明日も物語に魅せられて

読んだ小説や新書、教養書の書評ブログです。
アニメや映画の感想もたまに書きます。
やや辛口ですが、本当に良いものだけを
高評価にできればと思っています。




2017年03月

「戦争と平和」「アンナ・カレーリナ」等の作品で有名なロシアの文豪トルストイの寓話。

富を求めることや暴力に疑義を呈し、素朴な信仰に基づく生活がよいという直截なメッセージはわからなくもないですが、なにぶん、単純な勧善懲悪すぎて「もうちょっと工夫してくれよ」と思ってしまう作品でした。

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ウィットに富んだ物語で読者をひきつけるアメリカの作家、O・ヘンリの作品集その3です。その2の感想はこちら。

前2巻に比べるとやや威力は落ちるものの、それでも作品から漂う風格と哀愁にはただならぬものがあります。

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ノーベル経済学賞を受賞し、「アローの不可能性定理」等で著名な経済学者、ケネス・アロー氏の講演集です。もともと岩波から出ていたのですが、このたび筑摩書房から復刊ということで読んでみました。

現代の政治・経済学が取り組んでいる論点について、既に鋭い指摘を行っていたアロー氏の視点には驚くばかりです。

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「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」非常に有名な一文から始まる、川端康成の長編代表作です。

繊細で心震える省略美、たおやかな視点と形容。それらの評価が高いのは分かりますが、どちらかというとストーリーに感動するタイプなのでそこまで読後の感動は強くありませんでした。

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直木賞作家、桜庭一樹さんの作品です。彼女の作品の中ではややマイナーでしょうか。東京創元社の本というのも珍しい気がします。

内容としては初期の桜庭さんが得意な少女モノですが、ポップな文体と切なく陰惨な心情・情景描写が読ませます。ただ、ストーリーにはかなり疑問が残り、すっきりとした読後感とはいきませんでした。

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「審判」「城」などでも有名なフランツ・カフカの作品です。

降りかかる不条理に対して主人公が何を思い、どう行動するか。そして、それを取り巻く家族の反応とその悲しい結末。そのような描写は鋭くかつユーモアに富んでおり、文学界に新風をもたらしたのは理解できるのですが、物語の展開が「当然の結末」だらけで意外性がなく、その点の面白さが欠ける小説でした。

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芥川賞作家、川上弘美さんのベストセラー小説です。谷崎潤一郎賞を受賞した「純文学」なのですが、異例なほど売れた作品。小泉今日子さん主演で映画化もされています。

大人の恋のなかにある淡くて切ない心境に感動できる一方、登場人物の現実感や物語の起伏と言う点ではイマイチな作品でした。

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ノーベル賞作家、アルベール・カミュの代表作です。面白いと思う人とつまらないと思う人が分かれる作品ですが、私は好みです。

「当り前の感情を持つ」という、広く信仰されているに過ぎない「常識」が、まるで「道徳・正義」のように扱われる我々の社会。そこに疑問を投げかけ続ける名作であると思います。

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前置きはいらないほどの有名作品、「伊豆の踊子」です。吉永小百合さんや山口百恵さんの映画でも知られていると思います。

確かに、描写の美しさ、特にいきいきとした踊子の様子には感動がありますが、物語として含蓄や面白さがあると言われると微妙なように感じられました。

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「新潮文庫の100冊」の常連であることからも知っている人が多いのではないでしょうか。

文藝賞でのデビュー以来、直木賞、谷崎潤一郎賞、川端康成賞などを受賞し、純文学とエンターテイメントの両方で活躍する作家、 山田詠美さんの作品です。

コミカルな語り口と勉強一辺倒に対する爽やかな反論が面白い一方で、勉強し過ぎは悪、恋することこそ善といった二項対立で物事を語れた時代に取り残されてしまった作品でもあるように思いました。

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