個性豊かなクラスメイト達と、学校非公認の新聞部。ちょっと「おかしな」現代を舞台に、ひと夏の冒険が始まる。感想全四巻で完結しており、第1巻~第3巻の途中までは、転校してきたちょっと変わり...

「砂の女」 安部公房 星5つ

【世界で評価された日本純文学の最高傑作】

「ディアナ・ディア・ディアス」 新井素子 星3つ

【純血の王位をめぐる異色のファンタジー】

「砂漠」 伊坂幸太郎 星3つ

【楽しく切なく愛おしい大学生活】

「あすなろ物語」 井上靖 星3つ

【少年が若者になる過程を詩情豊かに描く】

「僕と1ルピーの神様」 ヴィカス・スワラップ 星4つ

【スラム街出身の少年が過酷な青春を駆け上がる】

「すいかの匂い」 江國香織 星3つ

【少女だったあの頃。ノスタルジック短編集】

「博士の愛した数式」 小川洋子 星3つ

【80分しか記憶がもたない博士と少年の交流】

「暗いところで待ち合わせ」 乙一 星4つ

【視覚障がい者の女性と殺人容疑者の切ない友情】

「夏と花火と私の死体」 乙一 星3つ

【死体を運ぶ幼い兄妹。17歳のデビュー作】

「O・ヘンリ短編集」 O・ヘンリ 星3つ

【アメリカの都会を舞台にした傑作短編集】

「夜のピクニック」 恩田陸 評価:4点

【密かな決意を胸に、少年少女の夜間歩行が始まる】

「六番目の小夜子」 恩田陸 星3つ

【恩田陸のデビュー作。魅惑の学園ファンタジー】

「日の名残り」 カズオ・イシグロ 星5つ

【ノーベル賞作家の名品。英國執事の後悔と再生】

「異邦人」 カミュ 星3つ

【狂気と不条理と真理。ノーベル賞作家の代表作】

「夜間飛行」 サン・テグジュペリ 星3つ

【「飛行機」の黎明期を生きたパイロットたち】

「アリソン」 時雨沢恵一 星3つ

【「銃と戦闘機」の世界、少年少女の冒険譚】

「1984年」 ジョージ・オーウェル 星3つ

【全体主義ディストピア小説の古典的名作】

「スタンド・バイ・ミー」 スティーヴン・キング 星3つ

【少年時代ノスタルジー小説の代名詞的傑作】

「推定無罪」 スコット・トゥロー 評価:3点

【愛憎乱れるアメリカ式法廷サスペンスミステリ】

【波乱の法廷サスペンス】小説「推定無罪」スコット・トゥロー 評価:3点【海外ミステリ】
現役弁護士にして元検事補、作家としても活躍するスコット・トゥローの代表作。ニューヨーク・タイムズの年間ベストセラーリストでは1987年の7位に入り、映画も2億ドル以上の興行収入を得るなど、当時の大ヒット作となった小説です。殺人事件の捜査をしている主席検事補の主人公が、なんとその殺人事件の容疑者として起訴されてしまうという物語。真犯人は誰なのか、というミステリ的な側面はもちろんのこと、米国独特の司法制度のもとで行われる劇的な裁判の展開や、汚職や不倫といったドロドロ要素溢れるサスペンスが興奮をそそります。あらすじ舞台はアメリカの田舎町であるキンドル郡。地方検事局のトップを務める地方検事を決める選挙の真っ最中であり、現職のレイモンド・ホーガンと新人の二コ・デラ・ガーディアとの選挙戦は大接戦となっている。そんな折、キンドル郡及び郡地方検事局を揺るがす殺人事件が発生してしまう。キャロリン・ポルヒーマス検事補が何者かに殺害されてしまったのだ。この事件を見事解決に導いて得点稼ぎをしたいレイモンドは、腹心の部下であるラス...

「ビルマの竪琴」 竹山道雄 星3つ

【戦争のやりきれなさと、ある上等兵の決意】

「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス 星3つ

知性を得た元知的障がい者の幸福と苦悩

「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス 評価:3点|特別な手術を受けた知的障害者が直面する知性の幸福と傲慢の悲哀【古典SF小説】
アメリカのSF作家、ダニエル・キイスの作品で、1959年に中編として、そして1966年には長編に書き直されて発表されています。ネビュラ賞とヒューゴー賞という権威ある賞を受賞しており、日本でも2015年に新版が出るなど、定評ある古典として読まれ続けています。感想としては、「手堅い名作」という印象。斬新な設定で唯一無二の地位を確立しており、特殊な題材ながら人を選ばない筆致には素晴らしいものがあります。一方で、これほど突飛な設定ながらあと一押しとなるようなどんでん返しなどがないところはやや肩透かしでありました。あらすじチャーリィ・ゴードンは知的障がい者で、ビークマン大学知的障がい者成人センターに通いながらパン屋で下働きをしている。読み書きも碌にできない彼だったが、ある日、ビークマン大学の二―マー教授とストラウス博士からある実験への協力を求められる。それは、チャーリィの知能を劇的に高める手術のドナーになって欲しいというものだった。賢くなりたい、賢くなればもっとみんなの期待に応え、仲良くなれるはずだと考えていたチャーリィ。...

