個性的な漫画家が集ったことで一部界隈では有名な週刊漫画誌、「ガロ」の執筆陣の一人であった、勝又進さんの作品集。第35回(2006年度)日本漫画家協会賞大賞を受賞した「赤い雪」が表題作です。絵柄はいわゆる「劇画」で、かつて存在した東北地方の旧い風俗がテーマとなっており、「遠野物語」に近いコンセプトと言えるかもしれません。

もちろん、そういった旧い文化の描き方は素晴らしいのでしょうが、説話的なもの、あるいは、人々の暮らしを描いたもの以上の、物語作品としての価値があったかといえば、そうではないという結論です。テンプレートのような「起承転結」や「劇的なクライマックス」を支持しているわけではありませんが、やはり人々の心を動かすための意図を持った構成がなければフィクション作品として良い評価を与えることは難しいでしょう。

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