明日も物語に魅せられて

読んだ小説や新書、教養書の書評ブログです。
アニメや映画の感想もたまに書きます。
やや辛口ですが、本当に良いものだけを
高評価にできればと思っています。




2018年01月

不思議な世界観と優しく繊細な文体で人気を博す純文学作家、小川洋子さんの作品。小川さんの個性が前面に押し出されており、ファンの間で評価が高いことも頷けます。

しかし、そこが却って普遍性を損なっているような、万民への説得力に欠けているような作品だったと思います。

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フランス人作家、スタンダールの代表作の一つで、サマセット・モームの「世界十六大小説」にも選ばれている作品です。

歴史的に評価の高い作品ではありますが、個人的にはあまり楽しめませんでした。特に現代に通じる普遍性の面ではかなり疑問です。とはいえ、時代が変わればまた再評価されるのかもしれません。

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全体主義への警鐘を鳴らす、言わずと知れた有名小説です。不安定な政治状況から近年でもアメリカなどを中心に売り上げを再び伸ばしています。

テレスクリーンによる監視や思考の「幅」を狭める新言語ニュースピーク、「憎悪時間」など、全体主義体制が到る悲惨な政治的状況をこれでもかと描く力の鋭さ・強さにおいては文句のつけようがありませんが、小説としてのストーリーにはやや凡庸な面もあり、評価に迷う作品です。

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もとはファミ通文庫から3冊分冊で出版されていたものをその後、文藝春秋/文春文庫が出版。そして、表紙をリニューアルして再刊行された本書。桜庭一樹さんが一段階有名になるたびに出版されていると言っていいでしょう。

ライトノベルというより少女小説と呼んだ方が相応しい読みやすい文体で、星1つをつけるほどの致命的な落ち度はありません。しかし、「少女の繊細な成長」を描くとこに終始しすぎたせいでドラマがなく、また、その「少女の繊細な成長」という側面でも、主人公の家庭環境が特殊なことからあまりリアリティを感じられませんでした。

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漫画家であるカザマアヤミさんが自身の結婚までの道のりを描いたコミックエッセイです。現在は月刊アクションで「小林さんちのメイドラゴン エルマのOL日記」を連載されています。

恋愛慣れしていない人の面白おかしい話としても楽しめますし、それでいて現代が生み出した「恋愛」という概念の可笑しさも示唆する作品。軽い気持ちで一気読みしつつ、これがfunnyの意味で面白いことは良いことなのだろうかと考えさせられます。

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pixivで連載されていたコミックエッセイの書籍化作品。「寂しさのあまり性体験をしたこともないのにレズ風俗に行く」というセンセーショナルな煽り文句と、その切実な内容のコントラストが魅力です。

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有名なオペラを里中満智子さんが漫画で描く、「マンガ名作オペラ」シリーズの第5巻です。全巻揃えようというわけではないのですが、表題作である「トゥーランドット」の筋書きが知りたくて購入しました。

いかにも「古典の短編」という印象で、まだ物語というものが洗練されていない時代の粗削りな面が目立った印象です。

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1956年公開のモノクロ映画。
監督はヴェネツィア国際映画祭で2度のサン・マルコ銀獅子賞に輝いた往年の巨匠、溝口健二さんです。

いまはなき「赤線地帯」のリアリティを上手く描いているという点では(とはいえ、私は赤線がなくなった後の生まれなので本当にリアルなのかは分かりませんが)良いと思いましたが、フィクションゆえ、映画ゆえの物語性にあまりにも欠ける作品だと感じました。

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