「細雪」 谷崎潤一郎 星3つ

零落する旧家の娘たち、恋愛と婚活の悲哀

「時をかける少女」筒井康隆 星3つ

【名作映画の原作、時間移動学園SFの古典】

「李陵・山月記・弟子・名人伝」中島敦 星4つ

【「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の葛藤】

小説 「李陵・山月記・弟子・名人伝」 中島敦 星4つ
1. 李陵・山月記・弟子・名人伝高校の教科書掲載作品としてお馴染みの「山月記」ほか、中島敦の代表的作品を連ねた短編集です。「李陵」及び「山月記」は巻末の「参考文」にある通り実在する中国の古典を改変したもので、オリジナル作品かと問われれば結構答えに窮するのではないかと思うのですが、「山月記」の教科書掲載によりフィクション作家として多くの人に名前を知られているのが中島敦という小説家です。「山月記」はやはり名作で、多くの(国語・文学好きの)心を掴んで離さない作品としてこれからも輝き続けるのだろうと思わされました。それ以外では「名人伝」がそれなりに楽しめましたが、そのほかの作品は淡々とし過ぎてあまりよく分からなかったというのが正直な感想です。2. あらすじ・名人伝紀昌という男が天下一の弓の名人を目指し飛衛という名手に弟子入りする。しかし、飛衛は紀昌に弓を持たせず、基礎訓練として瞬きをしない訓練や視力を上げる訓練を命じるのだった。紀昌は素直に従い、鍛錬を続けること五年、ついに飛衛から奥義伝授を許可され、瞬く間に腕前を上げていく。最後には飛衛との弓...

「こころ」夏目漱石 星3つ

【分かりあえない「こころ」のすれ違い】

「こころ」夏目漱石 評価:3点|若き日の恋愛譚を題材に世代間の価値観相克を描いたベストセラー小説【古典純文学】
日本文学を代表する作家、夏目漱石のそのまた代表作といってもよいでしょう。長年の高校教科書掲載作品としても有名で、書籍を手に取って読んでみたことがないという人でも教科書掲載部分の内容くらいはなんとなく覚えているのではないでしょうか。また、累計発行部数は700万部を超えており、日本で最も売れている小説であることから、書籍として手に取り通読したことがあるという人もそれなりにいるのだと思います。そんな本書は恋愛の三角関係が物語後半の枢要を占めることもあり、殊更に恋愛小説面を強調したプロモーションがかけられることも多いように感じられます。しかし、本書の主題は「時代の趨勢と人々の『こころ』」であり、漱石自身もそれを意識して書いたという解釈が通説となっております。派手なアクションシーンや意外などんでん返しなどがあるわけではなく、ぐいぐい感情を揺さぶられるというわけではありませんが、手堅い面白さのある作品です。あらすじ東京帝国大学の学生である「私」は夏休みに訪れていた鎌倉の海岸で「先生」と出会う。ひょんなことから「先生」との交流...

「悲しみよこんにちは」フランソワーズ・サガン 星4つ

【夏のバカンスで少女は「悲しみ」を知っていく】

小説 「悲しみよこんにちは」 フランソワーズ・サガン 星4つ
1. 悲しみよこんにちは20世紀後半に一時代を築いたフランスの小説家、フランソワーズ・サガン。その代表作が処女作である「悲しみよこんにちは」です。1954年に出版されるとたちまち世界的なベストセラーとなり、サガンをしてデビュー作でいきなり一流作家の仲間入りを果たさせた名作となっております。そんな高い前評判に違わず、素晴らしい小説でした。非の打ちどころのない情景描写と心理描写に魅了されます。河野真理子さんの翻訳も絶品で、小説における美しさや切なさ描写の極致を極めた作品の一つと言っても過言ではないでしょう。2. あらすじ主人公のセシルは17歳。父親であるレエモンとの父娘家庭育ちである。といっても、レエモンは実入りの良い職業についていて、もう40歳を超えるというのにパリの社交界で女性をとっかえひっかえしている奔放な男性。そんな父に連れられ、セシルも遊びばかりを覚えてこの年まで育ってきた。17歳の夏、セシルは父とともにコート・ダジュールの別荘を訪れている。父の愛人であるエルザとの仲は良好なうえ、海岸ではシリルという大学生と出会って恋仲になった。...

「老人と海」ヘミングウェイ 星4つ

【老漁師と巨大魚の対決 武骨な冒険小説】

「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ 星3つ

【無惨に圧し潰された優等生の青春】

「蹴りたい背中」 綿矢りさ 星4つ

【「スクールカースト」時代を予見した青春小説】

「蹴りたい背中」綿矢りさ 評価:4点|スクールカーストを題材に青春の焦燥を描いた現代学園小説の古典【青春純文学】
高校在学中にデビューし、史上最年少で芥川賞を獲った超有名女性作家、綿矢りささん。その芥川賞の受賞作が、印象深いタイトルの本作品です。感想を一言で表しますと、「常にクライマックス」。名作を読み終えるときの、あのふわふわした興奮。最後まで読みたい、でも終わらないでという気持ちが常に胸の内から湧きおこってきます。青春時代に、少しでも疎外感や孤独を感じた、あるいは、そのようなことについて思考を巡らせたことのある人にはぜひ手に取ってもらいたい作品です。あらすじ「今日は実験だから、適当に座って五人で一班つくれ」そんな号令が飛ぶと、「余り物」になってしまう高校一年生。名前は長谷川初実、通称ハツ。そしてハツのクラスにはもう一人「余り物」がいる。オリチャンというアイドルのファンである「にな川」だ。いや、にな川のオリチャンに対する執着は「ファン」を超えている。ハツがそう評するくらい、にな川は熱狂的だ。「オリちゃんと喋ったことがある」ハツがそう言ったことをきっかけに、ハツはにな川の家に誘われるのだが.....

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