明日も物語に魅せられて

読んだ小説や新書、教養書の書評ブログです。
アニメや映画の感想もたまに書きます。
やや辛口ですが、本当に良いものだけを
高評価にできればと思っています。




カテゴリ:新書・教養書(評価) > ★★★★

以前に紹介した教養書、エスピン・アンデルセンの「福祉資本主義の三つの世界」ですが、読みながらぼんやりと思ったことを備忘のために記事にしておこと思います。


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アメリカやイギリスなどのアングロサクソン諸国、ドイツやフランスなどの大陸欧州、スウェーデンやフィンランドなどの北欧諸国。同じ先進国と呼ばれていても、これらの国がそれぞれ大きく異なる政策パッケージを実施していることは政治に関心のある人間ならばぼんやりとは感じているでしょう。しかし、それらの国々の特徴を厳密に区分する指標はいったい何なのでしょうか。もちろん、イメージ論で語ることはできましょうし、個別具体的な政策についてはそれぞれの専門及び関心ある分野で様々な議論があるのだとは思います。ただ、数理的にこれといった境界線を示せと言われるとなかなか困ってしまうことも多いのではないでしょうか。

そんな「先進国(=福祉国家)の分類」について論じた、現代の古典といえるのが本著であります。様々な分野の学術書で頻繁に引用されるため、題名を目にしたことはあるという人も多いと思います。

感想としては、これを引用するような文献を読む人は目を通すべきといったところでしょうか。福祉国家が変容していく中で永続的に古典であり続けるかどうかは分かりませんが、まだ決して色褪せてはいない著作です。

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近年、空き家や災害復興を中心に、住宅問題はとみにクローズアップされています。過疎化と少子高齢化が直撃している地方では社会問題化するほど空き家が増えておりますし、(特に東日本大震災の)災害復興においても、「これから人が増えることはない」ことを前提とする非常に困難な住宅や「街」の移転・再建が議論されています。

また、住宅問題とかかわりの深い「都市計画」という単位にまで視界を広げれば、都会もこの問題とは無縁ではでありません。東京やその周辺ではタワーマンションが林立して価格はバブルの様相。少子化のご時世に小学校が足りないなどという悲鳴が自治体から聞こえてくることさえあり、「保育所建設反対」問題がニュース番組やSNSを騒がせたりもしています。

そんな中でタイムリーな出版となったのが本書です。主に戦後の住宅政策について概説しつつ、「持家推奨」「開発優先」な日本政府の政策が今日の状況を招いたことが示唆されます。やや「政治」理論的な面が薄く、新しい概念の提示などがあまりないことは難点ですが、旬の「住宅政策」について総覧した、「これ一冊!」的教科書としては非常に優れた著作だと感じました。以前に平山教授の著書を紹介いたしましたが、その正当発展版ではないでしょうか。

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放送大学の教科書ですが、一般的な解説書としても名著です。

戦後日本の教育に関わる問題につき、簡潔で要点を落とさず記されており、教育政策入門のために網羅的知識を身に着けるにはうってつけでしょう。

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小選挙区比例代表並立制の導入を含め、90年代に行われた統治機構改革以降、一時は民主党が政権を獲得することもありましたが、自民党以外は離合集散を繰り返しているのが実態です。

また、この間には、減税日本や大阪維新の会、都民ファーストなど、国政ではなく地方に基盤を持つ政党も力を持ち始めました。このような政党の変動や盛衰がなぜ起こったのか、それを政党をとりまく制度から説明しようと試みているのが本書です。

自民党の強さの理由、民主党をはじめとした野党が力を持てないのはなぜか。それを、制度面から冷徹に議論する名著だと思いました。

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地方分権が叫ばれて久しい今日ですが、政治学では昔から「集権」「分権」は大きなテーマでした。そして、2012年に刊行された本書は、著者も認めるところの、これまでの通説に正面から斬ってかかった著作となっております。戦後日本は「明治以来の集権体制」なのか「分権の進んだ民主国家」だったのか。その切り分けがまだあなたの頭の中にあるならば、この本は十分な威力を発揮するでしょう。

日本の政治に関心がある人ならば一度は読んで欲しい本です。

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住宅政策というあまり注目されない分野に光を当てた新書。

単に住宅政策という個別の政策分野だけでなく、それを通じて戦後日本政府の経済政策の特徴や、これから日本が進むべき道も見えてくる名著です。

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「社会関係資本」という概念に光をあて、様々な分野に影響を与えた本です。著者のパットナム教授はこの本で一躍スター研究者となりました。

ご近所づきあいや会合などの社会的紐帯の減少という、誰もが個人としては感じていることを米国全体というスケールで分析し、その原因、そして影響を社会的・政治的なものに結びつけた大著。

もはやどの分野でも無視できなくなった「社会関係資本」をアカデミック界に知らしめた作品として、非常に読みごたえがありました。

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日本を代表する行政学者の一人、曽我京大教授の著書です。

統計学的手法を駆使し、政治制度が官僚制に与える影響を分析するというあまりこれまでには見られなかった試みがなされております。

モデルやデータの取り方、相関関係をあまりに重視しすぎた論考には疑問点もありますが、このような手法で政治を分析するやり方はたいへん面白いと感じました。

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