明日も物語に魅せられて

読んだ小説や新書、教養書の書評ブログです。
アニメや映画の感想もたまに書きます。
やや辛口ですが、本当に良いものだけを
高評価にできればと思っています。




2018年06月

名作深夜アニメランキングでも上位に入ることが多い作品で、P.A.WORKSの「働く女の子シリーズ」の第2弾という位置づけ。しかしながら、「働く女の子シリーズ」内ではもちろんのこと、同社の数ある作品の中でも抜きんでた人気を誇っています。2014年から2015年にかけて放送された作品にも関わらず、最近になって映画化の発表があり、再び盛り上がっている作品という側面もあります。

内容は評判に違わず名作といってよい出来で、「アニメ」についてのアニメとして一つの業界の魅力を効果的に描き切った作品であり、また、お仕事アニメとして働く人々の強さや弱さ、成功と失敗の感動が見事に表現されています。

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言わずと知れた文豪、太宰治の短編集。彼が記した小説の中でも、女性を主人公にした告白体小説ばかりを集めたのがこの作品です。

女性の気持ちをよく汲みとっていて、女性ファンも多かったとされる太宰。とはいえ、あまりにも古めかしい女性ばかりが描かれていて、当時の女性(それも熱心な文学ファンの偏執狂でしょう)の心は捉えらえたのかもしれませんが、現代まで通じる古典になってはいない作品でした。

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慶応大学教授でアメリカ文化研究が専門の鈴木透教授の著書。「民主主義と巨大ビジネスのはざまで」というサブタイトル通り、政治や経済との関わりが意識された内容でした。帯には伝説の野球選手であるベーブ・ルースや、近年興隆するアメリカ女子サッカーの一場面を捉えた写真と共にトランプ大統領がプロレスのイベントに参加する写真も掲載されており、本の雰囲気が伝わってきます。

ただ、内容の質としては、知識面においてWikipedia記事の寄せ集め、論理面においてやや強引なこじつけが多くみられました。「アメリカ・スポーツ・政治・ビジネス」に関心があってある程度の知識がある人は読む必要がなく、そうでない人にわざわざ推奨するほどの本でもないというのが正直な感想です。

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2014年から2018年の4月まで「週刊少年サンデー」で連載していた、駄菓子をテーマにしたショートギャグ漫画。「駄菓子」という一風変わった切り口と、少年誌らしいギャグ運びが魅力です。5月に最終巻となる11巻が発売され単行本も無事完結となりました。

作中では製造元企業の協力を得たうえで様々な駄菓子が登場するのですが、出版不況で特に雑誌が売れない昨今、こうした半ば「宣伝タイアップ専門漫画」になりうる作品が各週刊誌や漫画アプリにあってよいのではないかと思いながら読んでいました。

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近年のアニメの中では稀に見る傑物だった「響け!ユーフォニアム」シリーズ。第2期にあたる「響け!ユーフォニアム2」の感想、前編中編に続く後編です。

前半部分とは対照的に、第2期はこの第6話以降の後半部分が非常に(粗末とまでは言わないが)凡庸な内容で、総評としてはイマイチというのが率直な感想です。

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高校吹奏楽アニメ「響けユーフォニアム2」の感想、前編に続き中編です。といっても第5話だけを取り上げるのですが、関西大会本番での演奏を描いたこの話は前後の「吹奏楽部の猛練習と繊細な人間関係という日常」とは別の角度からも語るべき題材で、前編の内容と混ぜるのは良くないと思い分けました。

近年のアニメシーンでは傑出したいわゆる「神回」と形容すべき話で、これ以降TV放映の30分アニメを作成するにあたっては必ず参照されるべき作品に「響け!ユーフォニアム」を押し上げた話だと思いました。

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高校の吹奏楽部を舞台にした青春部活物語。大学生で作家デビューを果たした武田綾乃さんの原作を、深夜アニメ界隈では大きなブランド力を持つ京都アニメーションがアニメ化した作品です。第1期の出来が素晴らしかったため、個人的にも非常に期待していた第2期でした。第1期の感想はこちら。

正直なところ第1期よりは良いとは言えず、終盤の失速が残念でしたが、それでも並大抵のアニメよりは十分に良いと言える作品で、オタク向け要素を排してより工夫すれば午後7時前後やゴールデンの時間帯に流しても評価を得られるようなポテンシャルがあるのではと個人的には思っています。

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紫綬褒章を受章した少女漫画界の生ける伝説、萩尾望都。その代表作の一つとされているのがこの「ポーの一族」です。バンパネラ(バンパイア)として永遠の命を生き続ける少年エドガーを中心に、その周囲で起こる出来事をいかにも古風な少女漫画らしいファンシーさで描いた作品。1976年の小学館漫画賞少年少女部門を受賞しております。

「トーマの心臓」のレビューでは評判に恥じない文学性から星3つをつけましたが、「ポーの一族」は難解な作風の悪い面が強く出てしまっているように感じられ、悪い意味で「文学」してしまっている印象を受けました。

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主に製造業をターゲットとし、原価計算のスタンダードな手法を紹介する実用書。「本質と実務」というタイトルの通り、「なぜその方法が良いとされているのか」を逐一記述しているところが優れています。

簿記2級以上を取得しようと考えている方に、工業簿記の勉強と平行して是非、読んで頂きたい本です。

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タイトルだけならきっと知名度100%なのではないでしょうか。数学者ルイス・キャロルによって記された児童書で、1865年刊行ながら今日まで全世界全世代で幅広く愛されている作品。「アリスの世界観をモチーフにした」が枕詞のエンターテイメント作品が製作されない年はないくらいに、古典として確固たる地位を確立しています。

そんなポップなイメージとは対照的に、英語独特の表現や時代背景を反映した冗談が多いためにやや難解になってしまっているのが日本語翻訳版です。河合祥一郎氏の名訳をもってしても物語を十分に楽しめるとはいえないでしょう。ただ、「アリスの何が斬新だったか」を意識しながら読めば、特に創作に携わる人々からの人気が高いのも頷けます。

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