明日も物語に魅せられて

読んだ小説や新書、教養書の書評ブログです。
アニメや映画の感想もたまに書きます。
やや辛口ですが、本当に良いものだけを
高評価にできればと思っています。




カテゴリ:漫画(評価) >

独特の絵柄と毒のあるストーリーで人気を集める漫画家、阿部共実さんの作品。「このマンガがすごい!2018オトコ編4位」という位置づけからも、ディープな漫画好きに好まれる作風が特徴といえるかもしれません。

中身を一言で表せば、「凝り過ぎて妙な方向に行ってしまった作品」。設定やストーリー、そして漫画としての表現手法まで、斜に構えた中高生が凝った作品をつくろうと思ったらこうなった、とでもいえるもので、通ぶった人々がこれを良作としてしまうことが危惧される作品でした。

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個性的な漫画家が集ったことで一部界隈では有名な週刊漫画誌、「ガロ」の執筆陣の一人であった、勝又進さんの作品集。第35回(2006年度)日本漫画家協会賞大賞を受賞した「赤い雪」が表題作です。絵柄はいわゆる「劇画」で、かつて存在した東北地方の旧い風俗がテーマとなっており、「遠野物語」に近いコンセプトと言えるかもしれません。

もちろん、そういった旧い文化の描き方は素晴らしいのでしょうが、説話的なもの、あるいは、人々の暮らしを描いたもの以上の、物語作品としての価値があったかといえば、そうではないという結論です。テンプレートのような「起承転結」や「劇的なクライマックス」を支持しているわけではありませんが、やはり人々の心を動かすための意図を持った構成がなければフィクション作品として良い評価を与えることは難しいでしょう。

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紫綬褒章を受章した少女漫画界の生ける伝説、萩尾望都。その代表作の一つとされているのがこの「ポーの一族」です。バンパネラ(バンパイア)として永遠の命を生き続ける少年エドガーを中心に、その周囲で起こる出来事をいかにも古風な少女漫画らしいファンシーさで描いた作品。1976年の小学館漫画賞少年少女部門を受賞しております。

「トーマの心臓」のレビューでは評判に恥じない文学性から星3つをつけましたが、「ポーの一族」は難解な作風の悪い面が強く出てしまっているように感じられ、悪い意味で「文学」してしまっている印象を受けました。

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「日出処の天子」等の作品がある山岸凉子さんの自選作品集。表題作にもなっている「天人唐草」も彼女の代表作に数えられることが多いようです。

少女漫画界の古豪的な地位にある著者の作品でしたが、私には合いませんでした。読解力が足りないからか、起伏のない凡庸なストーリーラインに投げっぱなしのオチであるように感じてしまいます。

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