明日も物語に魅せられて

読んだ小説や新書、教養書の書評ブログです。
アニメや映画の感想もたまに書きます。
やや辛口ですが、本当に良いものだけを
高評価にできればと思っています。




カテゴリ:新書・教養書(評価) > ★★

1973年の書版発行以来、投資界隈で読み続けられている本であり、2016年発売の日本語最新版が第11版の訳書になります。ネット証券が台頭し、NISAやiDECOといった個人向けの投資制度も充実してきた昨今、投資についての基礎を身に着けておいて損はないでしょう。年金がGPIFによって運用されるようになったことで、年金の現状について一家言持つにはGPIFのポートフォリオを語れる必要が出てきたため、政治学に興味がある立場としても面白いのではないかと手に取りました。

評価としては微妙だった、というところですね。全般的に誤ったことが書いてあるとは思わないのですが、世界史や経済・金融の知識が全くない人向け(大学で学んでいない人)の説明が目立つ一方で、前半のほとんどを世界史上に起こったバブル事例の説明に消費してしまうなど、魅力的ではない構成になっており、どういった層を満足させられるのだろうという疑問を感じてしまいました。

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以前に紹介した「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」と同じく、アンケート調査から日本の有権者の投票行動を研究する本です。「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」は「政権交代期における政治意識の全国的時系列的調査研究」というシリーズでまとめられているのに対し、本書は「変動期における投票行動の全国的・時系列的調査研究」シリーズの一つとして刊行されています。とはいえ、その二つの研究が看板を変えただけの続きものになっているのが実質らしく、むしろ継続性のある統計データとして双方の中で扱われているくらいです。

しかし、本書は星を一つ下げて星2つとしています。理由は「データや統計結果に驚きや新鮮さがないこと」と「論全体に有用で核心的な主張がないこと」です。データセットに近いという点では「二大政党制の崩壊と政権担当能力評価」と同じなのですが、それでも、投票行動についてうまく「説明している」とは言い難い、ピントを外した統計処理の当て方や文章での論証がされているように感じました。

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慶応大学教授でアメリカ文化研究が専門の鈴木透教授の著書。「民主主義と巨大ビジネスのはざまで」というサブタイトル通り、政治や経済との関わりが意識された内容でした。帯には伝説の野球選手であるベーブ・ルースや、近年興隆するアメリカ女子サッカーの一場面を捉えた写真と共にトランプ大統領がプロレスのイベントに参加する写真も掲載されており、本の雰囲気が伝わってきます。

ただ、内容の質としては、知識面においてWikipedia記事の寄せ集め、論理面においてやや強引なこじつけが多くみられました。「アメリカ・スポーツ・政治・ビジネス」に関心があってある程度の知識がある人は読む必要がなく、そうでない人にわざわざ推奨するほどの本でもないというのが正直な感想です。

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アメーバ経営で有名な京セラの創業者であり、日本航空の再生でも力を振るった名経営者、稲盛和夫さんが会計について記した本になります。

いかにも昔ながらの実務者が語るという内容で、精緻さや体系の美しさはありません。普遍的な理論を求めている人には不向きでしょう。ただ、行動経済学が注目を浴びているように、政治学や経済学ではどのような人物を「普通の人間」と想定するか、現実における「摩擦」をどう扱うかはホットなトピックです。この「摩擦」という点について示唆のある内容もちらほらあったため、そこを評価して星2つとしました。

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もともと住宅・土地問題に関心があるのですが、その界隈で「生産緑地」問題が浮上し始めてきたことから手に取った本です。「生産緑地」で適当に検索して購入したのであまり期待はしていなかったのですが、まぁ、そのたいしたことない期待の程度だったという感想。

著者が不動産コンサルということもあり、学術的で客観的な分析と言いうよりは、土地保有者向けの土地活用術の本という雰囲気が濃いものでした。

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混迷深まるEUの情勢を歴史的に振り返りつつ、今後の展望を解説するという著作です。

著者の遠藤教授はヨーロッパ経験も長いようで、現在のヨーロッパ情勢を概説する書としてはよくまとまっていたと思うのですが、制度的な面に社会科学的手法を用いて深く切り込むことはなく、ある程度新聞を読み、通り一遍の解説を知っている人にとっては耳にタコな話が多かった印象です。

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政策研究大学院大学教授、飯尾潤氏の著作で、本作でサントリー学芸賞を受賞されています。

戦後から21世紀までの日本政治の動きを統治機構の面から総覧するという意図をもって書かれているようでしたが、普段から新聞を読んでいる人には不要で、そうでない人にとっては意味不明な本になってしまっているという印象でした。

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北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授で、ロシア外交や中露関係に詳しい岩下明裕氏の著書です。

述べられている「事実」は興味深いものも多いのですが、本書に理論として優れている部分があるかと言われればその点はイマイチだったと思います。

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現在、東北大学で准教授を務めておられる著者の博士論文に改稿を加えたもので、中央政府―地方政府の関係性から教育行政においてどのように政策決定がなされているかを研究した本です。私にとって新たな発見もありましたが、全体的に著者の主張の重要性が十分に論証されていたとは言い難いと感じました。

教育行政の政府間関係
教育行政の政府間関係 [単行本]
青木 栄一
多賀出版
2004-03

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